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精霊たち井戸端会議
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ハルシオはララとクラークの手入れを行う。
「そういえば師父って皆の毛並みの手入れとかしないんですか?」
「してって甘えてくるとき以外、しないね」
植木鉢に水遣りしながらルーンティルは苦笑する。
「一体やると他の子もやってって甘えてくるからきりがない上に、喧嘩するから」
「あ、あー」
今もウルカとオーランが何か言い合っている。
「そういえば、その植木は地面に植えないんですか?」
「あ、この子はね、世界樹の欠片だからね。植えれないんだよ」
「へー。え?世界樹って大陸を支える樹木のことですよね」
「そうだよ。植えたら枯れるか、ここが世界樹の起点になっちゃうんだよね」
「なんでそんなものが」
恐る恐る突く。
特に他の樹木と変わらず、ほっと安堵。
「この国結婚届け出したとき世界樹の枝もらえるだよ。ほしいなって思ってたらサジが結婚してくれたんだ」
「へぇ。結婚した。え!結婚?っていうか簡単にもらえるもんなんですか?」
「この近くに世界樹があって、管理人がその枝を結婚した夫婦にいつまでも末永くとお守り代わりに配ってるんだって。土に刺したら生えてきたからそのまま育ててる」
「えぇ」
驚いて眺めつつ聞く。
「師父と先生結婚してたんですか。同性婚いいんですね」
「特例だよ。この国にサジと僕を縛るためのものでもあるけど。いろいろと貢献してきたからね。それに同性で付き合うのは別に駄目ってわけじゃないから」
「へぇ。じゃあこの枝だけくださいってのはならなかったんですか」
「万が一にも世界樹だからね。新婚夫婦にしか与えないって折れなかったね」
「それで結婚か」
「突然持って帰ったときには驚いたよ。前日から俺と結婚するのは問題ないよな。って言い出して、そりゃあ問題ないよって言ったら翌日には結婚届けだしてきた。って結婚してくれって枝差し出しながら言うんだもん。逆じゃない?」
「結婚してたんだ」
「おかげで子供引き取りやすくなったよね」
「只今」
ぼろぼろのエーデルワイスとサジタリス。
そして困った顔の男性。
どうやら話をつけていたらしいが。
「ただいま。ルシオ君」
「おかえりなさい。え、エディ、ね、さん」
「そういえば今結婚のお話してたんだけどエーデルワイスはこっちで結婚するの?あっちの国で結婚するの?」
「正直先生のように世界樹がもらえるこっちでもいいですけど、向こうで働いてますから」
「うちの子は上げないよ」
さっと植木鉢を抱きしめるルーンティル。
「ちょっと枝一つください」
「ダーメ。うちの子が枯れちゃう」
やっぱりだめかと肩をすくめている。
「ま、師父たちがお亡くなりになれば私が預かりますね」
「僕ら多分、事故とかじゃなきゃ君らの倍生きるよ」
「え?」
「それに出来るなら魔導具技師を受け継ぐ子に挙げたいな。この子の葉っぱはいい動力になるから」
えぇえと驚いているエーデルワイス。
サジタリスはやれやれと額を抑えている。
「あ、ルー。明日から一週間ほど、出かけてくる。エディはしばらくここにいるんだろう」
「うん。後始末とかがあるから」
「じゃあ、その間、頼んだ」
「はーい」
「てめぇもな。エディにもルシオにもルーにもなんかあったら絶対にぶち」
騎士隊隊長である男を睨む。
一応彼は弱くない。
精霊使いとして国内では随一の実力者である。
エーデルワイスより彼のほうが強い。
だが、サジタリスに睨まれば慣れていないもので硬直して実力が落ちている。
そして虐めるなとエーデルワイスが突撃して、喧嘩となった。
そのためエーデルワイスに言葉を遮られる。
「そんなことしたら私が許さないからね」
「半殺しに」
「許さないって言ってんでしょ」
「ゲンコツするからな」
「いや。まあ、今何故か泊めていただいているのでそれぐらいはさせていただきます」
「エーデルワイスから食費もらってるからいいのに」
「甘い。娘に超絶甘い」
半笑いの男に、ハルシオがサジタリスに思わず突っ込む。
「そういえば、ルー。例のアレできたか?」
「あぁ。転移の阻害のアクセサリー?出来てるよ。サジが用意してくれたし、丁度いい素材がいっぱい手に入ったから」
箱を取り出して、中にあるペンダントを示す。
サジタリスはそれを受け取り、ルーンティルの首にかける。
「うん。俺がいないときは必ず付けとけよ」
「はいはい」
素っ気なくも嬉しそうに撫でるルーンティル。
男が精霊召喚を見せて欲しそうなハルシオに微笑んでからサジタリスを見る。
「ところで、ルーンティルさんを狙った犯人潰しに行くって本当ですか?」
「おおよその検討ついたからちょっと行って確認してくるだけだ」
ペンダントを見つめ、ララを撫でるルーンティルを見る。
せっかくなのでハルシオに近づき、自身の精霊を呼ぼうか提案すれば呼んでほしいと嬉しそうにしている。
彼は祖父の代から精霊使いをなりわいとしている家系である。
