14 / 19
十二
しおりを挟む
冬休みが終わり、あっという間に二月になってしまった。今年度最後の試験まであと二週間になった。
今回も一週間前になったらノアとは会えないのかな。
前回の試験から遥かに魔術は上手く使えるようになったがまた急に使えなくなるかもしれない。何とか対処法が思いつけば良いのだがノアに聞くと逸らされるのであまり問い詰められないで居る。でもそろそろ流石に気になるところだ。
いつもの階段を登り最上階に着いて深呼吸してから扉を開ける。
「こんにちは」
「おー、今日で二週間前だな」
「あの、」
「うんうん、何となく言おうとしてることは分かるよ。何となく今日かなって思った。とりあえずパン食べとけ」
大人しく従っといた方が良いだろう。答えてくれそうなのでパンを食べる。最後まで食べ終わってから口を開く
「やっぱり、一週間前から会えなくなるんですか?」
「うーん、俺も考えたんだよ、学年一位取らせるためには一週間前の勉強がかなり重要だと思うからな。でさ、俺思い付いたんだよね。方法。あんま気乗りはしないんだけどさ」
「聞いても良いですか?」
「そんな凝ったことじゃないけど、二週間前から本当に少しずつアルから魔力を貰うってやつなんだけど、どう?」
「全然僕は大丈夫ですけど、ほんとに?」
嬉しいけど体に負担がかかるならまた違う方法を探しても良いと思う。ノアの部屋には沢山の本があるから何か最適な方法があるかもと思ったのだ。それについて今日は聞きに来たので、まさかノアから魔力譲渡を持ちかけてくるとは思わなかった。
「ほら、例えばアレルギーの食材を少しずつ入れて体制を付ける療法があるだろ?あれと同じで少しずつなら慣れるかもしれないし、慣れてきたら量を増やしても良い。二週間前だから量を変えなくても少しずつで足りるしな。そもそも俺は0点でも良いし。どうせ満点は取れないしな」
「確かに!やってみますか」
僕の魔力がアレルギーの食材に例えられたのは悲しいけど折角だし乗っておく他無い。物は試しだ。
「あ、注意事項がある!」
「はい!」
「片手で五秒!分かったか?片手!五秒!」
「分かりました!」
「よし!来い!」
緊張しているときに目を瞑る癖があるのが本当に面白い。
頼む上手くいってくれと思いながら片手で握り魔力を流す。
1、2、3、4、5 心の中で数えて手を離して顔色を伺う。
見た目的には大丈夫そう?と思いながら見ているとノアがゆっくり目を開けた。
「多分大丈夫だ」
一文字一文字を丁寧に言うのでまだ体に違和感があるのかもしれない。コップ一杯分の水を魔術で出して差し出す。
「ありがとう」
そう言ってノアが勢いよく渡した水を飲み切った。アレルギーの食材を流し込ませてるみたいだなこれ。
「あーだいぶ楽になった!うん、いけるかもしれない」
「わー!本当ですか!嬉しいです!じゃあ明日も?」
「明日もやってみるか、そんな近付くな、魔力が来るから!」
魔力流してないのに?と思いつつ大人しく離れる。悲しい。
「うん、それぐらいの距離を保て。そんで、今日は何の練習をするんだ?」
「今日は大きめの結界を張ってみようかなって思ってるんですけど」
「おー、多分魔力量的にも大丈夫だと思うぞ。最初のときより増えてそうだし。イメージが重要だ。やってみろ」
そう言われて今回は魔法陣を使わずに人二人が余裕で中に入れるような大きい結界を周りに張ることをイメージして杖を振る。
するとノアと僕を包み込むようなドーム型の大きい結界が出来た。思ったより狭かったのでさっきよりノアと距離が近くなったけど不可抗力だ。すぐにノアに結界を壊された。
「近い!離れろ!……でも、上手くいったな。魔力量も着実に増えてて良い感じだ。次はもっと広くするようにするんだぞ」
「はーい、次はそうします。後二週間頑張りますね」
「おう、学年一位取れよ」
「勿論です。晩御飯リクエストありますか?」
「何でもいいよ。何でも美味いから」
嬉しいような困るような何とも言えない気持ちだ。冬休みが終わっても晩御飯を作る習慣は無くならなかった。というか僕が毎日作りに行っている。栄養不足で倒れそうで怖かったからだ。
「いつもそうじゃないですか、分かりました。じゃあまた」
「分かってていつも同じこと聞いてんじゃないのか?またな、午後も頑張れよ」
今回も一週間前になったらノアとは会えないのかな。
前回の試験から遥かに魔術は上手く使えるようになったがまた急に使えなくなるかもしれない。何とか対処法が思いつけば良いのだがノアに聞くと逸らされるのであまり問い詰められないで居る。でもそろそろ流石に気になるところだ。
いつもの階段を登り最上階に着いて深呼吸してから扉を開ける。
「こんにちは」
「おー、今日で二週間前だな」
「あの、」
「うんうん、何となく言おうとしてることは分かるよ。何となく今日かなって思った。とりあえずパン食べとけ」
大人しく従っといた方が良いだろう。答えてくれそうなのでパンを食べる。最後まで食べ終わってから口を開く
「やっぱり、一週間前から会えなくなるんですか?」
「うーん、俺も考えたんだよ、学年一位取らせるためには一週間前の勉強がかなり重要だと思うからな。でさ、俺思い付いたんだよね。方法。あんま気乗りはしないんだけどさ」
「聞いても良いですか?」
「そんな凝ったことじゃないけど、二週間前から本当に少しずつアルから魔力を貰うってやつなんだけど、どう?」
「全然僕は大丈夫ですけど、ほんとに?」
嬉しいけど体に負担がかかるならまた違う方法を探しても良いと思う。ノアの部屋には沢山の本があるから何か最適な方法があるかもと思ったのだ。それについて今日は聞きに来たので、まさかノアから魔力譲渡を持ちかけてくるとは思わなかった。
「ほら、例えばアレルギーの食材を少しずつ入れて体制を付ける療法があるだろ?あれと同じで少しずつなら慣れるかもしれないし、慣れてきたら量を増やしても良い。二週間前だから量を変えなくても少しずつで足りるしな。そもそも俺は0点でも良いし。どうせ満点は取れないしな」
「確かに!やってみますか」
僕の魔力がアレルギーの食材に例えられたのは悲しいけど折角だし乗っておく他無い。物は試しだ。
「あ、注意事項がある!」
「はい!」
「片手で五秒!分かったか?片手!五秒!」
「分かりました!」
「よし!来い!」
緊張しているときに目を瞑る癖があるのが本当に面白い。
頼む上手くいってくれと思いながら片手で握り魔力を流す。
1、2、3、4、5 心の中で数えて手を離して顔色を伺う。
見た目的には大丈夫そう?と思いながら見ているとノアがゆっくり目を開けた。
「多分大丈夫だ」
一文字一文字を丁寧に言うのでまだ体に違和感があるのかもしれない。コップ一杯分の水を魔術で出して差し出す。
「ありがとう」
そう言ってノアが勢いよく渡した水を飲み切った。アレルギーの食材を流し込ませてるみたいだなこれ。
「あーだいぶ楽になった!うん、いけるかもしれない」
「わー!本当ですか!嬉しいです!じゃあ明日も?」
「明日もやってみるか、そんな近付くな、魔力が来るから!」
魔力流してないのに?と思いつつ大人しく離れる。悲しい。
「うん、それぐらいの距離を保て。そんで、今日は何の練習をするんだ?」
「今日は大きめの結界を張ってみようかなって思ってるんですけど」
「おー、多分魔力量的にも大丈夫だと思うぞ。最初のときより増えてそうだし。イメージが重要だ。やってみろ」
そう言われて今回は魔法陣を使わずに人二人が余裕で中に入れるような大きい結界を周りに張ることをイメージして杖を振る。
するとノアと僕を包み込むようなドーム型の大きい結界が出来た。思ったより狭かったのでさっきよりノアと距離が近くなったけど不可抗力だ。すぐにノアに結界を壊された。
「近い!離れろ!……でも、上手くいったな。魔力量も着実に増えてて良い感じだ。次はもっと広くするようにするんだぞ」
「はーい、次はそうします。後二週間頑張りますね」
「おう、学年一位取れよ」
「勿論です。晩御飯リクエストありますか?」
「何でもいいよ。何でも美味いから」
嬉しいような困るような何とも言えない気持ちだ。冬休みが終わっても晩御飯を作る習慣は無くならなかった。というか僕が毎日作りに行っている。栄養不足で倒れそうで怖かったからだ。
「いつもそうじゃないですか、分かりました。じゃあまた」
「分かってていつも同じこと聞いてんじゃないのか?またな、午後も頑張れよ」
0
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
秘匿された第十王子は悪態をつく
なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。
第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。
第十王子の姿を知る者はほとんどいない。
後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。
秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。
ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。
少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。
ノアが秘匿される理由。
十人の妃。
ユリウスを知る渡り人のマホ。
二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる