292 / 300
【完結】頭が痛いと言ってくれ!【閲覧注意/催眠】
9*
しおりを挟む
ぷかぷかとぬるま湯に浮いているのが気持ちよくて、ずっとこうしていたい。
胸の内まで開放感に満たされていて、これ以上ないくらい幸せな気分だった。
「…高坂くん。まずは現状の把握から始めようか」
そこに佐倉さんの落ち着いた声がふんわりと響く。
途端に脳内のイメージはぬるま湯に満たされた広い空間から、青空の広がる大草原に切り替わった。
「は…ぃ…」
毛足の長い草原に横たわった俺は辛うじてそれだけ返して、佐倉さんの言葉を待った。
頬にはさわさわと涼しい風すら感じる。ふっと江國課長の姿が過った。
「君は今まで沢山しんどかったよね。それが楽になって、今、君の身体は気持ちよくてたまらなくなってる」
うん。佐倉さんの言う通りだ。
頭痛から解放された俺は、泣きたくなるような幸福感に包まれて全身が快感で埋め尽くされている。
「それに加えて、ここの所の君は、性欲とは無縁の暮らしを送ってた。あんなに頭が痛かったんだから当然だね」
ちかっと視界が肌色に明滅した。
うん。確かに。そういう事とは随分遠ざかっていた。そもそも頭痛が邪魔で殆ど勃たなかったし…。
「だから今、頭痛が楽になって身体がリラックスした君は凄く…性的に、興奮してる」
ぞぞぞっ!と脊椎に電気を流されたような快感が走った。
「…ッ!!」
その名残が後頭部の辺りでぱちぱちと柔らかく弾ける。
せいてき…、性的。
今更になってようやく思考が意味を理解して、自分が痛いくらい勃起していることに気付いた。
「あ…っ」
自覚して、羞恥心で視界が一瞬真っ赤になる。
それなのに俺は「恥ずかしいから何とかしないと」と言う意識より「スラックスに抑圧された性器が窮屈だ」と言うようなことを本能的に考えてしまった。
「大丈夫。恥ずかしくないよ。よくあることだから。深くまでリラックスできてる証拠だ」
自覚して意識が行ってしまうと、まるで性器に支配されているかのようにそこから全身へ興奮が広がって、じり…ともどかしさが込み上げてきた。
「折角だから、もう少し気持ち良くなっちゃおうね。手伝ってあげる」
今でも十分気持ちいいのに、もう少し、まだ先があるなんて。佐倉さんの言葉に全身が期待でざわざわと震える。
ようやく落ち着いて来ていた呼吸がまた少し荒くなってしまったのを意識して整えると、全身に酸素が回って意識がじんわりと痺れた。
「そのままだと窮屈だね。楽にしていいよ。」
まるで導かれるように手が勝手に動いて、スラックスのボタンを外し、ファスナーを降ろす。ほんの一瞬羞恥心がチラついたけど、それ以上の期待感に操られて、下着をずらす手は止まらなかった。
ぶるりと飛び起きた性器は久しぶりの充足した感覚にふるふると震えていて、嬉し気に涙を零している。
「触っちゃ駄目だよ。意識が行っちゃうから。そのまま、私の声を聞いて」
駄目、と言われて、役目を失った手がすごすごと身体の横に戻る。そうすると吸い取られたように力が抜けてしまって、指一本動かせなくなってしまった。
もどかしさが刻一刻と積み重なって腹の奥に溜まってくる。性欲を意識してしまった瞬間から、放出への期待がどくどくと疼いていた。
「これから私が数を数えるよ?10から、逆に」
佐倉さんの低い声が、さらにワントーン低くなる。
耳馴染みのいい低音がするりと滑り込んできて、まるで脳を直接振動させられているような甘い痺れが頭の中にぶわりと広がった。
「数字が小さくなればなるほど、君の身体はどんどん高ぶって…」
その言葉だけでも、ぶるりと肩が震えた。
呼吸が荒くなるのを必死で堪える。
「…私が「0」って言った瞬間、君は射精する。イっちゃうんだ。それはきっと、今まで感じたことないくらいの快感だよ」
