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フェネクス
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しおりを挟むナカで前立腺を穿たれるものでも、
執拗に性感帯を虐められるものでもない、
ひどく曖昧な形をした、けれど形容しがたい確かにある気持ち良さ。
不慣れなソレはじりじりと追い落とすように葉人を追いつめて行く。
「んんっヒクヒクしてイイ……」
くいくいと腰を動かしながら、満足そうな鷹雄に葉人は繰り返し首を振った。
「やだ…やめて…」
「何?強情な事言って。ハナちゃん、虐めてって、ねだったのに」
「そ、んな、こ…ぁ、んんっ!」
「図書館で、ねだったろ?」
またも分からない言葉に混乱した瞬間、最奥を突かれると共に一気にテグスを引っ張られ、すっかり立ち上がっていたモノの先端から白濁の液がぴしゃりと飛んだ。
「っ…きつっ!!」
そう呻きながら鷹雄も腰を振り、満足そうにナカに吐き出してからハァ…と息を吐いて傍らにどっかりと腰を下ろした。
射精の余韻で体がひくりと震えるが、先ほど聞いた意味の分からない言葉が葉人の意識を現実につなぎとめていた。
は、は、…と息を整えている鷹雄に、葉人は縋るように視線を向ける。
「…………図書館でって…なに……」
言い知れぬ悪寒のようなものが背後に覆いかぶさるような気がして、尋ねた声は震えていた。
「は?」
「…オレ、図書館で……なにを………言ったの…」
こちらを見下ろす鷹雄の目が、奇妙なものを見る目つきでゆらりと揺れた。
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