18 / 19
最果ての
しおりを挟む
重い足取りで階段を上る。今日でノアの一周忌だ。
ノアが死んでから一回も上ることの出来なかったこの階段をやっと上れている。
学年末試験の順位表が貼り出されたあの日、ノアが死んでしまった。止めることが出来れば良かったのに。恐怖と動揺で足が竦んで、声も出なくて、何も出来ずにノアは飛び降りてしまった。それからの日々は生きている心地がまるでしなくて、満点はおろか、学年最下位まで落ちてしまったし情緒が乱れて魔術の成功率も格段に低くなってしまった。いっそ死んでしまおうかとも思ったが、そんなことはせずに死んだような状態で今日も生きてしまっている。
最上階に着き建付けの悪い扉を開ける。
当然ノアはいない。
屋上の端に花を添える。
リコリス・アルビフローラ、僕の名前の由来となった花だ。これは造花だが本物に劣らず、それ以上に綺麗だ。
このままどうせ何も出来ないなら最後に足掻くくらい許してくれるだろう。ノアの部屋で禁忌魔法の本を読み、本当は禁止されている時間を戻す魔術について教えて貰ったことがある。これが成功すればノアが死ぬのを止められるかもしれない。許可が無くたってやるんだ。目標を達成するために、作るために、生きるために必要だから。
杖を構えて集中する。
イメージが大事。きっと成功する。ノアを止めてみせる。
どうかノアがいる時間軸まで戻ってくれ!
ノアが死んでから一回も上ることの出来なかったこの階段をやっと上れている。
学年末試験の順位表が貼り出されたあの日、ノアが死んでしまった。止めることが出来れば良かったのに。恐怖と動揺で足が竦んで、声も出なくて、何も出来ずにノアは飛び降りてしまった。それからの日々は生きている心地がまるでしなくて、満点はおろか、学年最下位まで落ちてしまったし情緒が乱れて魔術の成功率も格段に低くなってしまった。いっそ死んでしまおうかとも思ったが、そんなことはせずに死んだような状態で今日も生きてしまっている。
最上階に着き建付けの悪い扉を開ける。
当然ノアはいない。
屋上の端に花を添える。
リコリス・アルビフローラ、僕の名前の由来となった花だ。これは造花だが本物に劣らず、それ以上に綺麗だ。
このままどうせ何も出来ないなら最後に足掻くくらい許してくれるだろう。ノアの部屋で禁忌魔法の本を読み、本当は禁止されている時間を戻す魔術について教えて貰ったことがある。これが成功すればノアが死ぬのを止められるかもしれない。許可が無くたってやるんだ。目標を達成するために、作るために、生きるために必要だから。
杖を構えて集中する。
イメージが大事。きっと成功する。ノアを止めてみせる。
どうかノアがいる時間軸まで戻ってくれ!
0
あなたにおすすめの小説
番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か
雪兎
BL
第二性が存在する世界。
Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。
しかし入学初日、彼の前に現れたのは――
幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。
成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。
だが湊だけが知っている。
彼が異常なほど執着深いことを。
「大丈夫、全部管理してあげる」
「君が困らないようにしてるだけだよ」
座席、時間割、交友関係、体調管理。
いつの間にか整えられていく環境。
逃げ場のない距離。
番を拒みたいΩと、手放す気のないα。
これは保護か、それとも束縛か。
閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
秘匿された第十王子は悪態をつく
なこ
BL
ユーリアス帝国には十人の王子が存在する。
第一、第二、第三と王子が産まれるたびに国は湧いたが、第五、六と続くにつれ存在感は薄れ、第十までくるとその興味関心を得られることはほとんどなくなっていた。
第十王子の姿を知る者はほとんどいない。
後宮の奥深く、ひっそりと囲われていることを知る者はほんの一握り。
秘匿された第十王子のノア。黒髪、薄紫色の瞳、いわゆる綺麗可愛(きれかわ)。
ノアの護衛ユリウス。黒みかがった茶色の短髪、寡黙で堅物。塩顔。
少しずつユリウスへ想いを募らせるノアと、頑なにそれを否定するユリウス。
ノアが秘匿される理由。
十人の妃。
ユリウスを知る渡り人のマホ。
二人が想いを通じ合わせるまでの、長い話しです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる