激しくしても良いのに

面蛸とおる

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相思相愛の鏡と姫

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「遅いぞ雪白、この俺を待たせるとはな」

「へぇっ!? テスカトルさん!! どうして私の部屋に?」

「お前…そんなの雪白に逢いたいからに決まっているだろう!! それに先ほど憂いをおびた顔で俺のモノを見ていたからな」

まさか、自分が今悩んでる要因でもある人物が赤いメンダコモチ触感クッションで占拠されているはずの私のベットの上にあぐらをかいて、メンダコクッションを優しくポンポンと叩きながら。

金のような銀の髪に彩りを足すかのように、黄色と黒の斑模様のジャガーの耳をはやして、本来の姿で居てくれたので。

私はすぐさま彼の腰あたりに視線を向けて、黄色と黒の縞模様の尻尾がないかを確認しながら。

ふさふさとさわり心地のよさそうな尻尾にめがけて、何も言わずに飛びつけば。

「なっ…雪白!? まったく、この姿に戻ったらすぐに俺の尻尾に飛びつくなよ…。そんなに好きか?」

「はい、大好きですよ。だってやわらかくて、もふもふしますもの。それに人間のふりをするテスカトルさんより、今のけもみみモードのあなたのが落ち着くので」

「…この姿は唯の枷なのだが、でも雪白がそう言ってくれるのなら嬉しいかぎりだ。なんせ、昔は悪魔として嫌悪されたし、神としても恐れられた…。まあ仕方がないさ、俺はそれだけ完璧なのだから」

テスカトルさんはそうどこか遠い昔を思い出すように答えるので。
私は今日言われたランゼルトさんの言葉が本当なのか気になってしまい、あぐらをかいて座るテスカトルさんのすぐ隣で、きっちりと足を揃えて座りなおしながら。

「その…完璧だからって、星の管理者としてですか?」

「ああ? 何をいう? そうだ星の管理者としてだ、それ以外に何がある」

「…完璧だから、人類を殺すのも、生かすのも平気ですか?」

「誰からそれを聞いた、何故俺の役割をお前が知っているのだ」

私の質問にテスカトルさんはすごく苦々しい顔をみせて、答えるので。

「すみません、ランゼルトさんに今日その…教えていただいて…」

「ランゼルトだと…なるほど。アイツはかなり真面目だから、嘘偽りなく話したんだな…。嗚呼くそ、だが…アイツが言ったことは本当だ」

「…」

「俺は創造と破壊、遠い昔…ここより離れた土地では。テスカトリポカとして崇められた最も強大で最も恐れられた者だ。だから人間など容易く殺すし、容易く助けもする…俺はそいう存在だ」

テスカトルさんは言い放つように言いながら、私の目をじっと赤い目で見つめるので。

「それが貴方なのですね…私、ずっと優しい人だと思いこんでいたのですが。よくよく考えれば、三さんを生け贄にして殺そうと思ってた人がとっても人間に優しいなんて…あるわけないですね」

「雪白…こんな俺は嫌いか?」

「いえ、嫌いになんかなれませんよ。だってテスカトルさんはレイプされそうだっ私をあの森で助けてくださった方ですもの。それに今はそんな恐ろしい事はなさらないですよね?」

「嗚呼、もちろんだ。今はしないさ…今はな」

「なら良いのです。過去は過去ですもの…だから雪白は貴方を嫌いになんかなりません。むしろ変わらずに愛しております」

私はそう嬉しそうに笑って言いながら、テスカトルさんの体に抱きつけば。

「雪白俺も愛してるよ…こんな俺を受け入れてくれて、ありがとう」

「いえ、こちらこそありがとうございます。だからその王子様のようにキスしてくれませんか?」

「おいおい、俺は鏡だぞ? 鏡が白雪姫にキスなどしたら…女王様が怒るぞ? なんて…そんな冗談はおいといて」

テスカトルさんはそう意地悪く、少し笑いながら答えつつ。

私のリンゴのように赤い唇に優しい口づけを数回落としてくるので。
それを受け入れながら、背中に腕を回して。

どんどん激しくなる前に…。

「テスカトルさん? 私をたべて」と小悪魔のように囁けば。

「…良いだろう。美味しくたべてやる」と獰猛な獣の目つきを見せて返してくるので。

まだ触れるだけの口づけに余裕をみせながら、着ている制服のシャツのボタンを外した。
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