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第一話 墓参りは姉弟の縁を結び直す
03-13.
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「珍しいのぉ。休みは来ねえんじゃなかったのか?」
伊織の倍以上の身長を屈めながら、声をかけてきた鬼を見上げる。
「暁丸。若頭を知らねえか? 報告しねえといけないことがあるんだが」
伊織は背が高いことを気にしている彼、暁丸を見上げながら要件を告げた。
……暁丸に会えたのは運が良かった。
暁丸は伊織の兄貴分だ。春日に拾われた元人間の鬼の一人であり、伊織を実の弟のように可愛がっている。
「若頭ねぇ。……今朝、酒を買いに行くって出て行ったきりだなぁ」
「今度はどこまで行ったんだ?」
「さあなぁ。子分どもを引き連れて行ったから、南の方まで行ったんじゃねえか? あの様子じゃあ、少なくとも一か月は帰ってこねえな」
暁丸の言葉を聞き、伊織は露骨なまでに肩を落とした。
……一か月で帰ってくれば良い方か。
鬼頭自警団の若頭は、頭領の息子である。頭領によく似て才能はあるのだが、酒の誘惑に弱く、度々お気に入りの部下を引き連れて酒を求めて遠出をする。一度、遠出をすれば、なかなか帰ってこない。
「補佐役の俺でよければ話を聞いてやるが。お前さんが頭を抱えてるなんて珍しいからなぁ」
「酒の肴にするつもりだろうが」
「そりゃあそうだ。伊織が悩んでる顔を見るのはおもしれえからなぁ」
暁丸は春日が統括する若衆の中でも出世頭だ。
若頭の補佐役に抜擢されて数十年しか経っていないが、彼ほどに若頭から信頼を置かれている部下はいないと言われている。遠慮なく鬼頭自警団の留守を開けられるのも、暁丸が若頭の仕事を代わりにこなしてくれると信じているからだろう。
……暁丸でもいいか。
酒の肴にされるのは諦めた。
召集がかけられない限り、鬼頭自警団の建物に近寄ろうともしない伊織が自らの意思でやってきたのだ。それだけで酒が美味くなるというものだろう。
「半妖を見つけたもんでな。保護をしてほしい」
伊織の言葉を聞き、暁丸はつまらなそうな顔をした。
「半妖? これまた珍しくもねえ案件だなぁ」
鬼頭自警団には半妖も多く出入りをしている。
行き場のなくした鬼たちが互いの安全を守る為に集う場所だ。半妖もまた入り込みやすい居場所でもあった。
伊織の倍以上の身長を屈めながら、声をかけてきた鬼を見上げる。
「暁丸。若頭を知らねえか? 報告しねえといけないことがあるんだが」
伊織は背が高いことを気にしている彼、暁丸を見上げながら要件を告げた。
……暁丸に会えたのは運が良かった。
暁丸は伊織の兄貴分だ。春日に拾われた元人間の鬼の一人であり、伊織を実の弟のように可愛がっている。
「若頭ねぇ。……今朝、酒を買いに行くって出て行ったきりだなