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藍我 side
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しおりを挟む「……そんなのやだ」
思わず漏れた言葉が拗ねた時の桃路と同じで……変なところで血の繋がりを感じてしまった。
例えどんなに卑怯と言われようとも勝てば官軍だ。
まことは珍しく人見知りを発動したのか桃路に対しては少しよそよそしいし、このまま疎遠になれ! って流れ星を探しながら願っていた。……ら、バチが当たった。
少なくともオレが側にいる限り、まことに変な虫を近づけさせることはなかった。
女も男も可愛いまことにヘラヘラと寄ってくるから、番犬の如くそれらを跳ね除けて……
念のために言っておくと、これはオレの私心だけってわけじゃなくて、まことを心配するおばさん達からお願いされているってのあるから問題のない行為だ。
全然問題ない! ホントだぞ!
だからオレはまことに不埒なことをしようとしている人間を片っ端から排除していって……いつもなら迅速に動けたのに、今回は桃路のことで対応が遅れてしまった。
カーディガンを貸してくれる段階で、天野先輩にとってまことは他の有象無象の舎弟どもよりもちょっと上って立場になってるってわかってたのに、一番のライバルを前に気を回すことができなかった。
まことが寝ているベッドの端に腰掛けて、まことの方に体を傾けて……
それは、オレがいつもまことにキスする時の位置だ。
掛け布団に隠れて見えない二人の顔の近さにゾッと血の気が下がっていく。
そこは、オレだけのものだ。
そこは、オレだけが触れる場所だ。
少しとろんとした顔で体を起こすまことは、どこをどう清らかな目で見てもダメだってくらい天野先輩の腕の中にいる。
勝手に入った玄関先にまことのものじゃない大きな靴があるのを見て、嫌な予感がしたオレは階段を何段も飛ばすようにしてまことの部屋まで一気に駆け上がって……その先で、抱き合いながらベッドの上にいる二人を見つけてしまった。
何を言ったか覚えてないし、何を言われたのかも全然耳に入って来ていなかった。
オレは咄嗟にまことを天野先輩から引き剥がしてベッドから引き摺り下ろして……
まことの無防備なパジャマ姿からはっきりと天野先輩の香水の臭いが漂っていて、二人がどれだけの時間、臭いが移るほど体を寄せ合っていたのかを教えてくる。
まことのことと桃路の命を天秤にかけることはしないけれど、それでもこの瞬間はあの時どうして桃路を優先させてしまったのか、もうそればっかりが頭の中を占めていた。
天野先輩の、飽くまでも崩れない人を揶揄うような態度にどんどん怒りは募っていって……
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