南海トラフ大地震

大きな揺れ。崩れる世界。

 唸るような轟音。
寝ていたその男性はその音で目が覚めた。
出張で東京から離れてた彼は、昨晩が遅かった為この時間まで寝ていた。

目を覚ますとまず揺れに気付く。
そして机の上のごま塩の瓶と昨日飲んだお茶のペットボトルが倒れている事に気付いた。

海に近いこのホテルの轟音の招待は波。もっと海に近い方の家は流されている。

あと数分すれば此処も波が来るだろう。

元々綺麗だった海は泥や家を巻き込み、茶色に染まっていた。

彼は逃げるか残るか迷っていた。

此処は五階。津波がこの高さまで来る事は無いだろう。

しかし問題は今逃げなければ此処に籠城して助かるとは限らない。
だが、今無理をして外に出ても波に飲まれて死ぬかもしれない。

取り敢えず家族に電話でもしよう。

そう思いスマホを開く。

その内容に彼は目を見開く。


緊急速報

東京で震災発生。

半ば壊滅状態。

震源東京直下。

生死者不明。

自衛隊派遣は明日より。