小人女子高生の異世界冒険譚~転生したらグロースとミニマムが使えない件~

異世界サボテン

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第20話 暁のオークション⑤

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通路奥から小隊長と思わしき人の声が聞こえてきた。

「交代の時間」って言ったのか彼は?

その言葉が聞こえてきた直後・・・







「よっしゃああああ!」


「マジですか!もういいんですか!?やったああ!」


「小隊長!恩に着るぜえええぇぇ!」







兵士達の歓声が通路に響いた。

意外な展開に僕は呆気にとられてしまう。







・・・なんだ、ただの事務連絡だったということか?

あの隊長から”ちょっと異質な雰囲気”を感じたから、なにか深刻な話でも始めるのかと思ってたよ・・・

ただの僕の思い過ごしだったという事か。

まあ、いい・・・

時間も限られていることだし、さっさと次の聞き込みに行くとしよう。







胸中に少しモヤモヤを残しながらも、僕は次の場所を求めて会場の中へ戻って行った。













会場に戻った僕は引き続き何人かの兵士に声を掛けてみる。

しかし、兵士の反応は鈍くどの人も世間話に乗ってこようとしない。

まったく無反応というわけではないんだけど、

こちらの問い合わせにも彼らはただ首を振るだけですぐに巡回任務に戻っていく。

任務中の決まりごとでもあるのかもしれない・・・

僕も先程の様な事になるのは嫌だったので、粘って聞き出すようなことはもうしていない。







はあ・・・困った。

こりゃ、完全にこっちは手詰まりだな。







この分だと他の兵士に聞いても同じ反応しか返ってこないだろうし、

たとえ世間話が出来たとしても落札者の情報をそもそも持っていない可能性が高い。

しかし、そうなると・・・







「やっぱり、騎士に聞きに行くしかないかぁ・・・」







僕はぼそりと言葉を吐き出した。

先程の件もあるから、”あの階段”近辺には近寄りがたい。

さっきは壇上の右方の階段に行ったから、行くんだったら今度は反対側にしよう。

僕の顔を覚えているとしても、僕に尋問を掛けてきた騎士くらいだと思うから反対側だったら大丈夫だろう。

僕はそう考えをまとめると、再度懐中時計を取り出して現在の時間を確認した。







19:48







・・・もう、迷っている時間はあまりない。

よしっ、行くぞ・・・・!







僕は意を決して、今度は壇上の左方の階段へと向かっていった。

会場の人混みを掻き分けて再び進んでいくと、程なくして騎士団が警備している階段が近づいてきた。







ごくっ・・・

緊張で手汗が出ている中、騎士団の顔を遠目に注意深く観察する。

・・・どうやら先程僕に尋問を掛けてきた騎士はここにはいないようだ。

とりあえず、第一関門は突破だ。

あとはどうやって世間話を仕掛けるかだけど・・・

そこで僕は改めて階段前を警備している騎士達の様子を伺った。







「・・・・・・」







会場の周囲の動きに目を光らせて、少しも気を緩めている気配がない。

忠実に任務に従事しているのが伺える。

こりゃ・・・世間話を仕掛けても門前払いされるの関の山だなぁ・・・

兵士達ですらまともに取り合ってくれなかったんだ。

軍務のエリートである騎士達が僕の世間話に付き合ってくれるとはとても思えない。

さすがに世間話を仕掛けるくらいのことだったら捕まることはないだろうと思うけど、何らかの尋問を受けてもおかしくない。







ここはやっぱり見送るべきなんじゃないか・・・?

はぁ・・・どうしよう・・・







ここに来て情けないことに二の足を踏んでしまった。

僕がそうやってしばらく悩んでいる間にも、多くの人間が2階席へと出入りしている。

基本的に2階席に向かう際には通行証の提示を求められているようだが、2階から降りてくる時はそのまま確認されず素通しで通されている様だ。

つまり・・・一度2階に上がる事さえ出来れば1階から出て行くのは容易だということか。

僕がそんな事を思いながら騎士達を眺めていると・・・







・・・ドォォ・・・ン







微かにだが、上の方からなにかを揺るがすような音が聞こえてきた。

・・・ん・・・なんだ?

なんか、揺れなかったか?







「おい・・・今なにか音しなかったか?」


「さぁ?気のせいじゃないか。俺はなにも感じなかったが・・・」


「そうか?俺の勘違いかな・・・爆発音みたいな音が聞こえてきたような気がするんだが・・・」


「いえ、確かに私も今揺れを感じたわよ・・・」







周囲の群衆達も今の音に反応している人が何人かいる。

どうやら僕の勘違いではないようだ。

僕と同じ様に揺れを感じた会場の群衆から静かなどよめきが起こる。

・・・しかし、それも一瞬のことだった。

その後上部を揺るがすような振動や音が確認されることはなかった。

会場は再び人々の談笑の声で満たされていった。







一体、今のはなんだったんだ・・・?







疑問に思いながら、僕は再び階段の方に目を向けると、そこでは意外なことが起きていた。







騎士団が2階席に引き上げている・・・?







彼らはお互いにヒソヒソとなにか話し合った後、全員2階に上がり、そのままいなくなってしまった。

今、階段前に騎士団の人間は誰もいないし、戻ってくる気配もない。







ええっ・・・!

どういうことだ?

なんでみんな急にいなくなっちゃたんだ!?







まったく、意味が分からなかった。

さっきの揺れがなにか関係しているのだろうか・・・?

もしかしたら、ただの交代という可能性もあるけど。







・・・・・







しかし、またとないチャンスが訪れたのかもしれない・・・

2階席にも騎士団はいるだろうが、VIP達は基本各々の護衛を連れているはずだ。

階段では身元をチェックされるだろうが、VIP席が近い所でわざわざそんな事はしないだろう。

そして、2階から1階へ降りる時は素通しだ。

つまり・・・今2階に潜り込めさえすればなんとかなる可能性は高い。







どうするっ・・・!?

行くべきか・・・行くかざるべきか・・・??

どっちだ・・・!!??







・・・ここに来てこんなチャンスが訪れるとは思わなかった。

世間話なんて回りくどいことしなくても、2階に辿り着けさえすればあの落札者に会えるだろう。

もしここでチャンスを見逃せば、信頼性が高い情報を得るために高額なお金が必要になってくる・・・

むこう何年も掛けないと手に入れることが出来ない情報を、今ちょっと勇気を出して進めば手に入れることが出来るかもしれない・・・!

ちょっと階段を上って2階の様子を見てくるだけ・・・

そう・・・ただ、それだけの事をしようとしているだけだ。







「行こう・・・!ここは行くべきだろう!!」







そう口に出すことによって自分を奮い立たせた。

心臓がバクバク鳴っている・・・

気分がハイになっていて、今まともな思考が出来ているとは思えない。

何故騎士がいなくなったのか?

本当に今2階席に行っても大丈夫なのか?

分からない事が多すぎるし危険なのは分かっている。

だけど、そう感じていたとしても僕の足は既に階段に向かっていた。

足は鉛のように重く感じているのに、気分がフワフワしていて現実感がない。







「・・・・・」







すぐに誰もいない階段前にたどり着く。

首を振って周囲を伺うが、やはり騎士らしき人は見当たらない。

僕は恐るおそる階段の最初の一歩に足をかけた。

2段目・・・3段目、4段目と階段を進んでいくと、階段を進む足取りも段々と慣れてくる。

そしてそこからは特に障害もなかった。

先程の気構えが拍子抜けするほど、あっさりと僕は2階に辿り着く







ははっ・・・何をそんなに恐れていたんだ僕は?

ただ、階段を上がるだけの事だったじゃんか・・・







しかし僕はこの時、明確にカーラの法を何か一つ破ってしまったということも自覚していた。

僕がやっていることって、間違いなく不法侵入なんだろうな・・・

こう見えても模範的に生きてきたつもりだったのに、人生で初めてハッキリと法を破った。

その良心の呵責が先程の恐れに繋がったのかもしれない。

だけど、ここまで来たらもう引き返すことは出来ない。

王妹殿下すみません・・・と心のなかで謝りながら僕は2階の会場を見渡した。







「ここが2階席か・・・流石に豪華だなぁ・・・」







目の前に広がる光景に思わず感想が口に出てしまう。

そこは舞踏会でも催せそうなきらびやかな大広間だった。

黄金に輝く巨大なシャンデリア。技巧の粋を尽くした大理石の柱に、見る者を圧倒する天井画。

大広間を囲う様にラウンドテーブルが配置され、カーラの国章である”乙女ヘルヴォルの盾”が刺繍されたクロスが掛けられていた。

ラウンドテーブルではVIPと思わしき人々が談笑をして、その周辺では従者達が給仕に勤しみ、専属の護衛達が警備をしていた。

カーラの騎士の姿もここでは確認できる・・・・・が、その数が異様に少ない。

目を凝らせばチラホラ確認できる程度の人数しかこの会場にいない様だ。

大広間の両脇に目を向けると、要人専用の出入口へと通じる魔力浮動式のエレベーターが設置してある。

いなくなった騎士達は恐らくあそこから出ていったのだろう。







・・・要人たちの護衛にしては明らかに数が今足りてないよな。

やっぱり上の方で何かあったのかな?

・・・って、今そんな事考えている場合じゃないか。







僕はこの不可解な状況にしばし逡巡しながらも、思索を強制的に打ち切った。

・・・騎士達の事は確かに気になるところだけど、今の僕の優先事項は落札者を見つけることだ。

あの落札者を見つけて、情報を得てさっさとこの場から立ち去ろう。

考えるのはそれからで十分だ。

僕はそう結論づけると、VIP達の歓談で盛り上がっている会場の中へと歩き出した。

辺りを見渡しながら、”金ピカな装いをした人物”の姿を探していく。







「あれっ?あれはもしかして・・・」







広間の中を歩き出すと、僕はすぐにとある人物の姿に目が留まった。

例の落札者ではない。

大広間中央には帯の広いレットカーペットが敷かれているのだけど、それは奥の階段まで続いていた。

階段を上った先にはバルコニーが設けられており、そこには玉座にも似た豪華な席が置かれていた。

そして、そこに座していた人物は・・・







「エレノア様!?」


「あそこにいらっしゃったのか・・・」







王妹殿下だった。

殿下の左右には女性のお付きも控えている。

1人は僕も知っているクラウディア団長だ。

クラウディア団長が殿下の左に付き、配下の近衛騎士達もバルコニー周辺と階段前で目を光らせていた。

右に付いている人は僕は知らない。

見た感じエレノア殿下やクラウディア団長より年配の方のようだ。

あの人もたぶん殿下の重要なお付きの人なんだろう。

エレノア殿下が腰掛けるバルコニー席の前には多くの訪問客で長蛇の列ができていた。

そこはまるで謁見の間のような様相を呈している。

謁見の光景は見たことないけど・・・まあ、たぶんこんな感じなんだろうなというのは容易に想像がつく。







僕も、殿下に1回でいいからお目にかかりたいもんだな・・・







長蛇の列を眺めながら、今の自分には過ぎたる望みを夢想する。

王族や貴族でもなく、ただの平民で実績もない魔法技師なんか殿下は相手にしないだろう。

しかし、いちカーラの民として”英雄”と誉れ高い殿下と言葉を交わせたら、これ以上の誉れはない。

親方のように、王族や貴族とも親しく出来るほど名を馳せることが出来れば話は別だろうけどね・・・

だが、そうなるには僕はまだまだ若輩浅学。

魔法技師としても、そしてこれからは冒険者としても、僕は頑張って名を揚げていかなければならない。

レイナの為にも、そして、僕自身の為にも頑張らないとな!

・・・よおしっ!







謁見の風景を胸に納め、僕は探索活動を再開した。

敬愛するエレノア殿下を見れたおかげか、僕にえも言われぬ活力が湧いてくる。

歩を進める足にも力が入ってきた。

いかにも気位きぐらいが高そうな人達の会話の奔流の中を邁進していく。

・・・しかしそんな中、気になる噂話が耳に入ってきた。

僕はその歩みを一旦止めることになってしまう。







「・・・ねぇ、聞きまして。どうやら王宮の方で何かあったようですわよ」


「ああ・・・火事か爆発騒ぎが起こったという噂が入って来ているよ。ちょっと信じ難いが・・・」


「騎士達が急遽いなくなったのもそれが関係しているのでしょうか・・・?」


「まさか、”門閥復権派”の内乱とかじゃないよな・・・?」


「怖いですわよね・・・ただの事故だといいですけど・・・」







火事・・・爆発・・・王宮で!!?

倉庫に保管してある”魔力結晶体マジカル・コア”の暴走でも起きたのかな?

ただの事故とかだったら、その線が一番有り得そうだけど・・・







突如飛来してきたその一報に僕は驚きを隠せないでいた。

どうすればいいかと、しばしその場に立ち止まって考える。







「・・・・・」







・・・やはり、上の方でなにかが起こったということはほぼ間違い。

まさか、内乱なんて事は流石にないと思いたいけど、あまり悠長に事を構えてられなさそうだ。

場合によってはオークションの見学も早めに切り上げて宿屋に戻るべきだろう。

早く目的を達成しないとな・・・

妙な焦燥感を覚えた僕は、急いで探索を再開しようと一歩を踏み出した。

しかし、その瞬間・・・・







ドン!!!







突然目の前を横切って来た背の高い人物に思い切りぶつかった!







「あっ・・・す、すみません・・・!!」







後ろに逸れながら、状況もよく分かっていないまま謝罪の言葉を口にする。







「・・・・・っ、どこ見てんだ!!貴様ぁ!」







正直、向こうが人目も憚らず直進してきたのが悪い気がするが、

ぶつかってきた相手は一方的に僕へ非難の言葉を浴びせて来た。







「えっ・・・!?」







聞き覚えのある声だった。

僕がその声にハッとして顔を見上げると、見覚えのあるシルエットが浮かび上がってきた。







「・・・お・・おまえ・・・!?」







顔を上げた僕と相手の視線が交錯する。

相手も僕の姿に驚いているようだ。

それもそのはず・・・

ぶつかった相手は金髪碧眼の偉丈夫。

”カイン”だった・・・







「・・・おいっ!なんでお前がここにいる!?」







彼は僕の姿を認めると、激昂して詰め寄ってきた。

くそっ!

こいつがここにいる可能性をすっかり失念していた。

なんとか切り抜けなきゃ・・・!

ここは平常心だ・・・







「あ、どうも・・・こんな所で会うとは奇遇ですね。公子」


「ご機嫌いかがですか・・・?」







僕は何事もないように普段どおりの挨拶を返す。

この態度がいけなかったのかもしれない・・・







ぐいっ!!







「あぐっ・・・」







彼は鬼気迫る形相で僕を睨むと胸ぐらを掴んできた。

半ば宙吊りの様な形にされて、僕はくぐもった声を出してしまう。







「・・・さっき消え失せろって行ったよなぁ!!俺は!!?」


「10分はとっくに過ぎているぞ!?チビィ!」







再会するなりいきなりこれかよ!こいつは!







「ぼ・・・僕は公子に言われたとおりにしましたよ・・・・」


「・・・お、仰るとおり”あそこ”から消えて、ここにいるじゃないですか・・・」


「なにをそんなに怒っているんですか・・・?」







思うように声が出せない状態で、僕は絞り出すように抗弁した。







「・・・・っ貴様あぁぁ!!」







僕のその言葉はカインを激昂させるに十分だったようだ・・・

彼はくわっ!と目を吊り上げると右脚を少し後ろに引いた。

そして・・・







ドゴッ!!!







「グハッ・・・」







一瞬だった。

気づいたらカインの膝が僕のお腹にめり込んでいた。

強い衝撃に嗚咽の声が口から漏れる。

僕はそのまま後方にふっ飛ばされてしまった。







ガシャーン!!







受け身も満足に取れないまま、どこかのラウンドテーブルに突っ込んだ!!

テーブルの上に乗っていた食器の破砕音が辺りに響き渡る!!







「キャーー!!」


「なんだなんだ!?」


「乱闘か!!?」







周囲の群衆から悲鳴の声が上がった。

突発的に起こった耳をつんざつくような怒号と不協和音に、大広間に一気にどよめきが広がる。







「ううっ・・・・」







一方、カインにふっ飛ばされた僕は腹部の鈍い痛みに悶絶していた。

お腹に手を当てて起き上がろうとするがすぐに動けなかった。

なんとか顔だけでも起こし、ふっ飛ばした張本人を見上げる。







カインは底冷えするような視線を僕に向けていた・・・







彼はテーブルの上に突っ伏している僕の前までずかずかと歩み寄ってくると、

湧き上げる憎悪の炎をぶつけるかのように言葉を浴びせて来た。







「俺の命令を無視するとはいい度胸だなぁ!チビ男ぉぉ・・・」


「当然、制裁を受ける覚悟は出来ているんだよなぁ・・・?」







ぐいっ!!







「うぐっ・・・!」







吐き捨てるように悪態を付いた後、彼は倒れ伏している僕の胸ぐらを掴み上げてきた。

再び宙吊りのような形に僕はされてしまう。







ぐっ・・・正気かよこいつ・・・

いきなり暴力に訴えてくるなんて・・・

しかも、こんな人目がある中でやってくるなんてどうかしてる・・・!







「うらぁあ!!!」







バゴッ!!







「がはっ・・・!」







躊躇いのない拳の一撃だった・・・

今度は顔面。

カインの憎しみのこもった殴打が頬にクリーンヒットし、僕は近くの地面に打ち付けられる。







「・・・酷い。何あれ」


「おい・・・・誰か止めろよ」


「もう、何なんですの?あれは。どこか余所でやって欲しいですわ・・・」


「衛兵たちは何をしているのよ・・・」







ふっ飛ばされた場所の周囲の野次馬達は我関せずと後ずさっていく。

ヒソヒソと噂話に興じ、冷ややかな視線を僕たちに向けるだけで関わろうとしない。

彼らは専属の護衛を横に置きながら安全な位置から見守るだけだ。

誰も僕を助けようとしてくれなかった・・・

ふっ飛ばされた場所にレッドカーペットが敷かれていたので、地面からの衝撃が緩和されていたのが救いだった。

ズキズキと主張する頬の痛みに耐えながら、僕は上体を起こして立ち上がろうとする。







「ぐっ・・・くそぅ・・・・」







だが、頭がふらついてすぐに起き上がることが出来なかった。

2本の腕に力が入らない。

今のカインの一撃で軽い脳震盪を起こしたのかもしれない。

カインは「フン」と鼻を鳴らして、芋虫のように地面に這いずっている僕を侮蔑の視線で見下ろしてきた。

口元に微笑を浮かべながら、まだ起き上がれずにいる僕に驕慢な態度で言葉を投げてくる。







「はっ!・・・いいざまだな。チビ男」


「お前は目上の者に対する礼儀がなっていなかったから、丁度矯正が必要だと思っていたところだ」


「そうやって虫が這いずり回るように、地面に頭をこすり付けて拝礼するのが俺への正しい接し方だ」


「よーく覚えておけよ。チビ虫」


「・・・・・っ」







抗えない暴力と今の言動。この理不尽な仕打ちに全身を巡る痛みで僕の頭が沸騰する。

体格、筋力、レベル、才能、あまつさえ貴族という権力の笠を着て、カインは抵抗できない僕を打擲してきた。

こんな奴に負けるわけにはいかない!

僕は抵抗の意思を見せるためにジロリと目の前の”糞バカ”を睨みつけてやった。







「何だその目は・・・」


「・・・・・」


「まだ、殴られ足りないようだな・・・貴様!」







カインはそんな僕の態度にまたしても激昂する。

普段連れている美女の前で見せる優雅な彼とは大違いだ。

眉間に深いシワを寄せ、クワッ!と大きく見開いた目は血走っていた。

彼は床に倒れ込んでいる僕を強引に引っ張り上げて起こすと、再び右手を引いて殴りかかる姿勢を取る。

その状態で僕に最後通牒の言葉を突きつけてきた・・・







「・・・大サービスだ」


「今日はこの俺が直々に礼儀と作法を貴様に叩き込んでやる・・・」


「泣いて許しを請うまで俺は決して貴様を許さん」


「”カイン様申し訳ありません。こんな所に忍び込んだ私が悪うございました・・・”」


「”カイン様の厳命を無視し、愚かな行いをした私をどうぞお許しください・・・”」


「”二度とカイン様には逆らいませんし、ギルドメンバーの地位も私には過ぎたるものなので、この際辞退いたします・・・”」


「そう言って、地面に頭をこすり付けながら泣いて許しを請え!!」


「そしたら、少しは慈悲を考えてやらんでもない」







ふ・・・ふざけんな!

誰がそんなことするかよ!!

第一、ギルドの事は今は関係ないだろう・・・このクズ野郎!!

この状況でそんな脅しを仕掛けてくるなんて、奴はあまりにも卑劣だった。

絶対にこんな脅しに屈しやしない!!

恥や外聞、この後どうなるかなんて僕は一切考えられなかった。

こいつに許しを請う真似なんて絶対できない!

それをするくらいなら、死んだほうがマシだとすら思えてしまう。

・・・僕はもう完全に頭に血が上っていた!

ギリリと奥歯を噛みしめ、怒鳴り散らしたい衝動をなんとか抑えている状態だった。

そんな状況下でカインは話を続けてきた。







「さあ!早く俺に許しを請え!」


「これがラストチャンスだぞ、チビ!」


「・・・・・」







右腕を後ろに引き絞って、いつでも殴れる体制で彼はそう問うてきた。

僕は口角を僅かに上げて、”ニッ”と微笑みながら彼に返答する。







「バーカ」







心底馬鹿にするようにそう言い放ってやった。







ドガッ!!







・・・直後。

目の前が一瞬ブラックアウトした・・・







「がはっ・・・・・」







・・・気づいたら仰向けで床の上に倒れていた。

目を覚まして、最初に吐き出した息には血が混じっていた。

額からもつーと血が流れているのを感じる。

観客達のざわめきが耳にちらつく中、おぼろげな意識を総動員して周囲の様子をうかがう。







「・・・よくも俺をバカ呼ばわりしやがったな!このクソチビィィ!!」


「貴族の俺に対して不敬を働いた罪は万死に値するぞ!!!」


「裁きがお前の望みなら、望み通りその身体で贖わせてやる!!!」







声のした方向へ目線を向けると、カインが烈火のごとく怒っていた。

彼の放った怒号は周囲の観客のざわめきをかき消す程とどろく。

それは意識が朦朧としていた僕の耳にもハッキリ聞こえてきた程だ。

そんな彼の様子を見て僕はなぜか安堵感を覚えた。

胸のつかえがスーッと一つ取れたような感覚が身体中に巡る。







ははっ・・・ざまぁみろ。ついに言ってやったよ・・・







これまで表向きは彼に服従の態度を取っていたが、面と向かって歯向かったのは今回が初めてだ。

だけど、その代償が大きいのは想像に固くない。

カインは鬼のような形相で僕に歩み寄ってきた。

その身から醸し出される尋常でない雰囲気に僕は圧倒され、冷や汗が出る。







殺されるかもしれない・・・







ここに来て、初めて僕は命の危機を察する。

彼は僕の近くまで寄ると、その脚を大きく後ろに振りかぶった。







くっ・・・!

・・・こいつここで僕を私刑リンチにでも掛けるつもりか!!?







・・・理不尽な暴力の嵐が目前に迫っている。

それに備えて僕が身を丸めて耐えようとした、その時だった・・・







「何事だ!!!!」







大喝一声!!

大広間に覇気を伴う雷鳴が轟いた。

会場の邪な空気を振り払い、万里を震撼させるその声は、僕たち二人・・・いや、会場の人間全ての注意を惹くに余りあるものだった。

声のした方向に首を傾けると、色鮮やかな甲冑姿の乙女が人波を割って出てくる姿が目に入ってきた。







あ、あれは・・・

クラウディア団長!?







・・・それは漆黒の暗雲から、太陽の光が差したような印象だった。







――光芒こうぼうと共に出づるは、天馬ペガサスに騎乗せし戦乙女。

雷光が駆け巡るがごとく暗闇の中を疾走し、戦地に舞い降りる。

その凛々しさ・美しさは敵味方問わず全ての者を魅了し、勇者達は神の宮ヴァルハラへの昇天を自ら渇望した――







神話に出てくる誌の一節がふと僕の頭によぎる。

クラウディア団長は共の近衛騎士二人を従え、ガヤ付く観衆の中から颯爽と姿を表した。

鋭い目つきで僕たち二人をその目に捉えると、威風堂々とした行進で近づいてきた。

彼女の後ろで結わえられた長い金髪がさらさらと揺れ、バラの香りが鼻腔をくすぐる。

こんな状況で不謹慎かもしれないけど、そんな彼女の姿に僕はまたしても魅了されてしまった・・・

彼女がこの絶望的な状況に終止符を打つかもしれない救い主という期待もあるが、何よりも彼女のその立ち振舞い自体が優雅でありながら格好よかった。

カインも彼女の登場に驚いているようだ。

僕に私刑を掛けようとしていたその脚は途中でピタリと止まり、唖然とした表情で戦乙女達の行進を見守っている。

クラウディア団長は驚きで固まっている僕たちのすぐ側までやってくると、詰問するように声を掛けてきた。







「お前たちか!!!?この騒ぎの原因は?」







彼女は僕たち二人を交互に見やる。

その視線は倒れている僕へ行き、その次にカインへと移った。

カインの姿を認めた時、彼女の表情が曇る。

クラウディア団長は驚きの表情を浮かべてカインに近づくと、彼に強い口調で問いかけた。







「・・・あなたは!カイン公子!!?」


「こんな所で何をされているのです?」


「これはなんの騒ぎですか?」







彼女から向けられた厳しい視線と、覇気のこもった声の調子にあのカインも少したじろいだ様子を見せる。

その様はいたずらが見つかった子供でも見るかのようだった。

カインは苦笑いを浮かべた後、貴族らしく優雅な動作で彼女に一礼を返した。







「・・・こ・・・これは、お恥ずかしい所をお見せしてしまいました、”フィリア嬢”」


「気高さと美しさを併せ持っておられる今の貴方はまさに、”楯の乙女ヘルヴォル”の再来」


「満月から放たれる光すら、貴方から放たれる輝くような美しさには及びません」


「今宵の貴方に、すっかり魅了されてしまった私をどうかお許しください」


「せっかくの社交の場。是非ともあなたをダンスにお誘いしたいのですが・・・」







カインは彼女の質問にもすぐに答えようとせず、美辞麗句を並べ立てた誘い文句を口にする。

日頃美女を口説き落としているカインらしい歯の浮くような台詞だった。

普段だったらこれで落ちない女性はいないのだろう。

・・・しかし、クラウディア団長は別だったようだ。







「お断りさせていただきます。カイン公子」


「それに今は公務中です」


「私のことは接辞名ノビリアリー・パーティクルの”フィリア”ではなく、クラウディアとお呼びください」







にべもなく、ピシャリと彼女はそう返した。







「そ・・・そうですか、それは残念です・・・」







はっきりとした拒絶の言葉にカインは少なからずショックを受けているようだ。

珍しい・・・あのカインが焦ってるよ。

クラウディア団長とカインはどうやらお互い顔見知りのようだが、親しい間柄と言う程でもないのだろう。

カインの方は彼女に気があるのかもしれないけど・・・

一方、クラウディア団長はそんなカインの様子を気に留めることもなく、追求の言葉を口にする。







「早くこの状況の説明をして頂きたい」


「・・・そこで倒れている少年は誰なのです?」


「一見すると、カイン殿が少年になんらかの制裁を加えているようにしか思えないのですが?」







クラウディア団長の疑惑の視線がカインに突き刺さった。

カインはきっと苦々しく思っているに違いない。

クラウディア団長のお付きの近衛騎士二人はもちろん、周囲に居る観客達の冷ややかな視線も一身に浴びている状況だ。

しかし、カインは一転してニコリと余裕の笑みを浮かべると、クラウディア団長の質問に爽やかな声で答えた。







「ふっ・・・そいつはただの犯罪者ですよ」







・・・と一言。侮蔑の言葉が僕の身体を貫く。







「犯罪者・・・ですか?どういうことです?」







クラウディア団長が問いを繰り返すと、カインは調子を取り戻したかのように軽やかに続きを述べた。







「”そこにいる愚か者”は、誠に恥ずかしながら我が領地の民の1人でしてね」


「日頃から不遜な態度が鼻につく奴でして、会場にいる方に無礼を働かないか危惧していたのですよ」


「私は善意の心から、彼に参加するべきではないと注意を促していたのですが、彼は無視してこのオークションに参加したあげく――」


「何を思ったか知りませんが・・・貴人しか入れるはずがないこの2階席に入り込んで、私を侮辱したのです!」


「今宵は、我がカーラの誇りであるエレオノーラ王妹殿下主催の祝宴会」


「彼がこれ以上の狼藉を働いて会が台無しになる前に、私が力づくで止めていたという訳です」







くっ・・・

・・・確かに僕は法を侵した。だけど・・・!







拳を握りしめ、声に出して抗議したい気持ちを必死に抑える。

今のカインのセリフには明らかに恣意的な誤謬ごびゅうが混じっていた。

確かに僕は許可証もないのに2階席に潜り込んだ。

カインに対して「バーカ」と愚弄するような言葉を口にした。

それは事実だ・・・

しかし、そもそもそのセリフを吐くにあたった経緯として、カインの理不尽な暴力と謂われのない脅迫が先にあったからだ。

加えて今の言い方だと、僕がまるで狂人であり、騒ぎを起こすからやむを得ず彼が止めたんだという風に捉えられてしまう。

カインはこの騒ぎの全責任を僕に被せ、さらに自らの行いを正当化までしようとしていた。

なんて、クソ野郎だよ・・・こいつ。

思いつく限りの罵詈雑言を100個ぶつけてやっても、まだ飽き足らない・・・

しかし、この場で僕が何を言っても無駄だろう。

どう取り繕ったって僕が不法侵入した事実に変わりはないのだから・・・







「おい!そこのお前!」







ビクッ!

