昨日の自分にサヨナラ

林 業

文字の大きさ
9 / 147
沈黙の日々

7,三日目終了(騒)

しおりを挟む
トラママ戻ってこないかな。
なんてことを考えながら、彼らが川へ戻るのを手伝う。
途中で見つける、害のない果物を発見しては採取する。

これ食えるのか?と聞いてくるのは男子生徒が一人、サガラ。
手伝おうと快く手を貸してくる男性教諭は、カヤマ。
最初に声をかけてくれた人である。
最近の言い方をすれば久々に先生ガチャに成功したとても素晴らしい若い先生。
こんな状況でも生徒を優先に考えているらしい。
そして賑やかでありながら、顔の傷や眼帯について、心配してくれる女子生徒、タミヤ。
自前のハンカチで傷を手当てしようとしてくるので大切にしろと言いたくなる。
主にこの三人が声をかけてくれ、気を使ってくれる。
他の人達も声をかけてくることもままある。
そういえば珍しく眼帯の指摘を受けた気がする。

食えるのかと悩むサガラに目の前で食してみる。
仰天する横で、虫が頂戴と迫ってくるのでこっそり与える。

補足だが誰もこの虫が見えていないらしい。

幾つかを鞄に、ポケットに押し込む。

道中、たまたま見かけたウサギ擬き、モンスターで言う一角ウサギに似た姿の獣を集団で追い込んで確保している。
誰かトドメをというので進んでトドメを刺し、血抜き。

他にもいたのか逃げ出し、その場所に揺れる尻尾が現れる。
側にいるのか。

うん。見なかったことにしよう。

腕の太さ程度の蛇も数匹ゲットできたのだが、首を落としたところで全員ドン引きしていた。
いい栄養になるのに。


川へと戻れば、早速とご飯を用意している。
残っていた生徒や教師が釣り上げた魚を調理していた。
途中で食べれる野草なども回収していたのでそれを使い、煮沸してくれている水にスープを作る。

上手だと横で眺めるタミヤに頭を撫でられる。

見た目年齢は確かに高校生に見えないが、こう見えて十五歳。
栄養不足なのは致し方がないとはいえ。
一つから二つ程度違うだけなのに子供扱いされる。
とはいえ、抵抗するのも時間の無駄なのでされるがまま、スープを作る。
ウサギ擬きと蛇の肉を最低限細かく刻んでもらって、入れていく。

異世界の蛇はもう少し大きいと思っていたが違うらしい。

いや。訂正しよう。

トラママが樹木の影で食べている蛇がそこそこ大きかったので、種類による。

相変わらずそばにいるとトラママを眺める。
猫ってヘビ天敵じゃなかったっけ?


できる限り肉が入るよう用意されたスープを飲む。
肉と塩と香辛料だけで作った。

ちょっと辛味があれば好みだが、他は満足しているらしい。
まぁ、サバイバルで塩が手に入ったのは良しとしよう。
後器用に物事をこなせる手。

自分がやるときより作業効率が違う。

ワイワイと賑やかな彼らを横目にカバンの中を整理する。
そこそこ集まってきた食材。

狼は自ら蔦を匂いで探り当てて舐めている。
生存能力たくましい。
満足したのを見てから蔦の先を潰して樹液を止める。
排便の世話をしてから動く。

遊んでと強請ってくるのがもうちょっと我慢してとカバンに手を入れたまま撫でれば嬉しそうである。

鞄の中はまだ入るので休息時間中に必要そうな果物や野草を回収しては鞄に入れる。

そして木の上に登って眠る。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ヒメ様が賊にさらわれました!

はやしかわともえ
BL
BLです。 11月のBL大賞用の作品です。 10/31に全話公開予定です。 宜しくお願いします。

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

僕に双子の義兄が出来まして

サク
BL
この度、この僕に双子の義兄が出来ました。もう、嬉し過ぎて自慢しちゃうよ。でも、自慢しちゃうと、僕の日常が壊れてしまう気がするほど、その二人は人気者なんだよ。だから黙って置くのが、吉と見た。 そんなある日、僕は二人の秘密を知ってしまった。ん?知っているのを知られてしまった?が正しいかも。 ごめんよ。あの時、僕は焦っていたんだ。でもね。僕の秘密もね、共有して、だんだん仲良くなったんだよ。 …仲良くなったと、そう信じている。それから、僕の日常は楽しく、幸せな日々へと変わったんだ。そんな僕の話だよ。 え?内容紹介が内容紹介になってないって?気にしない、気にしない。

彼の至宝

まめ
BL
十五歳の誕生日を迎えた主人公が、突如として思い出した前世の記憶を、本当にこれって前世なの、どうなのとあれこれ悩みながら、自分の中で色々と折り合いをつけ、それぞれの幸せを見つける話。

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

幸せごはんの作り方

コッシー
BL
他界した姉の娘、雫ちゃんを引き取ることになった天野宗二朗。 しかし三十七年間独り身だった天野は、子供との接し方が分からず、料理も作れず、仕事ばかりの日々で、ずさんな育て方になっていた。 そんな天野を見かねた部下の水島彰がとった行動はーー。 仕事もプライベートも完璧優秀部下×仕事中心寡黙上司が、我が儘を知らない五歳の女の子と一緒に過ごすお話し。

黒獅子の愛でる花

なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。 中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。 深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。 サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。 しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。 毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。  そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。 王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。 王妃は現在、病で療養中だという。 幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。 サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…

祖国に棄てられた少年は賢者に愛される

結衣可
BL
 祖国に棄てられた少年――ユリアン。  彼は王家の反逆を疑われ、追放された身だと信じていた。  その真実は、前王の庶子。王位継承権を持ち、権力争いの渦中で邪魔者として葬られようとしていたのだった。  絶望の中、彼を救ったのは、森に隠棲する冷徹な賢者ヴァルター。  誰も寄せつけない彼が、なぜかユリアンを庇護し、結界に守られた森の家で共に過ごすことになるが、王都の陰謀は止まらず、幾度も追っ手が迫る。   棄てられた少年と、孤独な賢者。  陰謀に覆われた王国の中で二人が選ぶ道は――。

処理中です...