19 / 25
当日 朝②
しおりを挟む
何となく縁起の良い七番ロッカーに貴重品以外の荷物を入れ、急いで朋美ちゃんの元に戻った僕は、気付いてしまった。今日初めてちゃんと朋美ちゃんの事を見た、と。
なんという可愛さだ。
目を奪われ、呼吸を忘れる。
「徹くん?」
しまった! 固まっていた!
涼太が言ってた事を思い出せ!
『良いと思った事は直球で伝える。嫌だと思った事はめっっちゃ下手に腰を低く伝える。それが正しいモブ男子の在り方だ。忘れるな! 自分がモブ男子だということを!』
ちょっと待て、だれがモブ男子だ!
だけど今は言う事を聞くしか無い!
「ああ! ごめん。なんかさっきは驚きすぎてちゃんと見てなかったけど、今日の朋美ちゃんも凄く可愛いなって思って……て、思って……思っ……」
ぐひぃ! 恥ずかしいいい! 合ってる? 本当に合ってるのこれ!? チャラ男みたいになってない!?
「えっ!? あ、あは! ありがとう、この服、私もお気に入りなんだよね、可愛いでしょ? へへ」
咄嗟に服を褒めた感じに軌道修正してみせた朋美ちゃんだけど、その可愛らしい耳は見る見るうちに真っ赤に染まっていく。
もちろん僕の耳も真っ赤だろう。見なくても分かる。
心臓はドンドンと重低音を発しているし、今にも口から虹を出せそうな感じがする。
「あ、うん! 凄く、似合ってます」
「えっと、じゃあ、歩こうか」
「そ、そうだね!」
慣れない余計な事を言った所為で、めちゃくちゃ緊張してきたんだけ――
「ふふっ」
え? 急な笑顔。可愛い。こんな可愛い人の横に僕如きモブ男が居てごめんなさい。でも付き合いたいです。
「どうしたの?」
「徹くん『フィアー!』って言ってたもんね? きっと、心の底から恐怖を感じたんだよね」
思い出し笑いでした。
「そう、まさに恐怖で……って、ちょっと! あれはもう忘れて! めっちゃ恥ずかしかったし、ウォーキングしてた人に睨まれて怖かったし!」
「あはは! 確かに、あのウォーキングしてた人もフィアーだったね」
「ぷはっ! うん! 怖すぎてめっちゃ謝っといた!」
それから僕達は【サウンド・ワン】での事や昨日の話、たまに敬語になるけどあれは何? とか、他愛もない話をしながら広い敷地を歩いた。
途中で聞いたけど、朋美ちゃんは北海道出身らしくスケートは初めてでは無いとか。というか、北海道では幼稚園からスケート授業なるものがあるらしい。本当かな?
僕? もちろん初めてだ。
でも昨日からプロスケーター達の動画を見漁ってきたので、イメージだけは完璧だ。
時間が経つごとに行き交う人も増えてくると、通りすがりざまに朋美ちゃんに視線を送る人が何人もいた。
朋美ちゃん本人は慣れてるのか、気付いて無いのかな? と思うほど全く気にしてない様子でお喋りをしていたけど、僕にはその人たちの気持ちが分かる。
だって――この娘何者だろう。
って考えちゃうくらい可愛いもんね。
もしかしたら 《え? 横の男、彼氏? ないないない、友達か親戚だろ》 とか思われてるかも。仕方ないけど。
神様、超能力なんて要らないので、どうか朋美ちゃんとお付き合いさせて下さい! お願いします!
◇◇◇
◇◇
◇
時刻は午前九時四十分。
なんという可愛さだ。
目を奪われ、呼吸を忘れる。
「徹くん?」
しまった! 固まっていた!
涼太が言ってた事を思い出せ!
『良いと思った事は直球で伝える。嫌だと思った事はめっっちゃ下手に腰を低く伝える。それが正しいモブ男子の在り方だ。忘れるな! 自分がモブ男子だということを!』
ちょっと待て、だれがモブ男子だ!
だけど今は言う事を聞くしか無い!
「ああ! ごめん。なんかさっきは驚きすぎてちゃんと見てなかったけど、今日の朋美ちゃんも凄く可愛いなって思って……て、思って……思っ……」
ぐひぃ! 恥ずかしいいい! 合ってる? 本当に合ってるのこれ!? チャラ男みたいになってない!?
「えっ!? あ、あは! ありがとう、この服、私もお気に入りなんだよね、可愛いでしょ? へへ」
咄嗟に服を褒めた感じに軌道修正してみせた朋美ちゃんだけど、その可愛らしい耳は見る見るうちに真っ赤に染まっていく。
もちろん僕の耳も真っ赤だろう。見なくても分かる。
心臓はドンドンと重低音を発しているし、今にも口から虹を出せそうな感じがする。
「あ、うん! 凄く、似合ってます」
「えっと、じゃあ、歩こうか」
「そ、そうだね!」
慣れない余計な事を言った所為で、めちゃくちゃ緊張してきたんだけ――
「ふふっ」
え? 急な笑顔。可愛い。こんな可愛い人の横に僕如きモブ男が居てごめんなさい。でも付き合いたいです。
「どうしたの?」
「徹くん『フィアー!』って言ってたもんね? きっと、心の底から恐怖を感じたんだよね」
思い出し笑いでした。
「そう、まさに恐怖で……って、ちょっと! あれはもう忘れて! めっちゃ恥ずかしかったし、ウォーキングしてた人に睨まれて怖かったし!」
「あはは! 確かに、あのウォーキングしてた人もフィアーだったね」
「ぷはっ! うん! 怖すぎてめっちゃ謝っといた!」
それから僕達は【サウンド・ワン】での事や昨日の話、たまに敬語になるけどあれは何? とか、他愛もない話をしながら広い敷地を歩いた。
途中で聞いたけど、朋美ちゃんは北海道出身らしくスケートは初めてでは無いとか。というか、北海道では幼稚園からスケート授業なるものがあるらしい。本当かな?
僕? もちろん初めてだ。
でも昨日からプロスケーター達の動画を見漁ってきたので、イメージだけは完璧だ。
時間が経つごとに行き交う人も増えてくると、通りすがりざまに朋美ちゃんに視線を送る人が何人もいた。
朋美ちゃん本人は慣れてるのか、気付いて無いのかな? と思うほど全く気にしてない様子でお喋りをしていたけど、僕にはその人たちの気持ちが分かる。
だって――この娘何者だろう。
って考えちゃうくらい可愛いもんね。
もしかしたら 《え? 横の男、彼氏? ないないない、友達か親戚だろ》 とか思われてるかも。仕方ないけど。
神様、超能力なんて要らないので、どうか朋美ちゃんとお付き合いさせて下さい! お願いします!
◇◇◇
◇◇
◇
時刻は午前九時四十分。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
春に狂(くる)う
転生新語
恋愛
先輩と後輩、というだけの関係。後輩の少女の体を、私はホテルで時間を掛けて味わう。
小説家になろう、カクヨムに投稿しています。
小説家になろう→https://ncode.syosetu.com/n5251id/
カクヨム→https://kakuyomu.jp/works/16817330654752443761
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる