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第31話 事件の真相
しおりを挟む犯人の名前が僕の脳内で反響する。
一瞬自分の耳を疑ってしまう。
全く予想だにしてなかった回答だから、本当にその言葉であっているのか認識が遅れてしまった。
・・・実は僕も犯人について全く考えていなかったわけではない。
もしかしたら・・・と思っている犯人はいたんだけど、
それを思い浮かべた理由もただ単に“香り“が一緒だったという単純なものだった。
流石に馬鹿らしいな・・・ということで考えを捨ててしまっていたんだけど、
レイナが述べてきた犯人は僕の思い浮かべていた人物とも全く異なっていた。
「見世物小屋の劇団・・・・?」
「オークション会場に向かう前に、レイナと一緒に見学したあの劇団の事を言っているのかい?」
的を得ない感じで僕はレイナに質問をすると、彼女は当然とばかりにうなずく。
「・・・もちろんそうよ」
「というか見世物小屋の劇団と言ったら奴らしかいないじゃない」
「私の予想だとあいつら一味が宝箱を持ち去った真犯人ね」
レイナが当然とばかりに僕に念押しをしてきた。
どうやら僕の聞き違いでも、誤解でもないらしい。
レイナは確信を持って見世物小屋の劇団が犯人だと言っているようだ。
「・・・・ごめん。びっくりしちゃったよ」
「あまりにも意外な人たちが犯人と言われたのでまだ僕はピンときていない・・・・」
「分かるように説明してもらっていいかい?」
「分かった・・・ちょっと長くなるけど説明するわね」
レイナは僕の質問に頷くと、犯人が分かった経緯について説明を始めた。
「・・・そうね、まずはネクタルが落札されてからの流れをもう一度整理しましょう」
「あの時エノクは落札者の身元情報を掴むために2階席に上がろうとした」
「しかし、2階席への階段はカーラの騎士が出入りをチェックして追いかけることが出来なかった」
「その後エノクは人混みの中で乱れた衣服を整えるために化粧室に向かった・・・ここまではいい?」
「うん・・・そこまでは大丈夫」
まあ、そもそもこの話をレイナにしたのは僕なんだから分からないわけがないんだけど・・・
「ここで気になったのはさっきも確認したけど、ワーウルフの二人組と遭遇したことよ」
「この内の一人をエノクは見覚えあるって言っていたわよね?」
「そうだね・・・確かにあるよ」
ワーウルフのうちの一人は恐らく神の酒の落札に関与していた人物だ。
最終的に落札は出来なかったものの、多額の金額を拠出してまで神の酒を落札しようとしていた。
ネクタルの落札者とコンタクトをしようとしていた僕が彼のことを覚えていないわけがない。
「・・・そう。エノクはあのワーウルフを競売参加者として覚えていたようだけど、」
「恐らく私達はもっと前に彼らの姿を見かけているのよ」
「・・・あっ!」
今のレイナの言葉で僕はハッとなった!
・・・そうだ!
確かに僕は見覚えがあった・・・あの銀髪を。
彼らはいたんだよ。“あの場“にも・・・!
だけど、あの時彼らの顔を見ることまでは出来なくて、ワーウルフだと僕は分からなかったんだ・・・
「その顔を見る限りだと、エノクも気づいたようね」
「見世物小屋周辺にも銀髪で長髪の人物がいたわよね」
「“グリンカムビ“を見世物にしていた劇団に向かって“冷たい殺気“を放っていた人」
「その銀髪の後姿の人とエノクが化粧室前で遭遇したワーウルフの人は彼らのセリフと状況を考えると同一人物よ」
「そして彼の放った言葉こそ見世物小屋の劇団員が会場のあの場所にいたんじゃないかと疑うキッカケになったのよ」
「エノクはワーウルフから聞いたんでしょ?“なんであいつらがあんなところにいたんだ“・・・って」
「うん・・・そう言ってたね」
そう・・・あの時、化粧室から出てきたワーウルフの二人組の内、喧嘩っ早そうな方が誰かに対して憤っていたんだ。
それこそ、締めてやる!みたなことを言っていたんだけど、
結局もう一人に静止を受けてそのまま会場を去って行った。
あれが劇団員に対しての憤りなら確かに筋が通るな・・・
「そうなると、見世物小屋の劇団員はエノクが入る前から化粧室にいたと考えたほうが自然」
「・・・つまり、やつらは何かをするために化粧室にいたということになる・・・」
「そこで鍵になってくるのが化粧室の中にあった姿見よ」
「・・・・姿見?」
さっきもレイナが僕に質問してきたな・・・
僕が首を捻りながら、レイナの言葉を反芻する。
「そう・・・姿見」
「見世物小屋の出し物の中に姿見に宿ったモンスターがいたでしょ?」
「エノクが見世物小屋からの帰りの馬車で、いろいろモンスターについて解説してくれたじゃない」
「“ドッペルゲンガー“は大きな鏡の中に宿るモンスターだって」
「・・・えっ・・・ああ!!」
そこで僕は驚きの声を上げた。
そっか!そうだよ!!
「・・・ドッペルゲンガーがいたんだ・・・!!」
僕はあまり注目していなくて頭の隅に追いやっていたんだけど、確かにいた・・・
「ドッペルゲンガーを化粧室に持ち込んだ理由は、会場の人間に成りすます為というのは言うまでもないわね」
「・・・まあ、私もどうやってあそこまでドッペルゲンガーを連れてきたかはしらないけど、」
「作業員を装えば化粧室に姿見を持っていくことも出来たんじゃない?」
「さすがに正面玄関から持ち運ぶことは難しそうだけど、VIP専用口からならノーチェックで会場に持ち運べる」
「つまり奴らのバックにはVIP待遇の内部犯がいると考えるべきね。まあ・・・これは今更だけど」
「・・・・・」
確かにクラウディア団長も言ってたな・・・
今回の事件では王国の上層部に位置する何者かが内部犯にいる可能性が非常に高いと・・・
劇団員はその内部犯とつるんでいたと考えれば確かに化粧室にも持ち運べるだろう。
・・・いや・・・でも待てよ・・・
あれはどうするんだ・・・・?
「レイナ、一つ大きな事を忘れてないかい・・・?」
「会場はルーン結界で能力の発現が制限されていたんだよ?」
「ドッペルゲンガーを確かに持ち込むことは出来るだろうけど、複製能力は使えなかったはずだ」
「あれは補助能力の一種だから、当然ルーン結界にはじかれ――――」
・・・・!!?
そこまで言って、僕は気づいた・・・・
“例外“があったことを・・・・!
「そうか・・・“巫女の腕輪(ヴォルヴァ・バングル)“か!!」
僕の言葉にレイナが相槌を打ってくる。
「そう。“巫女の腕輪“よ」
「兵士が持っていた真鍮の巫女の腕輪は低級の補助能力が解禁される」
「クラウディアさんが事情聴取で兵士から聞いているんでしょ?」
「化粧室から兵士達の遺体が発見され、なぜか巫女の腕輪がなくなっていたって・・・」
「つまり奴らは、兵士たちを殺して巫女の腕輪を奪い、自分達の物にしたってわけよ」
「当然ドッペルゲンガーにも腕輪は持たせていたでしょうね」
「・・・・・」
レイナの言葉が衝撃とともに脳髄を揺り動かす。
ばらばらだったパズルのピースが当てはまっていく感覚を僕は感じていた。
「・・・さて、ではドッペルゲンガーのターゲットが何だったのかという話に移るんだけど・・・」
「これは当然“ルーン結界“だったでしょうね」
「能力の制限がされた状態では、襲撃も満足に行うことが難しいのだから、当然奴らは結界の破壊を目論んだはずよ」
「エノクはルーン結界が張られていた小部屋に行った時、そこで守備隊の小隊長さんとすれ違ったんでしょ?」
「私が思うにそいつはもうドッペルゲンガーよ」
「その時点で小隊長さんは既に殺されており、巫女の腕輪を奪われていたんじゃないかしら?」
「・・・なるほど・・・確かにそう考えると色々と辻褄が合うね・・・」
レイナの言葉に頷きながら肯定の返事をする。
クラウディア団長に聞いた話の中にルーン結界を守護していた北門警備連隊第1小隊の話が出てきた。
第1小隊の小隊長・ゲイルさんは、事件後に更衣室から遺体が発見されたという。
「レイナの推理が正しいとすると、化粧室で兵士が倒れていた理由も説明が付くね・・・」
第1小隊の隊員の一人である“ラルフ“さんは化粧室でお酒によって倒れている兵士を見かけたという。
これは僕も直接その光景を見ているから間違いない。
「・・・あれは劇団員が眠り薬入のお酒を兵士に仕込んだんだろうね・・・」
「介抱している間に巫女の腕輪を奪った・・・」
「そしてドッペルゲンガーに兵士をコピーさせて、用済みになった後は、化粧室の裏で密かに始末した・・・」
絡み合った謎がスルスルと解けるかのように、頭の中に答えが浮かんできた。
ドッペルゲンガーが巫女の腕輪を使って背後で動いていたと考えると、事件の裏で起こっていたことが繋がっていく。
あの時僕はオークション会場の至る所で小さな疑問を感じていた。
しかし、大した事ではないと思って頭の隅から追いやってしまった事がたくさんあったのだ。
レイナが先程話したワーウルフが喋っていたセリフのこと。
兵士が任務中にも関わらず酔っ払って倒れていたことや、化粧室の中にある更衣室がいつの間にか埋まっていたこと。
ルーン結界の小部屋から出てきた僕を完全にスルーした守備隊の小隊長のこと。
その小隊長がオークション途中だと言うのに隊員に交代を告げたこと。
ルーン結界がいつの間にか消失したこと。そして、それから間もないタイミングでオークション会場から衝撃音が発生したこと。
これら全ては背後で動く劇団という内部犯の存在を想定したら、驚くほどスムーズに説明が付く。
「そう考えると、地下牢に幽閉された“オロフ“さんもたぶん劇団員の被害者ということかな・・・?」
僕の推理にレイナが相槌を打つ。
「・・・そうね。彼も劇団員に眠り薬を盛られたんでしょうね」
「確か、オロフさんは“第1小隊の奴らが差し入れか何か持ってきた“みたいなことを言っていたんでしょ?」
「・・・彼は地下牢に連行されたから、劇団に殺されることはなかったのだろうけどね・・・」
「・・・・・」
僕はそれについては何も言うことが出来なかった。
・・・確かに劇団員には殺されずに済んだだろうけど、
彼のその後を思えばやるせない気持ちになってしまう。
レイナは僕の心情を察したのか、オロフさんについてはそれ以上何も言ってこなかった。
「・・・話を戻しましょう」
「つまりオークション会場での劇団の役目はルーン結界の破壊だったという事よ」
「その目的は神遺物の強奪部隊・・・つまり巨人たちの宝物庫への侵入と脱出の援護ね」
「オークション会場の裏手にある狭い通路を巨人サイズで進むことは出来なかっただろうから、宝物庫へ行くまでは通常の大きさで侵入することになる」
「その時ルーン結界が破壊されていれば、強奪部隊の能力が解放されて、宝物庫に至る警備を突破することが容易になるというわけ」
「そして、神遺物が手に入ってしまえば奴らを縛るものは何もなくなる」
「巨人になって兵士を蹂躙することや壁をぶち壊す事も出来るわけだしね・・・」
「脱出の援護すら必要なかったかもしれないわ・・・」
「・・・うん。そうだろうね」
レイナの言葉に僕も頷いた。
僕自身が巨人の強さと怖さを痛いほど分かっている。
実際会場には僕が目撃した5人の巨人たち以外の襲撃犯は見かけなかった。
劇団員も巻き添えを喰らわないように会場から退散していたと考えるのが妥当だろう。
「・・・巨人たちは会場の人間を皆殺しにした後、宝箱を持ったまま外へと脱出した」
「その光景は遠目からだけど私も目撃している」
「奴らは、ゴールド通りをずんずんと駆け抜けて行ってそのまま王都北門を蹴破ってミンツ方面へと脱出した」
「これはクラウディアさんからエノクも聞いた通りだと思う」
「・・・うん」
・・・そう、あの時僕は気を失ってしまい、巨人たちの正確な行方については知らなかった。
周囲は既に箝口令が敷かれていたし、巨人たちがミンツ方面へ逃れたと知ったのはクラウディア団長からの情報で初めて分かったんだ。
「・・・ここで、宝箱はいつ巨人たちの手から離れたかという事なんだけど」
「実は奴らは一瞬だけ動きを止めた瞬間があったのよ」
