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精霊たち井戸端会議
閑話休題
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ぷっくりふくれたお腹を見て、ルーンティルは心配そうなハルシオを見る。
ララがにゃあとお腹が重たそうにゆっくり歩く姿。
ハルシオへと渡す。
「妊娠とかかな。それとも、なにか悪い塊かな」
不安そうなハルシオに、いい子いい子と頭を撫でる。
「精霊医師じゃないからなんとも言えないけど、単なる肥満だよ」
「えっ!太るの?」
「むしろ精霊は太りやすい。うちの子たちも地上の食べ物は数日に一回で十分。人と違って消化が遅いんだよ。けど、美味しいからってねだって来る。基本は魔力供給で問題ないよ」
「へぇ。ララがお腹空いたって言うから上げてたんだけど」
ハルシオがララのお腹を揉めば、ララが視線をそらす。
無理に合わそうとするがひたすら目をそらす。
「ま、二、三日に一回って日付決めてご飯上げて、おやつ代わりに一日一口って決めてあげるといいよ」
「わかりました!」
ララがごはーんと鳴くが、駄目とハルシオが告げる。
ララの目の前に、ジャックウィリーが現れ、ララがごはーん。と飛びつく。
「!」
ぎゃあと叫びそうな勢いで家中を走り回りだすジャックウィリー。
「あーあー」
「うるせぇえ。かぼちゃあ」
サジタリスの飛び蹴りが入り、しかしララに頭を舐められているのに気づいて、申し訳なさそうに見る。
「ララ。めっ」
ようやくララを捕まえたハルシオ。
ララはしょんぼり肩を落とす。
「ジャックウィリー。おいで」
シクシクと泣きそうな様子でルーンティルの元へと来る。
「悪いけどララに向けたダイエットメニュー考えてもらっていい?」
死にたくないと言わんばかりに必死に上下に南瓜が動く。
ジャックウィリーは言いつけるようにサジタリスを示す。
「悪かったって」
「朝帰りにはうるさかったんだねぇ」
朝帰り。浮気だ!と騒ぎそうなジャックウィリーは、サジタリスにマントを捕まれ逆さまになる。
「深夜帯にしか出ないゴースト系の討伐に行ってたんだ。この南瓜が」
がたがたと許され、ごめんなさいと謝るように、かぼちゃが揺れる。
どうやって討伐したかはまた今度聞こうと頭の片隅に置いておく。
「ララは運動を増やすとして、それにしてもハルシオは大分ジャックウィリーに苦手意識、薄くなってきたね」
「なんかね。時々朝起きるとかぼちゃが机の上にあるの。なんかもう、驚くの疲れた」
「せっかくだから育ったかぼちゃを見せたいのか、慣れてほしいから置いているのか悩むな」
そういえばとジャックウィリーを開放しているサジタリスを見る。
「先生って、なんで、名前で呼ばないんですか?」
「呼ぶと魅了しちゃうからだよ。精霊に好かれやすい体質なんだよ」
ルーンティルが笑顔で答え、ほんと?と聞き返せば微笑みだけ帰ってくる。
サジタリスは特に返答もなく、ララを見下ろして、告げる。
「猫。ダイエットしろ。ダイエット」
ララは何も聞こえないとハルシオの膝の上に戻ってくる。
「ま、後は長い名前覚えられないってのもあるかもね」
「あー」
子供たちですらあだ名で呼んでいる上に時々、本名を思い出すのを苦労しているのを思い出す。
ルーンティルの本名すら覚えていないじゃないか疑惑が浮上している。
「あぁ。サジ。あんまり精霊に好かれると嫉妬するからね」
ルーンティルの言葉にサジタリスの頬が緩む。
「それはこっちのセリフだ。ルー」
なんだかんだで仲良しだとララと眺める。
ララがにゃあとお腹が重たそうにゆっくり歩く姿。
ハルシオへと渡す。
「妊娠とかかな。それとも、なにか悪い塊かな」
不安そうなハルシオに、いい子いい子と頭を撫でる。
「精霊医師じゃないからなんとも言えないけど、単なる肥満だよ」
「えっ!太るの?」
「むしろ精霊は太りやすい。うちの子たちも地上の食べ物は数日に一回で十分。人と違って消化が遅いんだよ。けど、美味しいからってねだって来る。基本は魔力供給で問題ないよ」
「へぇ。ララがお腹空いたって言うから上げてたんだけど」
ハルシオがララのお腹を揉めば、ララが視線をそらす。
無理に合わそうとするがひたすら目をそらす。
「ま、二、三日に一回って日付決めてご飯上げて、おやつ代わりに一日一口って決めてあげるといいよ」
「わかりました!」
ララがごはーんと鳴くが、駄目とハルシオが告げる。
ララの目の前に、ジャックウィリーが現れ、ララがごはーん。と飛びつく。
「!」
ぎゃあと叫びそうな勢いで家中を走り回りだすジャックウィリー。
「あーあー」
「うるせぇえ。かぼちゃあ」
サジタリスの飛び蹴りが入り、しかしララに頭を舐められているのに気づいて、申し訳なさそうに見る。
「ララ。めっ」
ようやくララを捕まえたハルシオ。
ララはしょんぼり肩を落とす。
「ジャックウィリー。おいで」
シクシクと泣きそうな様子でルーンティルの元へと来る。
「悪いけどララに向けたダイエットメニュー考えてもらっていい?」
死にたくないと言わんばかりに必死に上下に南瓜が動く。
ジャックウィリーは言いつけるようにサジタリスを示す。
「悪かったって」
「朝帰りにはうるさかったんだねぇ」
朝帰り。浮気だ!と騒ぎそうなジャックウィリーは、サジタリスにマントを捕まれ逆さまになる。
「深夜帯にしか出ないゴースト系の討伐に行ってたんだ。この南瓜が」
がたがたと許され、ごめんなさいと謝るように、かぼちゃが揺れる。
どうやって討伐したかはまた今度聞こうと頭の片隅に置いておく。
「ララは運動を増やすとして、それにしてもハルシオは大分ジャックウィリーに苦手意識、薄くなってきたね」
「なんかね。時々朝起きるとかぼちゃが机の上にあるの。なんかもう、驚くの疲れた」
「せっかくだから育ったかぼちゃを見せたいのか、慣れてほしいから置いているのか悩むな」
そういえばとジャックウィリーを開放しているサジタリスを見る。
「先生って、なんで、名前で呼ばないんですか?」
「呼ぶと魅了しちゃうからだよ。精霊に好かれやすい体質なんだよ」
ルーンティルが笑顔で答え、ほんと?と聞き返せば微笑みだけ帰ってくる。
サジタリスは特に返答もなく、ララを見下ろして、告げる。
「猫。ダイエットしろ。ダイエット」
ララは何も聞こえないとハルシオの膝の上に戻ってくる。
「ま、後は長い名前覚えられないってのもあるかもね」
「あー」
子供たちですらあだ名で呼んでいる上に時々、本名を思い出すのを苦労しているのを思い出す。
ルーンティルの本名すら覚えていないじゃないか疑惑が浮上している。
「あぁ。サジ。あんまり精霊に好かれると嫉妬するからね」
ルーンティルの言葉にサジタリスの頬が緩む。
「それはこっちのセリフだ。ルー」
なんだかんだで仲良しだとララと眺める。
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