3 / 9
1.ヒーローになりたい
1.ヒーローになりたい②
しおりを挟む
僕が電話を掛けたのはパワハラ上司ではなく、退職代行会社だった。
退職理由、電話を掛ける日付、会社に伝えてほしいことなどを聞かれた。
「かしこまりました。
では、長谷川様のご希望の1週間後、こちらで退職の旨をお伝えいたします。
会社からお電話がきたとしても長谷川様がお電話に出る必要はありません。」
「わかりました…お願いします…」
僕は、退職代行をお願いした希望日まで何とか仕事を続けた。
誰にも退職をする話をしていないため、
同じ思いをしてきた同僚たちへの罪悪感を感じながらも、何とか1週間乗り越えた。
退職日当日。
僕は家にいた。
とりあえず、布団に寝転がってみたものの、
寝る気になれず、数時間天井を眺めていた。
すると、携帯の音が鳴った。
あの上司からだった。
名前を見た途端、心拍数が上がるのを感じた。
僕は体を起こし、自分の耳をふさいだ。
数分後ゆっくり耳を抑えていた手を離すと、
電話のコールが鳴りやんでいた。
ほっと溜息をつくとまた電話が鳴った。
僕はビクッと驚き、恐る恐る携帯を見てみると、退職代行からの電話だった。
「長谷川様のご退職の旨をお伝えし、退職のお手続きが完了いたしました。
ご自宅に書類が届くと思いますので、受け取りのご対応宜しくお願い致します。」
「はい…ありがとうございました。」
数分後にまた上司から電話がかかってきた。
僕は電話の電源を切り、再び布団の上で寝ころんだ。
全て終わった。
全て終わったはずなのに。
僕は眠りにつくことができなかった。
こうして何もしていないでいるといろんなことを考えてしまうため、
僕は今までやりたかったことをすることにした。
散らかった部屋を掃除して、
スーパーに行って買い物をし、久しぶりに自分で料理を作った。
ずっと見たかったアニメを一気見した。
アニメを見ていると途中で寝落ちしてしまった。
目を覚ますと白のレースカーテンがオレンジ色に染まっていた。
僕は外に出て散歩に出かけることにした。
仕事をやめれたのはいいものの、
この先のことを何も考えずに辞めてしまったため、
急に将来への不安が押し寄せてきた。
『この高校に行きなさい』
『この大学に行けばどこにだって就職できる』
『この会社に行けば将来安泰だ。試しに受けてみなさい』
ずっと親の言われたように生きてきた。
自分のやりたいことはなかったし、
小さい頃はやりたいこともあったけど、
親が言うことは絶対正しいし、
間違いはないはずだと、ずっと親の言うことを信じて生きてきた。
だけど、実際どうなんだろう。
本当にこの人生は正解だったんだろうか。
はたから見たら、
僕の人生は順風満帆で他人が羨むような人生だったと思う。
だけど、僕はどうなんだ。
僕の本当の気持ちは。
退職理由、電話を掛ける日付、会社に伝えてほしいことなどを聞かれた。
「かしこまりました。
では、長谷川様のご希望の1週間後、こちらで退職の旨をお伝えいたします。
会社からお電話がきたとしても長谷川様がお電話に出る必要はありません。」
「わかりました…お願いします…」
僕は、退職代行をお願いした希望日まで何とか仕事を続けた。
誰にも退職をする話をしていないため、
同じ思いをしてきた同僚たちへの罪悪感を感じながらも、何とか1週間乗り越えた。
退職日当日。
僕は家にいた。
とりあえず、布団に寝転がってみたものの、
寝る気になれず、数時間天井を眺めていた。
すると、携帯の音が鳴った。
あの上司からだった。
名前を見た途端、心拍数が上がるのを感じた。
僕は体を起こし、自分の耳をふさいだ。
数分後ゆっくり耳を抑えていた手を離すと、
電話のコールが鳴りやんでいた。
ほっと溜息をつくとまた電話が鳴った。
僕はビクッと驚き、恐る恐る携帯を見てみると、退職代行からの電話だった。
「長谷川様のご退職の旨をお伝えし、退職のお手続きが完了いたしました。
ご自宅に書類が届くと思いますので、受け取りのご対応宜しくお願い致します。」
「はい…ありがとうございました。」
数分後にまた上司から電話がかかってきた。
僕は電話の電源を切り、再び布団の上で寝ころんだ。
全て終わった。
全て終わったはずなのに。
僕は眠りにつくことができなかった。
こうして何もしていないでいるといろんなことを考えてしまうため、
僕は今までやりたかったことをすることにした。
散らかった部屋を掃除して、
スーパーに行って買い物をし、久しぶりに自分で料理を作った。
ずっと見たかったアニメを一気見した。
アニメを見ていると途中で寝落ちしてしまった。
目を覚ますと白のレースカーテンがオレンジ色に染まっていた。
僕は外に出て散歩に出かけることにした。
仕事をやめれたのはいいものの、
この先のことを何も考えずに辞めてしまったため、
急に将来への不安が押し寄せてきた。
『この高校に行きなさい』
『この大学に行けばどこにだって就職できる』
『この会社に行けば将来安泰だ。試しに受けてみなさい』
ずっと親の言われたように生きてきた。
自分のやりたいことはなかったし、
小さい頃はやりたいこともあったけど、
親が言うことは絶対正しいし、
間違いはないはずだと、ずっと親の言うことを信じて生きてきた。
だけど、実際どうなんだろう。
本当にこの人生は正解だったんだろうか。
はたから見たら、
僕の人生は順風満帆で他人が羨むような人生だったと思う。
だけど、僕はどうなんだ。
僕の本当の気持ちは。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
物置小屋
黒蝶
大衆娯楽
言葉にはきっと色んな力があるのだと証明したい。
けれど、もうやりたかった仕事を目指せない…。
そもそも、もう自分じゃただ読みあげることすら叶わない。
どうせ眠ってしまうなら、誰かに使ってもらおう。
──ここは、そんな作者が希望や絶望をこめた台詞や台本の物置小屋。
1人向けから演劇向けまで、色々な種類のものを書いていきます。
時々、書くかどうか迷っている物語もあげるかもしれません。
使いたいものがあれば声をかけてください。
リクエスト、常時受け付けます。
お断りさせていただく場合もありますが、できるだけやってみますので読みたい話を教えていただけると嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる