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【完結】しょうがあるけどしょうがない【フィギング/閲覧注意】
6*
しおりを挟む「さて、じゃあ次ですね」
絶望的な発言が落ちてきて、血の気が引く。
首を巡らせてローテーブルを見やれば、鎮座めします野菜たち。
「どれが食べたいですか?」
文句を言いたいのは山々だけど、今はそれどころじゃない。
尻の奥が切ないくらいきゅううっと疼いて、叫ばずにはいられなかった。
「な、なんでもいい…!なんでもいいから掻いてぇ!」
半ばパニックになりつつある脳内に一瞬「大根や人参を持って笑顔を浮かべる農家のおばさん」という謎の映像が過ったが、今の俺にはそれに罪悪感を感じる理性なんて残されていない。早く早くといっそ強請るように尻を振った。
「…やっぱり、先輩って結構馬鹿ですね」
今はそんな失礼な発言にも言い返す余裕なんてない。疼いて疼いて、そこを何でもいいから掻きむしって貰えるなら馬鹿にだってなる。いや、もうなってる。
生瀬の手がすっとトレーに伸ばされて、その中でも一番の存在感を放っている大根に伸ばされた。
あぁ、あんなので広げられたら…っ
想像した圧迫感。限界を超えてみちみちに詰め込まれて擦られたら、どんなに気持ちいいだろう。解放感を夢想して奥がうずうずと蠢いた。
「あ゛ぅ゛うう゛…!!はやくぅ…ッ」
もう1秒だって耐えられない。
ヒクつく尻を掲げておねだりポーズで媚びて見せれば、生瀬はちょっとムッとしたような表情を浮かべてその尻をパチンッと音を立てて平手で打った。
突然の痛みに驚いた尻がきゅうっと収縮する。もう何度目かもわからない疼痛に中を刺されて、「ああ゛あ゛!」と高い悲鳴と同時にぽろぽろと涙が零れた。
「あのね、先輩。これ、おしおきなんですよ。分かってます?」
もう十分わからされてるよ!!
こんな痒み地獄に落とされて、みっともなく尻振らされて、大嫌いな食べ物を食べる約束までさせられて。しかもたった今まで自分を虐めていたまさにそれを。
でもここで口答えなんか到底できない。とにかくこくこくと肯定して許しを請うみたいに身体をできるだけ小さくした。
「そんな大きいの入んない~って泣いて欲しかったんですけどね」
どうやらリアクションを間違えたらしい。怖いよお前っ
涙目で睨みつけても、そんな情けない視線なんて余裕の風体で受け流して、生瀬は大根の手前に置いてあった黄土色のごつごつした木の根のようなものを手に取った。
「まぁ、言わせたかっただけで、はなからコッチ使うつもりでしたけど」
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