胸の内まで開放感に満たされていて、これ以上ないくらい幸せな気分だった。
「…高坂くん。まずは現状の把握から始めようか」
そこに佐倉さんの落ち着いた声がふんわりと響く。
途端に脳内のイメージはぬるま湯に満たされた広い空間から、青空の広がる大草原に切り替わった。
「は…ぃ…」
毛足の長い草原に横たわった俺は辛うじてそれだけ返して、佐倉さんの言葉を待った。
頬にはさわさわと涼しい風すら感じる。ふっと江國課長の姿が過った。
「君は今まで沢山しんどかったよね。それが楽になって、今、君の身体は気持ちよくてたまらなくなってる」
うん。佐倉さんの言う通りだ。
頭痛から解放された俺は、泣きたくなるような幸福感に包まれて全身が快感で埋め尽くされている。
「それに加えて、ここの所の君は、性欲とは無縁の暮らしを送ってた。あんなに頭が痛かったんだから当然だね」
ちかっと視界が肌色に明滅した。
うん。確かに。そういう事とは随分遠ざかっていた。そもそも頭痛が邪魔で殆ど勃たなかったし…。
「だから今、頭痛が楽になって身体がリラックスした君は凄く…性的に、興奮してる」
ぞぞぞっ!と脊椎に電気を流されたような快感が走った。
「…ッ!!」
その名残が後頭部の辺りでぱちぱちと柔らかく弾ける。
せいてき…、性的。
今更になってようやく思考が意味を理解して、自分が痛いくらい勃起していることに気付いた。
「あ…っ」
自覚して、羞恥心で視界が一瞬真っ赤になる。
それなのに俺は「恥ずかしいから何とかしないと」と言う意識より「スラックスに抑圧された性器が窮屈だ」と言うようなことを本能的に考えてしまった。
「大丈夫。恥ずかしくないよ。よくあることだから。深くまでリラックスできてる証拠だ」
自覚して意識が行ってしまうと、まるで性器に支配されているかのようにそこから全身へ興奮が広がって、じり…ともどかしさが込み上げてきた。
「折角だから、もう少し気持ち良くなっちゃおうね。手伝ってあげる」
今でも十分気持ちいいのに、もう少し、まだ先があるなんて。佐倉さんの言葉に全身が期待でざわざわと震える。
ようやく落ち着いて来ていた呼吸がまた少し荒くなってしまったのを意識して整えると、全身に酸素が回って意識がじんわりと痺れた。
「そのままだと窮屈だね。楽にしていいよ。」
まるで導かれるように手が勝手に動いて、スラックスのボタンを外し、ファスナーを降ろす。ほんの一瞬羞恥心がチラついたけど、それ以上の期待感に操られて、下着をずらす手は止まらなかった。
ぶるりと飛び起きた性器は久しぶりの充足した感覚にふるふると震えていて、嬉し気に涙を零している。
「触っちゃ駄目だよ。意識が行っちゃうから。そのまま、私の声を聞いて」
駄目、と言われて、役目を失った手がすごすごと身体の横に戻る。そうすると吸い取られたように力が抜けてしまって、指一本動かせなくなってしまった。
もどかしさが刻一刻と積み重なって腹の奥に溜まってくる。性欲を意識してしまった瞬間から、放出への期待がどくどくと疼いていた。
「これから私が数を数えるよ?10から、逆に」
佐倉さんの低い声が、さらにワントーン低くなる。
耳馴染みのいい低音がするりと滑り込んできて、まるで脳を直接振動させられているような甘い痺れが頭の中にぶわりと広がった。
「数字が小さくなればなるほど、君の身体はどんどん高ぶって…」
その言葉だけでも、ぶるりと肩が震えた。
呼吸が荒くなるのを必死で堪える。
「…私が「0」って言った瞬間、君は射精する。イっちゃうんだ。それはきっと、今まで感じたことないくらいの快感だよ」
105
あなたにおすすめの小説
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる