彼に「eat me!」と言ってみた

Kokonuca.

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ミッションは…

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 眼鏡をとるとイケメンって言うのはよく聞く話だったけれど、播磨谷は前髪を上げるとめっちゃイケメンだった。
 思わず下半身をぷらぷらさせながら見惚れていたぼくに、丁寧に精液を舐めとった播磨谷の視線が向く。

 はぁっと熱く吐かれた息の熱さがどれくらい熱いのかを知っているだけに、播磨谷がそうやって息を吐くのを見て飛び上がった。

「あ、あ、あ、っそのっ……ぼくっ今日は夕飯当番で  っ」

 当番も何も一人暮らしなんだけど。

「イマジナリーフレンドにカレー作ってあげなきゃだし! イマジナリーペットに餌あげなきゃ出し! イマジナリー両親にただいまを言わないとだからっっ」
 
 とりあえず言い訳として並べながらベッドの上から逃げようとしたけれど……

 ぼくなんか一ひねりだろうなってくらい大きな手が伸びて頭を掴んだ って思った途端、ベッドに押さえつけられてしまう。
 ぎゅうって力いっぱい抑えられてしまうと、小柄なぼくでは逃げ道なんかなくて、急に狼に捕まったウサギの気分になった。

 きっとこうやって押さえつけられて、それで頭から齧られてしまうんだ……くらいの妄想が一瞬で頭の中を駆け巡る。
 齧られたらきっと痛いんだろうと青くなっているぼくに、播磨谷はどんどん近づいてきて唇が重なって……

 それは押し付けるだけのキスだったのに、どこか鉄臭い本能的に避けたくなるような味を纏っていてぼくの身をすくませてしまう。
 でもそれは怖い一択なんかじゃなくて、カッコイイ播磨谷の顔だったり、筋肉質な体だったりに対する劣等感と言うか、憧れが濃縮して焦げ付いたかのような感情での動きだ。

 つまり、押し倒されてフェラされた挙句、ザー〇ンをごっくんされたっているのに、ぼくは嫌悪じゃなくて嬉しさで身を固くしてしまったってこと!
 喉元から筋が浮かぶぐらいまで鍛え上げられた筋肉は、アメリカンヒーローほどじゃなかったけれど十分だ、ぼくを押さえる腕にも筋が浮かんでて……セクシーだって思っちゃいけないのかもだけど、セクシーなんだ!
 ぼくの精液を唇の端に纏わせながら、荒い息を吐いて播磨谷はぼくを抱きしめようとしてできず、だからと言って退くことができないんだといいだけに、マウントをとったままうずくまる。

 そうすると、もう二人の唇の間は数センチもなくて……

 お互いの熱い吐息が絡まり合ってほどけないまま転がっていきそうだ。

「  ぅ  」
「な、なに   っ」

 小さな播磨谷呻きにびくりとすると、目の前のイケメン面がぎゅっと苦悩するように苦い顔になる。
 そんな表情したいのはぼく自身だってのに、なんだか釈然とせずにジタバタを体を動かして、めちゃくちゃに体を押しのけようとした……んが、播磨谷の呻きの原因に気づいちゃったんだよね。


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