龍は精霊の愛し子を愛でる

林 業

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精霊の願い

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ルーカスとプレゼントを選ぶ。
「神父様。エルフ君。お義姉様方。お義兄様。義父様。義母様、義弟妹様。施設の子たちへのケーキ」
ルークスと確認して、満足して荷物を眺める。
ケーキは複数のケーキ屋から届けてもらっている。
これは王族からの支援でもある。

後はルークス家族とサンムーンと、屋敷の使用人たちへ。

「今年は、どうし、よう」

毎年、ルークスたちにプレゼントを贈るのだが、リザベスから特別な時以外はケーキをお願いされている。
それで十分喜びますよ。と。

なのでそれぞれ好みを一ホールずつプレゼントするのだが彼女たちはその日のうちに食べきってしまうという。
竜の胃袋恐ろしい。
「ルー、クスたち、のケーキは、いつも、通り?」
「あ。妹が飴細工のケーキがいいって」
分かったと頷く。
ルークスの妹は毎回、いろんなリクエストをくれる。
甘えてくれているようで、流行を追うのはやはり女性だなぁと感じる。
「今年、飴細工、ケーキ、流行り?」
「らしいぞ。何年か研究してようやく今年開発されたらしいな」
力の強い竜が繊細な飴細工を取得するのはなかなか難しかっただろう。

せっかくなのでそちらへ予約に向かう。

飴細工のケーキを見て、素敵だと見つめる。
店主の嬉しそうな様子に、この努力を諦めなかったんだなぁとルークスの妹が好きそうな細工を探す。
「アレクが飴好きだから作ったんだろうけどな」

ルークスのボヤキはアレクサンドラには届かない。

アレクサンドラは飴一日一個を大人になっても未だに守り続けている。

そのために飴屋はいろんな方法でアレクサンドラに口にしてもらう方法を模索したうちの一つだろう。

「これ、我が家もそうしようかな」
ぽつりと呟くアレクサンドラにいいんじゃねと告げる。

「後で、執事さんと、相談する」
「その前に売り切れないようにな」
「いじわる」

ルークスのいたずらそうに笑う姿にアレクサンドラはそう返す。
アレクサンドラのためならまず売り切れることはないだろうけれど。
「あ」
これ好きそうと一つ予約する。

毎日歩くたびに飾り付けができている街並みを歩く。

今年はサンムーンに何を贈ろうかと探す。
「去年は何贈りあったんだ?」
「まんねんしつ。サンムーン、は、枕、くれた」
「あぁ」
「そろそろ革手袋へたってきてたしそれもありかな」
「あ、でも隊長ベルトがぼろになってきたって言ってたぞ」
「じゃあ。両方見る」
せっかくの情報源を聞きつつ、良さげなほうを買うことにする。


サンムーンはお城に戻ってきたアレクサンドラを腕に迎え入れる。
「お帰り」
「サンムーン。お仕事は?」
「今日は夜勤明けだから大丈夫だ」
満面の笑顔で告げ、そっかぁと眺める。
「ルークス。護衛は引き継ぐからお前は隊に戻っていいぞ」
「はい。ありがとうございます」
ありがとうとルークスにお礼を述べて、近くで控えていた護衛たちにもお礼を言って解散を感じる。

「今日は何してきたんだ?」
プレゼントを選んでたと返す。
最近、聖夜祭が近く、お城での催しのためサンムーンたちも手伝いに駆り出されているらしい。
そのため、今月に入って夜は一緒にいることが少ない。
一日一回は城には顔を出すので会えないということはないのだが、此処までベッタリしてくるのもお城の中では珍しい。

お疲れ様と手を伸ばして頬に触れる。
「んっ」
満足そうに笑うサンムーン。
「ちょっと一休みしたいから帰ろう。この間熱も出たばっかりだしな」
養父母様へ挨拶をと考えるが、今日は予定みっちりで無理だろうな。とサンムーンに言われて諦める。

家に帰ったサンムーンは昼間であるにも関わらず、アレクサンドラを抱き枕に寝ていた。

アレクサンドラも悪夢は見なかった。
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