「場所は浮島へ渡す橋の手前、エノクが私をちょうど観光案内していた辺りのエリアだったと思うわ」
レイナがそこまで言って、チラリと視線を僕に向けてきた。
さすがにここまで来れば彼女の言いたいことは誰でも分かる。
「・・・なるほど、見世物小屋があったエリアというわけだね?」
「つまり巨人たちは北門から脱出する前に、見世物小屋の劇団に宝箱を密かに引き渡したということかな?」
僕の言葉にレイナも満足気に頷く。
「そういう事よ」
「宝箱の運び屋は見世物小屋の劇団だったというわけ」
「一方、巨人たちの方は宝箱を引き渡した後は派手な囮部隊を担っていたというわけね」
「王国の兵士や冒険者達もまんまと巨人たちに踊らされて、奴らを追うことに目が行ってしまった」
「巨人たちへ王国の戦力の注意が向かっている間に、見世物小屋の劇団達は悠々と王都から脱出したんでしょうね」
「そっかぁ・・なるほどぉ!!」
レイナの推理に僕は思わず感嘆の声を上げてしまう。
今ので、巨人たちが宝箱を持っていなかった理由も、途中で奴らが姿を消してしまった理由も全て説明が付いてしまった。
そして極めつけは何と言っても、宝箱が探知魔法で引っかからなかった理由さえも説明がついてしまう。
僕もようやく劇団が宝箱を持ち逃げするのに最適な配役だと気づいた。
「・・・レイナ凄いね・・・よく気づいたね」
「見世物小屋の劇団が宝箱を持っていたと僕も確信したよ・・・今」
「彼らは“檻“を持っていたんだったね・・・」
しみじみと僕がそういうと、レイナが頷いて説明をしてくれた。
「・・・そう、あの劇団の団長が言ってたわよね」
「あいつらが持っている檻は、ミスリル製の特殊な結界が張られた檻で、“魔力探知系の能力や霊的生物の透過を遮断する効果“があるって」
「つまりあの檻の中に宝箱を入れておけば、連盟の探知魔法にも引っかからなかったというわけ」
「まさに劇団は宝箱を持ち運ぶのに最適な運び屋だったということね」
「・・・・・」
あれ・・・でも、そうすると・・・
ふと、そこで僕の頭の中に疑問が湧く。
「・・・ごめん、レイナ」
「茶々を入れるつもりはないんだけど、一つだけ気になることが出来たよ・・・」
「・・・うん、なに?」
レイナが問い返してきたので、僕は話を続ける。
「宝箱を檻の中に入れていたら、王都の出口で流石に検問に引っかかると思うんだ・・・」
「見世物小屋の劇団はあれだけ大所帯で、荷物も多いし、隠れて出ることは困難だ」
「さらに檻の中に御大層に置いてある宝箱なんてあったら、絶対に探索される」
「バレずに出ることは無理なんじゃないかと思うんだけど・・・・」
そう言って恐る恐るレイナに尋ねたんだけど、彼女はあっさりと僕の疑問に答えを返してくる。
「・・・ああ、そのことね。それは問題なく通ると思うわよ」
「宝箱を調べようとして、誰も吸い込まれたくないでしょ?」
「奴らは“アビスミミック“を持っているのよ?」
「・・・・あっ!!」
僕はそこでまた驚きの声を上げてしまう。
そうだった・・・!
あいつらはそれも持ってたんだった!!
「宝箱を全てアビスミミックだと偽って兵士を最初に脅せば、調べようなんて思わなくなる」
「劇団達は宝箱を探知もされず、調べられることもなく、安全に外に運び出すことが出来たってわけよ」
「これが宝箱が消えた事件の真相だと思うわ」
「・・・・・」
空いた口が塞がらなかった。
僕はもうレイナの推理に疑念を挟むことはなかった。
・・・というか、状況を考えたらもう奴らしか考えられない・・・
宝箱を持ち逃げした犯人は見世物小屋の劇団だったんだ・・・!!
レイナの推理を聞いて僕は興奮で打ち震える。
王国側の人間で僕達だけがこの真相に辿り着いている。
犯人の目星をつけるのはまだまだ先のことだと思っていたし、解決を担当するのは僕の役目ではないのは分かっている。
だけど、事件に関わった一人として事件を解決したい気持ちはあったし、
あわよくば、王妹殿下の報酬を貰えないかな・・・なんて妄想を抱くこともあった。
まさか本当に報酬に手が届くかも知れないなんて夢にも思わなかったけどね。
僕は尊敬の眼差しでレイナを見つめる。
「・・・レイナ。本当に凄いね」
「こんなにあっさり犯人が分かっちゃうなんて・・・」
「これだったら、エレノア様から報酬も貰えちゃうんじゃないかなぁ・・・?」
浮かれ気味にそんな感想を呟いてしまう。
僕たちは報酬を目当てにこの話をしていたわけではないが、
手が届く範囲に来ると途端に欲が出てくるのが人の性というものだ。
しかし、当のレイナは僕とは対照的に冷静な反応を返してくる。
「・・・うーん。確かに報酬が貰えるんだったら嬉しいんだけどねぇ・・・」
「まだ喜ぶのはちょっと早いんじゃない?」
「犯人が分かったと言うより、正確には“犯人の目星が付いた“ってだけよ」
「状況証拠は揃っているけど、奴らが本当に宝箱を持ち運んだという物的証拠はまだ得られていないわ」
「報酬を確実に得るのだったらちゃんとした証拠を見つけないとね」
「・・・・・」
レイナの言う事は最もだった。
浮かれ気分だった僕の気持ちも少し収まる。
「・・・確かにそうだね」
「そうなるとまずは劇団の検問を担当した衛兵に聞いてみるのが良いかな?」
「もし劇団が宝箱を持ち運んでだとしたら城門の衛兵は間違いなく覚えていると思うし・・・」
・・・何も知らない衛兵からすれば、劇団はアビスミミックを7つも運んでいる事になる。
1個だけでも強烈なインパクトがあるのに、
それが7つあるなんて言われたらトラウマも良いところだろう・・・
しかし、逆に言えば希少なアビスミミックを奴らが7つも持っているわけがないんだから、それは物的証拠になり得るわけだ。
「そうね・・・まずはそこに確認してみるのがいいかも」
「上手く行けば奴らが向かった先も突き止めることも可能でしょ」
「そこでエノクに質問なんだけど、カーラ王国から出るには王都からどの方角に向かうのが一番早い感じ?」
「北は除いてね」
レイナの質問に僕はしばし考える。
「・・・うーんとそうだね・・・一番はやく出るとしたら王都から西だろうね・・・」
「王都から南に向かえばクレスの町だし、東に向かえばカーラの領内が続きその先はクレジット加盟国の国々がある」
「一方、西は亜人・獣人が住む国々との国境が割りと近い距離にあるんだ」
「直線距離で言えば200kmもないよ」
僕の言葉にレイナが頷く。
「・・・なるほどね」
「それなら最初は西門を調べてみましょうよ」
「・・・後はアイナさんが調査に付いてきてくれたら良いんだけどねぇ・・・」
そう言いながらレイナが渋そうな顔して願望を言う。
確かにアイナさんがそこまで僕たちを護衛してくれるかは分からない。
だけど、これは神話のアイテムの行方を掴める絶好のチャンスなんだ・・・!
僕としてもこんな情報を知ってみすみすダンマリを決め込むなんて事はできなかった。
善は急げだ!
「・・・僕、さっそくアイナさんに頼んでみるよ!」
「レイナはちょっとここで待っててね!!」
僕はエプロンを外して、部屋の扉に手をかけた。
「・・・えっ・・・エノク・・・?」
「頼むって・・・今ぁ!?」
「ちょ、ちょっと、待ちなさ―――」
ガチャ!
部屋を出ていく時にレイナがなにか素っ頓狂な声を上げていたが、気にせずそのまま廊下に出る。
僕はそのまま対面にある部屋にノックをした。
コンコンコン!!
「アイナさん!アイナさん!」
「すみません!僕です!エノクです!」
「取り急ぎお願いしたいことがあります!」
・・・・・・
・・・・・?
しかし、ノックをしても部屋の中から応答はなかった。
アイナさんは出かけているのだろうか?
