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第一話 脅迫された悪役令息は初恋に溺れる
03-7.
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……受け取れば、Subとして生きることになる。
首輪を身に付けてしまえば、ディーンはDomとして生きることはできない。アレンがディーンを手放すとは考えにくく、ディーンもアレンの元を立ち去ることはできないだろう。
手のひらに乗せられた箱に視線を落とす。
それを拒絶することはできなかった。
それどころか、アレンのSubとして生きていける証拠を手に入れたようで心が弾む。
「……もらってやるよ」
ディーンは可愛くない言葉を口にした。
素直に嬉しいと表現することができない。
今までDomとして生きてきた影響なのか。元々の性格によるものなのか。素直ではないディーンに対し、アレンは嬉しそうに口角を緩めた。
「気に入ると思う」
「さあな。気に入らなかったら、新しいのを準備しろよ」
「わかった。山のようにあるから好きなのを選べ」
アレンの言葉を聞き、ディーンは目を細めた。
……ストーカー。
頭を過った言葉を否定できない。
言葉を交わしただけで喧嘩になっていた日々を思い出す。
……兄上が気を付けろと言っていたのは、アレンのことだったのか。
まともに会話をしたのは昨日が初めてだった。
それなのにもかかわらず、アレンはディーンのことを誰よりも知っていた。
「……俺の好みを知りすぎてないか?」
「当然だ」
「いや。……あぁ、そう。大公家の情報網を使えば、俺の情報くらい手に入れられるよな」
ディーンは詳しいことを聞くのを止めた。
……いつから準備してたんだろうな。こいつ。
蓋を開けてみれば、中に入っているのは黒色の首輪だ。
服と合わせやすいように無難な色ではあるものの、遠目では首輪だとわからないデザイン性の凝った作りになっている。
箱の中から首輪を取り出し、眺める。
市場に流通しているものではなく、アレンがディーンの為に作らせたものなのだろう。首輪の内側にはアレンとディーンの名前が書かれていた。
首輪を身に付けてしまえば、ディーンはDomとして生きることはできない。アレンがディーンを手放すとは考えにくく、ディーンもアレンの元を立ち去ることはできないだろう。
手のひらに乗せられた箱に視線を落とす。
それを拒絶することはできなかった。
それどころか、アレンのSubとして生きていける証拠を手に入れたようで心が弾む。
「……もらってやるよ」
ディーンは可愛くない言葉を口にした。
素直に嬉しいと表現することができない。
今までDomとして生きてきた影響なのか。元々の性格によるものなのか。素直ではないディーンに対し、アレンは嬉しそうに口角を緩めた。
「気に入ると思う」
「さあな。気に入らなかったら、新しいのを準備しろよ」
「わかった。山のようにあるから好きなのを選べ」
アレンの言葉を聞き、ディーンは目を細めた。
……ストーカー。
頭を過った言葉を否定できない。
言葉を交わしただけで喧嘩になっていた日々を思い出す。
……兄上が気を付けろと言っていたのは、アレンのことだったのか。
まともに会話をしたのは昨日が初めてだった。
それなのにもかかわらず、アレンはディーンのことを誰よりも知っていた。
「……俺の好みを知りすぎてないか?」
「当然だ」
「いや。……あぁ、そう。大公家の情報網を使えば、俺の情報くらい手に入れられるよな」
ディーンは詳しいことを聞くのを止めた。
……いつから準備してたんだろうな。こいつ。
蓋を開けてみれば、中に入っているのは黒色の首輪だ。
服と合わせやすいように無難な色ではあるものの、遠目では首輪だとわからないデザイン性の凝った作りになっている。
箱の中から首輪を取り出し、眺める。
市場に流通しているものではなく、アレンがディーンの為に作らせたものなのだろう。首輪の内側にはアレンとディーンの名前が書かれていた。
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