何時か自分の子にも精霊をと願わずにはいられない。
ちなみに彼の精霊は、雷の精霊、獅子型であり、ハルシオが硬直してしまったのは言うまでもない。
「そういえば師父って皆の毛並みの手入れとかしないんですか?」
「してって甘えてくるとき以外、しないね」
植木鉢に水遣りしながらルーンティルは苦笑する。
「一体やると他の子もやってって甘えてくるからきりがない上に、喧嘩するから」
「あ、あー」
今もウルカとオーランが何か言い合っている。
「そういえば、その植木は地面に植えないんですか?」
「あ、この子はね、世界樹の欠片だからね。植えれないんだよ」
「へー。え?世界樹って大陸を支える樹木のことですよね」
「そうだよ。植えたら枯れるか、ここが世界樹の起点になっちゃうんだよね」
「なんでそんなものが」
恐る恐る突く。
特に他の樹木と変わらず、ほっと安堵。
「この国結婚届け出したとき世界樹の枝もらえるだよ。ほしいなって思ってたらサジが結婚してくれたんだ」
「へぇ。結婚した。え!結婚?っていうか簡単にもらえるもんなんですか?」
「この近くに世界樹があって、管理人がその枝を結婚した夫婦にいつまでも末永くとお守り代わりに配ってるんだって。土に刺したら生えてきたからそのまま育ててる」
「えぇ」
驚いて眺めつつ聞く。
「師父と先生結婚してたんですか。同性婚いいんですね」
「特例だよ。この国にサジと僕を縛るためのものでもあるけど。いろいろと貢献してきたからね。それに同性で付き合うのは別に駄目ってわけじゃないから」
「へぇ。じゃあこの枝だけくださいってのはならなかったんですか」
「万が一にも世界樹だからね。新婚夫婦にしか与えないって折れなかったね」
「それで結婚か」
「突然持って帰ったときには驚いたよ。前日から俺と結婚するのは問題ないよな。って言い出して、そりゃあ問題ないよって言ったら翌日には結婚届けだしてきた。って結婚してくれって枝差し出しながら言うんだもん。逆じゃない?」
「結婚してたんだ」
「おかげで子供引き取りやすくなったよね」
「只今」
ぼろぼろのエーデルワイスとサジタリス。
そして困った顔の男性。
どうやら話をつけていたらしいが。
「ただいま。ルシオ君」
「おかえりなさい。え、エディ、ね、さん」
「そういえば今結婚のお話してたんだけどエーデルワイスはこっちで結婚するの?あっちの国で結婚するの?」
「正直先生のように世界樹がもらえるこっちでもいいですけど、向こうで働いてますから」
「うちの子は上げないよ」
さっと植木鉢を抱きしめるルーンティル。
「ちょっと枝一つください」
「ダーメ。うちの子が枯れちゃう」
やっぱりだめかと肩をすくめている。
「ま、師父たちがお亡くなりになれば私が預かりますね」
「僕ら多分、事故とかじゃなきゃ君らの倍生きるよ」
「え?」
「それに出来るなら魔導具技師を受け継ぐ子に挙げたいな。この子の葉っぱはいい動力になるから」
えぇえと驚いているエーデルワイス。
サジタリスはやれやれと額を抑えている。
「あ、ルー。明日から一週間ほど、出かけてくる。エディはしばらくここにいるんだろう」
「うん。後始末とかがあるから」
「じゃあ、その間、頼んだ」
「はーい」
「てめぇもな。エディにもルシオにもルーにもなんかあったら絶対にぶち」
騎士隊隊長である男を睨む。
一応彼は弱くない。
精霊使いとして国内では随一の実力者である。
エーデルワイスより彼のほうが強い。
だが、サジタリスに睨まれば慣れていないもので硬直して実力が落ちている。
そして虐めるなとエーデルワイスが突撃して、喧嘩となった。
そのためエーデルワイスに言葉を遮られる。
「そんなことしたら私が許さないからね」
「半殺しに」
「許さないって言ってんでしょ」
「ゲンコツするからな」
「いや。まあ、今何故か泊めていただいているのでそれぐらいはさせていただきます」
「エーデルワイスから食費もらってるからいいのに」
「甘い。娘に超絶甘い」
半笑いの男に、ハルシオがサジタリスに思わず突っ込む。
「そういえば、ルー。例のアレできたか?」
「あぁ。転移の阻害のアクセサリー?出来てるよ。サジが用意してくれたし、丁度いい素材がいっぱい手に入ったから」
箱を取り出して、中にあるペンダントを示す。
サジタリスはそれを受け取り、ルーンティルの首にかける。
「うん。俺がいないときは必ず付けとけよ」
「はいはい」
素っ気なくも嬉しそうに撫でるルーンティル。
男が精霊召喚を見せて欲しそうなハルシオに微笑んでからサジタリスを見る。
「ところで、ルーンティルさんを狙った犯人潰しに行くって本当ですか?」
「おおよその検討ついたからちょっと行って確認してくるだけだ」
ペンダントを見つめ、ララを撫でるルーンティルを見る。
せっかくなのでハルシオに近づき、自身の精霊を呼ぼうか提案すれば呼んでほしいと嬉しそうにしている。
彼は祖父の代から精霊使いをなりわいとしている家系である。
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