しかし、アイナさんが対面の部屋に入った音は聞こえてきたしその後出ていった様子もない。
念のためもう1回僕はノックをしたが、それでも反応はなかった。
「・・・・アイナさん・・・いないんですか・・・?」
ガチャ
「あれ・・・?」
不思議に思い僕がドアノブを捻ったら、ドアの鍵はかかっていなかった。
ギィ・・・
ドアを押し込めて部屋の中を覗き見る。
しかし、ここからだとやはり人影は見えなかった。
仕方ないので部屋の中に入ることにする。
「すみませーん・・・アイナさん失礼します」
ゆっくりと音を立てないように僕は部屋の中に入った。
「・・・・あっ」
・・・そして、裸姿のアイナさんと目があってしまう。
彼女は濡れた髪を掻き上げながら、ちょうど浴室から出てきたところだった。
僕の視線が自然と普段見慣れないモノへと流れてしまう・・・
僕の視線を釘付けにするもの・・・アイナさんの見事な裸体が目の前にあった・・・
その上半身にある2つの双丘は張りのある美しい形状をしていて、
下線部に向かってくびれたお腹には無駄な脂肪が一切ついていなかった。
鍛えられた腹筋は大理石の彫刻で造られた女神像のように割れており、
スラりと長い引き締まった脚は男なら誰もが見惚れるほどしなやかな脚線美を描いている。
「・・・エノクさん」
「どうしたのですか。こんな遅い時間に?」
僕が明後日の方向に目線を向けているとアイナさんの方から僕に声を掛けてきた。
「ア・・・アイナさん!?いたんですか!?」
まさかいるとは思わなかった僕は甲高い声を上げてしまう。
アイナさんは僕の反応にも的を得ない感じで返事をしてきた。
「何をそんなにうろたえているのです?」
「エノクさんの部屋に賊でも現れたのですか?」
「・・・いえ、いえ・・・そうじゃなくて・・・!」
僕が何にうろたえているのか彼女が理解できるように、
僕は顔そむけながらアイナさんの裸体を指差した。
彼女はそれでようやく理解する。
「・・・ああ、そういうことですか」
「私の裸がお気に召さないということでしょうか?」
「申し訳ありません。私は殿方を受け入れられるように花嫁修業をしてきたわけではありません」
「従って、私は女性らしらさとは無縁であり、このような筋肉質な体は人によっては見苦しいと思うでしょう」
「ですが、どうかあまり気にしないで頂けると私としても嬉しいです」
「エノクさんがもし夜這いを出来るような相手を近場に望むのであれば、申し訳ありませんが今はご期待に添えかねません」
「また、夜這いを狙うのであれば事前にそういう事を相手に伝えておいたほうが無難であり、今回の用な急な来訪では相手の準備が整っていない可能性が高いです」
「もし、エノクさんがそういう事をお望みならば、まずは私はおしとやかさと女性らしさを身につける必要があります」
「それに加え夜這いを受ける準備も整える必要があり―――」
「―――ごご、ごめんなさい!!なんか、絶対怒ってらっしゃいますよね!!?」
「すみません!!出直してきます!!」
バタン!!
心臓をバクバクさせながらアイナさんの部屋から退散した。
アイナさんの雪崩のような言葉の節々に彼女の怒りを感じる事が出来てしまった・・・
無表情な顔をしながらあんなに饒舌に話されたら誰だって気に障っていることはわかる。
アイナさんって怒るとあんな風になるんだな・・・・・
だけど彼女が怒っている理由がイマイチ僕にはピンとこない。
なんか僕に裸を見られたことよりも、自分の身体が筋肉質であることを気にしていたようだった。
あんなに綺麗で男なら誰でも見惚れそうな身体をしているというのに、気にする理由が良く分からないんだけど・・・
はぁ・・・女の人って複雑なんだな・・・・
その後、廊下で時間を潰した僕は改めてアイナさんに会い明日の護衛を依頼する。
アイナさんは了承したが、その時の反応がなんとなく素っ気なかったのが悲しかった・・・・・
「ZZZ・・・」
ちなみに部屋に戻るとレイナはもうスヤスヤと寝ていた。
レイナ用に取り分けていた夜食の皿はしっかりと空になっていた・・・
・
・
・
翌日・・・
「・・・西門に着いたようですね」
「私が衛兵に話を通しますので、エノクさんはここで待っていてください」
「・・・お願いします」
アイナさんの言葉を受けて僕は彼女に頭を下げる。
ガラッ!
