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にぃにの学生時代(中学二年生・秋)
にぃにの学生時代(中学二年生・秋)
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放課後の教室。
机の上には誰かが置いていったプリントが一枚。
「○○はウザい」
雑な字で書かれたその紙を見つけたとき、にぃには笑うしかなかった。
(ああ、俺のことか。)
教室にはもう誰もいなかった。
夕日が差し込む中、俺はプリントをくしゃっと丸めて、静かにゴミ箱に投げた。
数週間前まで、一緒にバカやってたグループ。
休み時間にはふざけて笑い合ってたあいつらが、ある日を境に、にぃにを避けるようになった。
原因はわからない。
けど——たぶん、小さな“ズレ”が積もったんだと思う。
「なんかさ、おまえ、空気読めないよな」
「言い方キツくね?」
「おまえ、マジで理屈っぽいんだよ」
全部、正論でもないし、冗談でもない。
でもその一言一言が、ジワジワと心に沈んでいった。
ひとりでいる時間が増えた。
廊下ですれ違っても、目をそらされる。
そんな日々のなかで、にぃにが救われたのは——図書室だった。
週に何度も入り浸るようになった図書室で、にぃには初めて“話を聞いてくれる大人”に出会った。
司書の先生。いつも本の整理をしてる、おだやかな女性。
「最近、よく来てくれるね。おすすめ、探してる?」
にぃには、なんでもないふうを装って答えた。
「……まあ、そんな感じです。」
「この本、いいよ。言葉って、武器にもなるけど、救いにもなるって書いてある。」
そう言って手渡されたのは、一冊の小説だった。
タイトルも表紙も、特別なものじゃなかったけど、
そのページをめくるたび、少しずつ、心の傷口がやわらいでいった。
それから、にぃには本の中に“もうひとつの居場所”を見つけた。
学校がつらくても、誰かに何かを言われても、
にぃにの中には、本の言葉と、それを手渡してくれた先生の声が残っていた。
「あなたのままでいい。それをわかる人が、ちゃんと現れるから。」
——だから今、俺は思う。
誰かに言葉で救われた自分だからこそ、
誰かを、言葉で救える人になりたいって。
机の上には誰かが置いていったプリントが一枚。
「○○はウザい」
雑な字で書かれたその紙を見つけたとき、にぃには笑うしかなかった。
(ああ、俺のことか。)
教室にはもう誰もいなかった。
夕日が差し込む中、俺はプリントをくしゃっと丸めて、静かにゴミ箱に投げた。
数週間前まで、一緒にバカやってたグループ。
休み時間にはふざけて笑い合ってたあいつらが、ある日を境に、にぃにを避けるようになった。
原因はわからない。
けど——たぶん、小さな“ズレ”が積もったんだと思う。
「なんかさ、おまえ、空気読めないよな」
「言い方キツくね?」
「おまえ、マジで理屈っぽいんだよ」
全部、正論でもないし、冗談でもない。
でもその一言一言が、ジワジワと心に沈んでいった。
ひとりでいる時間が増えた。
廊下ですれ違っても、目をそらされる。
そんな日々のなかで、にぃにが救われたのは——図書室だった。
週に何度も入り浸るようになった図書室で、にぃには初めて“話を聞いてくれる大人”に出会った。
司書の先生。いつも本の整理をしてる、おだやかな女性。
「最近、よく来てくれるね。おすすめ、探してる?」
にぃには、なんでもないふうを装って答えた。
「……まあ、そんな感じです。」
「この本、いいよ。言葉って、武器にもなるけど、救いにもなるって書いてある。」
そう言って手渡されたのは、一冊の小説だった。
タイトルも表紙も、特別なものじゃなかったけど、
そのページをめくるたび、少しずつ、心の傷口がやわらいでいった。
それから、にぃには本の中に“もうひとつの居場所”を見つけた。
学校がつらくても、誰かに何かを言われても、
にぃにの中には、本の言葉と、それを手渡してくれた先生の声が残っていた。
「あなたのままでいい。それをわかる人が、ちゃんと現れるから。」
——だから今、俺は思う。
誰かに言葉で救われた自分だからこそ、
誰かを、言葉で救える人になりたいって。
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