僕(Ω)は貴方(α)の家政夫(β)ですから!

Kokonuca.

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落ち穂話

お姫さま抱っこの上限

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 フェロモンに左右されちゃう身の上としては、好きな人の強い匂いを嗅ぎたいって思ってしまう。
 すんすんと鼻を鳴らしながら擦り寄るように頬を近づけると、体温だけじゃなくて心臓の音まで聞こえてきそうだった。

「ここ……じゃ  」

 ソファに恥じらいながら押し倒されているトーマがチラチラと奥の畳の部屋を見て言う。
 今は引き戸を閉めて部屋にしてしまっているけれど、そこを開くとリビングと繋がって広い空間になる。

 自分がどんなところで押し倒されているのか気づいたのか、トーマの顔は真っ赤だ。

 ちゅ ちゅ と派手なリップ音だけを響かせながら胸の上にキスをして、最初にリビングでイケナイことをしたのはトーマの方なのに……と、ちょっと拗ねてみせる。

「な、な、なんだ?」
「なーんでもないです」

 最初にここでエッチしたのはそっちなのに とぼやくと、トーマがハッとした表情で慌てた様子で左右を見渡してからやっと僕を見て……

「あれは、夢じゃなかったのか?」

 と、今にも消え入りそうな声で尋ねてくる。
 最初にちょっとえっちなことになっちゃった次の日、普通の態度だな……やっぱり経験者は違うんだなって思ってたけど、夢だと思っていただけだったみたい。
 トーマの顔はあの日の出来事にやっと追いついてきたかのような真っ赤な顔に染まっていく。

「き、君っ! 君はっ! どうして何も言わなかったんだ!」

 今更ながらに羞恥に悶え始めたトーマがそう叫んでくるけれど……当時は雇用主と被雇用者だったんだから、僕に何か言えるわけがない。
 その頃はリンが恋人だと思っていたし……バレたら放り出されちゃうんじゃないかって不安もあって、言い出せなかった。
 トーマが忘れてくれているのなら、それに縋るしかなかった立場だったからだ。

「そんっ……そんな……っ」
「昔のことですよー」

 はいはいはいってあやしていると、トーマは涙を滲ませた目で僕を見上げている。

「?」
「俺は……ってっきり、自分の願望が見せた夢だって……」

 震える唇から出た言葉はきっと心の声だ。
 その様子を可愛いなぁって観察しつつ、この後どうなるのかってワクワクしながら待つ。

「俺っ……俺は、なんてことを……」
「だから、もういいんですって! だって、今の方がすごいことしてるんですよ?」

 トーマの手を取って胸に当ててやると……

「っ……そ、そうだが……」
「それで、反省会しますか? それとも、二階じゃないとできないようなこと、します?」

 胸に当ててあったトーマの指が動いて、無意識のうちに僕の乳首を探り出す。
 「んっ」って小さな声を漏らしちゃうと、トーマはもう我慢できなかったみたいで僕に腕を伸ばしてくる。

「だから、二階に行ってからです」
「っ……君はひどい! 俺はこの足なの    ――――!」

 僕が酷いとか言っているトーマさんをサッと抱え上げる。


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