彼女は頷くと、馬車の扉を開けて検問所の横に設置されている詰所に向かう。
時刻はすでに午後を回っていた。
昨日アイナさんには王都の西門と南門に用があることを伝え、護衛と衛兵たちへの執り成しを依頼した。
その要件は、衛兵たちが検問に当たりどのような魔導具を欲しているのか調査をする事だと話している。
なお、アイナさんにはまだ見世物小屋の劇団の事は伝えていない。
レイナの言う通りまだ物的証拠があるわけでもないし、憶測に過ぎない段階で伝えてもぬか喜びさせてしまうからだ。
「・・・エノクさん。話は通しておきました」
「ご案内しますので付いてきてください」
「・・・あ、はい!よろしくお願いいたします!」
戻ってきたアイナさんに促され僕は“防護カバン“とショルダーバッグを持って馬車の外へと出る。
今回はレイナにも付いてきてもらった。
レイナは最初馬車に乗るのを渋っていたが、
美味しいご飯を提供することを条件に我慢して付いてきてもらった。
昨日の夜は肉だったから、今日は魚にでもしようかな・・・・
そんな事を考えながら、アイナさんと一緒に詰所の中に入る。
中に入ると隊長と思われる人が僕達を出迎えてきた。
アイナさんが隊長に敬礼をしながら自己紹介をする。
「忙しい中失礼する!」
「私は第9近衛騎士団所属、アイナ・テグネールだ」
「こちらは同じく、魔法技師のエノク・フランベルジュ」
紹介を受けたので僕もアイナさんに倣って彼に敬礼をする。
まだこの挨拶の仕方に僕は慣れていない。
「役目お疲れ様です!」
「私は西門警備連隊、第1小隊隊長のニクラス・シェルストレームと申します」
「それで、そちらの魔法技師の方のご要件とはなんでしょうか?」
二クラスさんと名乗った隊長が僕に視線を向けてくる。
アイナさんの後方に控えていた僕は彼の言葉を受けて前に進み出た。
「はじめまして、魔法技師のエノク・フランベルジュです」
「・・・この度は僕の要望にお応え頂きありがとうございます」
敬礼をしながら挨拶をする。
慣れない動作で、手に力が入りすぎてしまい言葉にも緊張の色が出てしまう。
「・・・いえ、第9近衛騎士団の方々のお役に立てるのは我々としても名誉なことです」
「この様な事ならいつでもご協力させていただきますよ」
しかし、彼は愛想よく僕の挨拶にも応えてくれた。
僕は建前上騎士団を名乗っているが騎士の甲冑を身にまとっているわけではない。
年も若く女性を中心に構成された騎士団の中において男の僕は異質と見て良いだろう。
疑念の目を向けてこられると思ったけど、彼の様子を見るにそういう態度を全く見られなかった。
エレノア殿下の直属の騎士団という肩書のおかげなのかもな・・・
建前とは言えそういう騎士団に配属されたことに嬉しさを感じる。
僕はニクラスさんに会釈を返すと話を切り出した。
「・・・アイナさんからお話があったと思いますが、検問をする上で有用な魔導具の調査がしたいのです」
「魔導具製作に当たり、現場の方の意見を是非聞きたいと思っております」
「荷物検査の時に大変なことや、あったら嬉しい魔導具の機能の要望をお聞かせください」
まずは無難な所から聴取を試みる。
・・・話の流れの中で劇団のことを出した方が自然だろう。
「なるほど・・・そういうことですか」
「それでしたら、いくつかお話出来ると思います」
「・・・そうですね、身の上話を踏まえてのお話になってしまいますが―――」
そう言って、ニクラスさんはこれまでの体験談を語り始めた。
王都入場時に支払う関税を逃れるため、連れてきた動物の中に財宝を隠した者の話。
身代金目当てで上流階級の子供を攫って王都から逃げ出そうとした人さらいの話。
諸外国の輸入物資の中に紛れ込んだ密入国者や、大量の麻薬を摘発した話、等々。
危険物の持ち込みや、軽微な犯罪は毎日なんらかは発生しているという。
しかし、実は隠されたものを探すというのはそこまで難しいわけでもないらしい。
むしろ隠されている事や怪しいと分かっているにも関わらず、調べることが出来ないもどかしさが多くあるというのだ。
具体的には商人ギルド連盟の対応がそれだという。
彼らの持ち運ぶ荷物の量は膨大で一つ一つチェックするのは物理的に難しい。
その為、商人ギルド連盟の商人も入場の際には検問の対象にはなるが、その手続は大幅に簡略化せざるを得ない。
加えて、連盟は高度な自治権が認められていることから、厳格な審査をすること自体がタブーになってしまっている節がある。
検査をする中で商品に傷でも付けられたら検問の担当者がドヤされるどころでは済まない。
事実上彼らの検査はスルーパスになってしまっているのが現状だという。
「―――というわけで、商品や荷物に触れずに不審物の判定が出来る事が我々の求める魔導具の必須条件だと言えるでしょう」
「特定の危険物や、魔力を帯びた商品、関税が高い物品関係を選別できるような魔導具であればなお嬉しいです」
