ちっちゃい仲間とのんびりスケッチライフ!

ミドリノミコト

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依頼消化編

依頼内容

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 「いろいろ説明したいこともあるが、おそらくそれはノアがやってくれるだろう。俺からは依頼内容の説明だけさせてもらうぞ。」

 リッカ達と対面するように座ったグランの口から聞かされたのはそんな言葉。確かに同じような説明を何回もされてもタイチはともかくリッカは確実に飽きる。ある意味グランからの申し出はありがたかった。ここでも長たらしく説明をされてしまっては飽きて肝心な依頼内容が頭に入ってこない可能性がある。
 それ懸念していたリッカはほっとしたように肩を落とした。

 「あーよかったー。ここでまた長く説明されちゃったら僕眠っちゃうとこだったよ……」
 「こらリッカ!失礼だろ!」
 「まあまあ、それを察してたからギルマスもこう言ったんだから大丈夫だよ。ですよね?ギルマス。」
 「ああ。説明はヤダ、もう飽きてますって顔に書いてあったからな。それに、ある程度ノアが説明しているんだろう?」
 「ええ。まあある程度はしてますよ。さ、このくらいにして説明お願いします。」
 「了解した。」

 タイチとリッカのやり取りとノアの言葉にグランは苦笑いを零す。そんなに顔に出ていただろうかとリッカは首を傾げるが、特に気にはしない。説明するための依頼書だろうか、グランは書類を取り出してテーブルの上に置いた。

 「これがまず依頼書だ。これはこっちで管理しておくから依頼完了次第、またギルドのカウンターに来て報告してくれ。」
 「これはいつも道理ですね。で、肝心の依頼内容は?実は僕もあまり詳しくは聞かされていないんですよねー。ただ従魔に関係することとは聞いたんですけど……。」
 「よくわからないのに受けてたの?びっくりなんだけど。」
 「従魔関係ならリッカくんいるし、初めての依頼にちょうどいいかなって。なんだかんだタイチくんも従魔の扱いについて他とは認識が違うみたいだし。」
 「まあ、ずとリッカのそばに居れば嫌でも変わる……。」
 「それもそうだね。はい、続けてください。」
 「終わらないかと思ったぞ。まあ、いいのなら続けるが。」

 ノアに促されグランはそう呟いた。そのまま書類の方に視線を移し、咳ばらいをする。そのままスラスラと依頼内容を読み上げ始めた。

 「依頼はギルド経営の従魔保護所からのものだ。簡単に言うならば行方不明になった従魔探しだな。」
 「迷子ってことですか?」
 「迷子というよりも、その行方不明の従魔は依頼遂行中に亡くなってしまった冒険者たちの従魔なんだ。野に放すにも契約を解いてやらないと必要のない縛りを受けてしまうんだよ。命令なしで攻撃できない故の一方的な虐殺、とかな。」
 「人間に迷惑をかけてしまうかもしれないということを考えればそのままでもいいのでは?」
 
 タイチが首を傾げ尋ねる。確かに人間に害を及ぼすことを考えればそのままでいいのではとリッカも思うのだが、魔獣が好きなリッカとしては無抵抗に魔獣が殺されてしまうのは許せない気持ちもある。
 グランの返答は、とリッカが彼を見やればどうにもそのままではいけない理由があるというのが表情から理解できた。そのことにほっとする。

 「まあ、リッカが察してくれた通り、そういう訳にもいかない理由があるんだ。」
 「じゃなきゃ依頼も出ないだろうしね。」
 「ノアの言う通りだ。……行方不明になった従魔たちの中には人の役に立ってくれている従魔や、人間に害を及ぼさない個体数の少ない従魔もいるんだ。その子たちをむざむざ殺させるには惜しい。それに、その稀少性から絶滅させるわけにはいかない。だからこその依頼だ。」
 「なるほどねー……確かに、タイチのローリアみたいに珍しい子もいるもんね。それを考えたら契約主が死んでも契約が解除されない以上、誰かが解除してあげないと抵抗もできないし。数が増えれば増えるだけ絶滅の可能性も増えるもんね。」
 「……保護しなきゃいけない従魔は何か目印があるんですか?」

 納得したのだろう。タイチは別の質問を繰り出す。自分が契約している従魔が幸運兎ラッキークロ―リクであることも関係するだろう。幸運兎ラッキークロ―リクのローリアは魔獣の中で最も個体数が少ないと言ってもいい。そんな魔獣を従魔にしているタイチにも思うところがあったのだとリッカは心の中で思う。
 しかしタイチの質問はもっともで、スカーフや首輪などの目印が無ければ見分けがつかない。街の中では誤射防止の目印をつけていても、身体が大きくて厩舎に預けてある従魔や、街の外では外している従魔も一定数はいる。誤射防止というだけあって、従魔だろうがあまり魔獣に対していい印象を抱いていない冒険者が多いことから、この依頼を受ける冒険者もいなかったのだろう。

 「それがな、一応誤射防止の目印が基本にはなるんだが……。」
 「……それって、つけてない従魔はどうすればいいんですか?」
 「それをチェックする魔道具がある。あるにはあるが、作動させるのもその従魔の血か魔力が必要なんだ……。」
 「……グランさん、一個言っていいですか?」
 「なんだ、リッカ。」
 「この依頼、めちゃくちゃ難易度高くないです?」
 「……まあ。」

 言い辛そうに肯定したグランに、リッカはさっとノアの方を見た。依頼を選んだのはノアである。正直いって、この依頼はかなり難易度が高い。どの従魔を探してきてほしいのかにもよるのだが、行方不明になっている従魔(仮)を捕まえてその魔獣の魔力を通すなり血を垂らすなりして判別をし、該当する魔獣であれば保護して連れ帰るという依頼なのだ。いくら従魔になっているとは言え、下手すれば野良の魔獣を相手にすることになる。

 「ごめんよ、まさかこんな内容とは……。」
 「内容が内容だけにこの依頼に関してはやめることもできるが……どうする?」
 「正直難易度がかなり高いし、デビューにしては重い気がするんだけど……。」
 「……俺は、リッカがいいのなら別にそのままでもいいんだが、」

 三者三様の反応だ。とりあえず、一つだけ言うならば難易度が高いというのは普通の冒険者の話である。リッカの場合、その体質や魔力は魔獣に好かれるもの。正気さえ失っていなければどうとでもなる。リッカは、諦めたように小さく息をついた。

 「……あー、うん。まあ、何とかなるんじゃないかな。」

 こうして、行方不明の従魔保護の依頼を受けることとなったのだった。


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