最果ての

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最果ての

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    重い足取りで階段を上る。今日でノアの一周忌だ。
   ノアが死んでから一回も上ることの出来なかったこの階段をやっと上れている。
   学年末試験の順位表が貼り出されたあの日、ノアが死んでしまった。止めることが出来れば良かったのに。恐怖と動揺で足が竦んで、声も出なくて、何も出来ずにノアは飛び降りてしまった。それからの日々は生きている心地がまるでしなくて、満点はおろか、学年最下位まで落ちてしまったし情緒が乱れて魔術の成功率も格段に低くなってしまった。いっそ死んでしまおうかとも思ったが、そんなことはせずに死んだような状態で今日も生きてしまっている。
   最上階に着き建付けの悪い扉を開ける。
   当然ノアはいない。
   屋上の端に花を添える。
   リコリス・アルビフローラ、僕の名前の由来となった花だ。これは造花だが本物に劣らず、それ以上に綺麗だ。
   このままどうせ何も出来ないなら最後に足掻くくらい許してくれるだろう。ノアの部屋で禁忌魔法の本を読み、本当は禁止されている時間を戻す魔術について教えて貰ったことがある。これが成功すればノアが死ぬのを止められるかもしれない。許可が無くたってやるんだ。目標を達成するために、作るために、生きるために必要だから。
    杖を構えて集中する。
   イメージが大事。きっと成功する。ノアを止めてみせる。    
   どうかノアがいる時間軸まで戻ってくれ!
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