「効率的に不審物を確認する事ができればそれだけ我々にも実益があるんでね」
「・・・良い魔導具が出来たら、我々も是非購入させて頂きますよ!」
ニクラスさんは人差し指と親指でお金のマークを作って、ニヤリと僕に笑って見せた。
どうやら、不審物の摘発をすれば彼らの報酬にも反映されるようだ。
ちゃっかりしてるなぁ・・・
しかし、魔導具製作の一環として彼の意見は参考になりそうだ。
今回はこれが主題ではないが折を見て本当に製作しても良いかもしれない。
工房ギルドのメンバーとして顧客の需要を知っておくことは非常に重要だ。
自分の作りたいものを作るだけではプロとしてはやっていけないからだ。
カキカキカキ・・・
彼の要望をメモに書き連ねていく。
ちなみに横にいるアイナさんは僕達のやり取りを傍観しているだけで会話には一切参加してこなかった。
彼女は周囲に気を配っており、このような状況においても僕の護衛役に徹してくれているようだ。
しっかりしているな・・・とアイナさんの仕事ぶりに感心しつつ、僕はニクラスさんと会話を続ける。
・・・ここからがいよいよ本題だ。
「ちなみにですが・・・」
「ここ最近中身を検査したくても、検査を躊躇してしまうような荷物は何がありましたか?」
「危険物にも色々種類があると思います」
「魔力結晶体が入った箱とか、薬用で使うマンドレイクとか・・・」
「時には荷物の中に魔物が紛れ込んだりすることもあるとお聞きしています」
「それこそミミックの入った宝箱とかもあるんじゃないですか?」
話の流れで僕はさらっとミミックの話を持ち出した。
僕がこの話をした瞬間彼の顔色が変わる。
「・・・ああ、ミミックですか!!」
「ええ!ありましたよ!」
「あれは王宮で襲撃のあった翌日の事でしたらよく覚えていますよ!」
「へぇ、やっぱりそういうことあるんですね」
「・・・その話興味が湧いたんですけど、詳しく聞かせて頂いてもいいですか?」
案の定彼は反応を示してきた。
僕は冷静に聞き返したが、動悸が否が応にも高鳴ってくる。
「・・・実はあの時王都に見世物小屋の一座がいたんですが、」
「あいつらが持っている見世物の中にとんでもないミミックがいたんですよ、しかも大量に!」
「私達としても流石にあれには手が出せませんでしたよ」
「・・・!!」
僕の心臓がドクンと跳ね上がる。
やっぱり、レイナの予想は間違っていなかった・・・!
興奮で思わず舞い上がりそうになるが、何とか必死にその衝動を抑えた。
落ち着けまだ話はこれからだ・・・・宝箱の数と、奴らの行き先を突き止めないと・・・!
「その劇団が持っていたミミックとはどんなものだったのですか?」
「それと正確な数は分かりますか?」
必要な情報を再度二クラスさんに尋ねる。
「確か、劇団の団長はあれを“アビスミミック“と言ってましたね」
「魔力のあるもの全てを吸い込む特殊な個体です」
「あんなおぞましい魔物は初めてでした・・・・」
「・・・・数は正確に覚えていないですが、6つか7つほどあったかと思います」
・・・・よしっ!
「世界にはあんな魔物がゴロゴロしているのかと思うと恐ろしいものです」
「奴らは他にも多くの魔物を持ち運んでおりましたが、流石に我々は魔物の検問は専門外です」
「あんなものが王都に入ろうとしたら入場の時に絶対に止めていたと思うんですけどねぇ・・・」
「どうやって入り込んでいたのやら・・・やれやれ」
彼はそう言いながら無念そうに首を振った。
僕も彼の言葉に同情するかのように相槌を打つが、内心ではガッツポーズをしていた。
・・・これで証言が取れたわけだ。
劇団がオークション品の運び屋だというのはもうほぼ間違いなかった。
後は奴らの行き先を確認するだけだ。
「・・・なるほど、後学のために僕もそのアビスミミックを見てみたいですね」
「彼らはそのまま西の“ルリスターン連邦“に向かったのでしょうか?」
“ルリスターン連邦“とは亜人の連邦国家だ。
トール山脈の裾野にはルリスターン高原が広がっている。
そこには大小様々な亜人の部族が暮らしており、高原の中央にある竜人族が統括している緩やかな連合国家だ。
竜人族は干渉を嫌う種族だが、棲み分けがキチンとされていれば好戦的な種族ではない。
その為、カーラと陸で隣接している国家ではあるが、魔族との関係に比べれば僕達と非常に良好な関係を築けている。
「ええ、仰るとおりです」
「ただ、途中“ノイシュ侯“の“グラーネ“の町に立ち寄ると言っていましたね」
「あの者達がここを出たのが10日程前ですから、グラーネで興行をしているのなら、まだ滞在しているかもしれませんね」
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To Be Continued・・・
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