突然、鋭い声が僕に向けられ身震いする。

思索を打ち切って顔を向けると、クラウディア団長と視線が合った。

ヴァイオレットカラーの双眼が僕の素性を看破しようと睨みを利かせていた。







「確認する」


「今のカイン公子の話は本当か?」


「君が許可なく、この場所に立ち入ったという事実に間違いはないか?」







彼女はズバリと質問を切り込んできた。







「は・・・はい。その通りです・・・」







僕は力のない声でそれを肯定した。

法を犯した罪悪感と王妹殿下への申し訳無さで胸が締め付けられる。

彼女は「そうか・・・」と短く呟くと、カインの方へ向き直り、軽く頭を下げた。







「カイン公子。会場警備へのご助力に感謝いたします」


「今は事態が事態ゆえ、警備が一部疎かになっていた箇所があったようです」


「これは私の不徳の致す所。どうかお許しを」


「そして改めて、不法侵入者の摘発に対しこの場でお礼申し上げる・・・」


「いえいえ・・・私は当然のことをしたまでですよ。お気になさらずに」







カインはニッコリと微笑みながら、クラウディア団長に返答する。

自分の意見が通って溜飲が下がったのか、その声色はとても満足げだった。

もっとも、それはすぐに崩れることになるのだけど・・・







「・・・しかし、いくら不審者を止める為とはいえ、この様な暴力行為は感心いたしませぬ」


「一部例外を除き、王国の法は私刑を固く禁じている事をカイン殿もご存知のはず」


「これ以上騒ぎを起こすことは我が近衛騎士団が許しません」


「そこの少年の身柄は我等が預かりますゆえ、カイン殿はこの場をお引取りください」


「そして、今後はこの様な軽率な行動を2度と起こされませんようにお願いいたします」


「よろしいですね?」







クラウディア団長の言葉がカインに突き刺さる。

それは淡々としながらも、有無を言わさない語り口だった。

しかも、カインを持ち上げたと思いきや今度は咎めるような格好だ。

奴にとってもこれは青天の霹靂だった事だろう。

カインの奴は笑顔こそまだ崩していないが、その内心を推し量るのは容易だ。

奴の眉間には深いシワが寄って、ギュッと握られた拳は小刻みに震えている。

今の言葉が余程悔しかったのか、その身体は怒りで打ち震えているのは明白だった。

その怒りは自分自身に向けられているものなのか、あるいは別の誰かに対してなのか・・・

・・・奴の性格を考えれば、それは自明の理だった。







「・・・・分かりました。後はお任せいたします、クラウディア嬢」







笑顔を引きつらせながら、カインは承諾の言葉を口にして頭を下げた。

その刹那・・・丁度床に倒れていた僕と奴の目線が合ってしまう。







ギロッ!!!







凍てつくような鋭い視線だった・・・

奴の両眼からは”殺気”が放たれていた・・・

しかし、それも一瞬の出来事だ。

頭を上げたカインの表情は僕に向けた視線が嘘であるかのように爽やかなものだった。







「では、ごきげんよう」







クラウディア団長に貴公子らしい優雅な笑みを送ると、カインはそのまま立ち去っていった。

クラウディア団長と二人の近衛騎士はそれを無言で見送った後、僕の方へと向き直る。







「お前達はこの者を地下の取調室に連行しておけ」


「”先程の事故”の件もある。王妹殿下に報告した後、私が直々に取り調べを行う」


「はっ!」







クラウディア団長の命令に近衛騎士二人が敬礼を返す。

命令を受けた彼女たちは即座に僕に駆け寄ると、僕の身体を強引に引っ張り上げた。







「立てっ!!」


「は・・・はいっ・・」







・・・カインから受けたダメージのせいで足に力が入らない。

近衛騎士の彼女たちに肩を貸してもらいながら僕はなんとか立ち上がる事ができた。







うぅ・・・情けない・・・

自分の力で立ち上がることも出来ないなんて・・・







しかし、現実は僕の心情を考慮などしてくれない。

自己嫌悪に陥って立っている僕に対し容赦なく手錠が掛けられた。







「歩け!!」







そして、そのまま近衛騎士から歩行を促される。

前後を彼女たちに挟み込まれた僕はゆっくりと前進を始めた。

ふらつく足でなんとか踏ん張りながら、僕はゆっくりと歩を進めていく。

背後から人々の軽蔑の視線と嘲弄する声を感じながら、僕は会場を後にした・・・・・













To Be Continued・・・
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