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面蛸とおる

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第二章極夜の世界で温かな…

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「…アキツシマは私をそう思っていてくれていたのか、
そうか…なら仕方がないな」

と言いながら私の手をとって、眠り姫を連れ去る王子様のように私をベットから起こし。

続けてこう誘うように笑って、

「さあ愛しき人よ…お前も私と同じようになるのだ」

と甘く歌うように、囁くので。

私は彼の歌にあわせるような声音で、

「私も貴方と同じように…ああなんて、幸せな朝なのでしょうか」

とミュージカルのように言えば。

ランゼルト様はそんな私の反応をみてクスクスと笑い。

「おいおいそこまで、しなくても良いのだぞ?」

と幸せそうな顔を見せながら、白色の防寒着を私に渡してくれたので。

「…もう、そんな顔で笑わないでくださいよ。嗚呼っ…もう恥ずかしい」と、

顔を真っ赤にさせながら私はそう言って、着替えるために今いる寝室から飛び出し。
ドームの中にあるシャワー室へと向かい。

昨晩彼につけられた愛の証を、ゆっくりと綺麗に落としながら。

心の中で、夢見る物語の主人公のように。

(今日もランゼルト様の愛の証がいっぱい降り注ぎますように…)

と願ってからシャワーを止め、ゆっくりとした歩みで脱衣所にむかいながら。

「…私たちは一体何処にいくのでしょうか…ほんと気になります…だって、
今日見た不思議な夢は、想像絶する程悲劇的で、あんまりにも不幸すぎて…」と、

そう自分にしか聞こえない声で語るように呟いてから。

ランゼルト様から渡された服の袖に手をとおし、
この街の外に吹くブリザードにも勝てるような暖かさのあるコートを羽織りながら着替えて。


─先程からずっと待たせているランゼルト様の元へ、急ぐように走りながら向かい。


「すみません…お待たせしてしまって」

と詫びるように言いながら、ランゼルト様の目を見て言えば。

「いや、それ程待ってはいないぞ…あとその姿も、とても素敵だ…実に良い」

と私の目を見てそうランゼルト様は言ってくれたので。

「本当ですかっ…嬉しい」

と私はそう返しながら、彼の手を掴んで甘えると…。


ランゼルト様は私の頭を数回優しく撫でながら、

「では、行こうかアキツシマ…。
今からお前をこの街で唯一の温泉施設に連れていってやろう」

と強く宣言してから、私を導くかのように歩き出し、
全身が氷つくような寒さにまで冷えた街を、急ぐように走りぬけて…。


まだ見ぬ、極夜の世界の温泉施設へ連れていってくれたので。


私はその施設に着いた途端に、いつもよりはしゃいでしまい。

「ラ、ランゼルト様っ…!!  こ、これはなんですかっ…!! こんな施設初めてです」と、

かなり浮かれた子供のように言えば。




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