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【完結】のんびり雑談【敬語S/言葉攻め】
14*
しおりを挟む縁に意識が集中する。恐る恐る、できるだけ深く大きく呼吸をする。
気を抜くと入り込んできた異物をぎゅうぎゅうに締め付けてしまいそうだ。でも、それをするときっと広がり切った縁が裂けてしまう。
本能レベルで感じ取った危機に、必死で縁を緩めるように下腹部に力を入れると、それに合わせてきょうさんの腕に縋りついた手に力が籠った。
「いいですね、入れやすい」
こっちがそんなに必死になっているというのに、きょうさんは歌うように言いながらぐっと腰を進めてくる。
「ぁうッ!」
少しだけ奥へ押し入られた感覚に、緩めるように意識していたそこから鋭い刺激が駆け抜けた。痛みにも似たその刺激は腰の中で暴れまわってから背筋を這いあがって、細い糸を辿るように首筋から抜けていく。
そんな刺激とは裏腹に、腹の中の異物は存在感を増して脈打っていた。
「も、くるし…っ」
腹に重りを詰め込まれていくような息苦しさに、上手く呼吸ができない。
「じゃあ、抜きましょうか」
声と同時にずるりと引き抜かれた。
受け入れようと必死に緩めていた所を攫われるように引っかかれて、首筋からつま先に向かって電流のような痺れが走った。
ようやく入ったと思っていた一番太い所が抜け出る瞬間、下腹部にずくんと思い衝撃を感じた。
「でも、僕はまだ入っていたいです」
止める間もなく、取って返した性器が潜り込んでくる。
「ひァ!」
一気に押し込まれて、さっきより深い場所まで暴かれたのが分かった。
指が届いていたのよりずっと奥。薄い粘膜越しに、入り込んできた性器がどくどくと脈打っているのがはっきりと伝わってくる。
その脈動に乗ってぞくぞくと痺れが腹の中に広がった。
「ぁ、ぁ…ぁぅ…」
この痺れは、知ってる。
散々俺の身体を苛んで、おかしくさせられた…。
それが快感だとはっきり認めてしまって身体がぶるりと震えた。
「感じてきたようなので、続けますね」
言いながらまたずるりと引き抜かれて、背筋を指先で擽られるような甘い痺れが後を追うようにそれについていく。
「あっ、…ん…っ」
ぐじゅ、と濡れた音を零しながらまた奥へと押し込まれて、腹の奥がきゅんと疼いた。
そうやって抜かれては痺れ、入れられては疼き、繰り返すたびに少しずつ奥へ奥へと入り込まれて、腹がじんじんと痺れてくる。
「次で、奥まで入れますからね」
意識させるように言われて、腹の奥が身構えるようにひくりと跳ねた。
腰を抱く腕に力が籠る。
「あ、だめ…っ」
縋る手に力を込めて首を振って見上げると、意地悪気な笑みが返って来た。
「まさとさんの「だめ」は「イイ」って意味ですよね」
ぐぶん!と鈍い衝撃の後、突き抜けるような快感が神経を焼いた。
「っあァア!!」
目の前で花火が弾けたように視界がちかちかと白んで、身体の中を駆けずり回る電流に全身がびくびくと跳ねる。脳がぱちぱちと弾けるような快感の泡に包まれて、一瞬何も考えられなくなった。
「…そんなに良かったですか?」
「…?」
言われた意味が分からず、相変わらず白んだ視線できょうさんを見上げる。
答えのかわりにほったらかしにされていた性器をゆるゆると撫でられて、そこから予想外に強烈な痺れが走り抜けて全身が強張った。
「アッ、えっ…っ」
気付かないうちに、先端からとろりとした液体が零れていた。
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