貴公子、淫獄に堕つ

桃山夜舟

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呪詛

御簾の内※

「く……ふ……んん……っ」

 降ろされた御簾の内側で真霧まきりは唇を噛んで声を堪えていた。
 御簾の向こうには公卿くぎょうたちが居並び、朝議が行われている。
 それなのに、真霧は先程からずっと、青色の袍の合わせ目から忍び入った手に胸の尖りを弄られ続けている。
 指先で、滴る蜜を塗り込むように上下に転がされ、そのたびに上がりそうになる声を必死にこらえる。

「あぁ、どうか……」

 耐えきれず背後を振り仰ぎ、ひそめた声で懇願した。

「どうかもうお許しください────主上おかみ




 左大臣影親かげちかに申し渡され、真霧が初めて帝の夜伽を務めたのは一月前のこと。
 影親の思惑通り、御年二十五とまだ若き帝は真霧の肢体に溺れ、手放さなくなった。
 真霧は臨時の除目じもく蔵人くろうどに任ぜられた。
 帝の側近くに置かれ、毎夜のごとく宿直とのいを申し付けられるばかりか、日も高いうちから濃密に交わることもしばしばだ。


 帝は今朝も朝議の途中で、近くに控えさせていた真霧を色鮮やかな繧繝縁うんげんべりの畳の上に招き寄せた。
 そして、はじめは頬や髪を撫でる程度だったのが、次第に淫らな戯れへと変わっていったのである。

「主上……、朝議が……」
「よい。どうせ全て左大臣が取り仕切る」

 帝はそう断じて、蜜を滴らせる胸に舌を這わせる。

「まこと、そなたの乳は甘露じゃ」
「は、ぁ……っ」

 神子の徴は薄れたが、胸の蜜は変わらずあふれ続けている。
 指先で胸粒をこりこりといじめ抜き、十分に滴った蜜を舐め取るのが、帝の気に入りだった。

「ぁ……っ」

 不意に強く吸い上げられ、真霧の背がしなる。
 びくびくと跳ねる躰を帝は抱き込み、互いの袴をずり下げた。後ろから真霧に覆いかぶさると、そそりたつ屹立を後孔に押し当てる。
 今朝方まで帝のそれを受け入れていたそこはまだ柔らかく、ずぶずぶと呑み込んでしまう。

「ふぅ……っく……ンンっ」

 深々と突き込まれ、真霧は畳についた腕に力を込めて、法悦に耐えた。
 感じる最奥を小刻みに突かれ、早くも甘い絶頂の波に巻かれてしまう。
 抑えきれない吐息や衣摺れの音が御簾の向こうに届いているのではないか────そう思うと、羞恥で益々身体が熱くなる。
 深い極みがすぐそこに迫り、公卿たちの朝議の声が朧に遠ざかる。
 帝の動きが余裕のないものに代わり、中の物が今にも弾けそうに硬く張り詰めるのを感じる。


「主上、それでは、────の件はこれでよろしいでしょうか」

 不意に飛んできた影親の声に、真霧はびくんと身を震わせた。
 弾みで中の物を強く食い締める。

「く……っ」
「……あぁっ」

 帝は媚肉の締め付けに抗し切れず、真霧の中に尊い種を吐き出した。
 熱い種が腹の奥に蒔かれるのを感じながら、真霧もまた果てる。
 吐き出したものを塗り込めるように腰を揺すりつつ、帝が答えた。

「……よい。そなたに任せた」
「承知つかまつりましてございます」

 うべなう影親の声には、微かな笑みが含まれている。
 知っているのだ。
 御簾の内で何が行われているのかを。


 濡れた肉壺を掻き回すうちに、肉棒がまた芯を持ち始める。

「ああ、主上……、これ以上は……」

 哀願は聞き入れられず、再び律動が始まる。
 達したたばかりの敏感な最奥をくちくちと突かれて、真霧はすぐにまた昇り詰めていく。
 もはや公卿達の声も聞こえなくなり、朝議がいつ終わったのかもわからなかった。 

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