7 / 20
7
しおりを挟むゴウはその表情にやっと安心したと笑うと、歩調を早めて朱雀の部屋がある最上階へと急いだ。
「ゴウ、ゴウ! 遅い! 走れ!」
「走ってる!」
二人は子供のように言い合いながら扉を勢いよく開けて中へともつれ込む。
上質な香が焚きしめられた部屋は贅沢な調度品で整えられ、王の部屋のように豪華だ。奥には広い天蓋付きのベッドもあると言うのに、ゴウはそこまでいくこともできないまま、朱雀を壁に押し付けて強引に唇を奪った。
赤く紅の引かれた唇を舌でこじ開け、甘い蜜を求めるように吸い付く。分厚いゴウの舌が遠慮もなく侵入してくるのを、朱雀はうっとりとした表情で迎えた。
「ゴウ、もっと、奥まで触って」
「おい、朱雀……一ヶ月ぶりだ。まずは、じっくりと味わわせろ」
絡まる情欲を宿した視線に部屋の中はあっと言う間に濃密な空気に変わる。
ゴウは獲物を追い詰める獣のような目で朱雀を壁へと押しつけ、わずかな体温すらも逃さないように覆い被さり、朱雀もまた、一ヶ月の飢えをぶつけるようにゴウの太い首に腕を回して食らいつく。
打ち掛けの隙間から滑り込んだゴウの大きな掌が、火照った肌を執拗なまでに這い回理、指先で乳首を弾き、薄い布越しに熱を帯びた場所を力強く掌で圧迫した。
「ん、あ……っ、ゴウ……指、あつすぎんだよ……っ」
「お前に触れたくて触れたくて仕方がなかったからな。朱雀だってそうだろう?」
「 っ、……ぅん」
「はは! 一ヶ月前よりずっと素直じゃねえか」
ゴウの分厚い指が敏感な内腿をゆっくりとなぞり、その最奥、秘された聖域の周りをじりじりと弄ぶ。
期待に腰を浮かせ、自ら指を導こうとする朱雀。だがそのたびにゴウは意地悪く手を離した。
物欲しげにひくりとそこが引き攣れる感触に、朱雀は癇癪を起こしたように声を上げる。
「……っ、ふざけんな、焦らすんじゃねえ……!」
苛立ちと快楽に翻弄された朱雀のピジョンブラッドの瞳がうるりと潤む。その目尻から一粒の真紅の雫が零れ落ち、床の上にカチリと音を立てて結晶となった。
驚くほど深く、燃え上がるような真紅のルビー。
宝石商なら何をおいてでも飛びつきたくなるほど上質なそれに、ゴウは視線すら向けない。
「焦らしてねぇ、旅先からそのままここにきたんだ。汚いのは嫌だろ?」
自分を慮っての言葉だとわかってはいたけれど、朱雀はぎゅっと唇を引き結んで悔しそうに瞳を潤ませた。
「……もう、嫌だ! 意地悪だ! お前は私が一番嫌なことをわかってない!」
小さな拳がゴウの背中にぽかぽかと振り下ろされるが、ゴウは止めるどころかくすぐったそうに笑って朱雀のしたいようにさせている。
0
あなたにおすすめの小説
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
-----------------------------------------
0時,6時,12時,18時に2話ずつ更新
運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー
白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿)
金持ち社長・溺愛&執着 α × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω
幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。
ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。
発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう
離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。
すれ違っていく2人は結ばれることができるのか……
思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいαの溺愛、身分差ストーリー
★ハッピーエンド作品です
※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏
※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m
※フィクション作品です
※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
君と僕の関係は罰ゲーム
くすのき
BL
小学生の時、幼馴染の発した自分との関係性を聞いてしまった十都棗(とそなつめ)は、彼に頼らない人間になる事を決意して生きてきた。でも大学生となったら、まさかその幼馴染と再会し、しかもお隣さんになっていた。
彼は僕の事を親友と呼ぶが、僕はそのつもりはなくて……。
陽キャ✕陰キャ
影武者は身の程知らずの恋をする
永川さき
BL
孤児院出身のライリーは農場で働いている傍ら、冒険者を副業としている。
しかし、農場では副業が禁止である上に、冒険者は孤児院で嫌悪の対象となっている。
解雇や失望されてしまう可能性があっても冒険者として働くのは、貧しい孤児院に仕送りをするためだった。
そんなある日、冒険者ギルドから帰宅する途中、正体不明の男に尾行される。
刃を交え、ギリギリのところで男を振り切ったが、逃げ切れていなかったとわかったのは、その数日後のこと。
孤児院に現れたのは王宮の近衛騎士の三人。
そのうちの一人であるユリウスは、ライリーが尾行を振り切った正体不明の男だった。
自身の出自を餌に、そして言外に副業やその内容をバラすと脅され、王宮に行くことを決意したライリーを待ち受ける運命とは……。
近衛騎士×元孤児の影武者の切ない身分差BL。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる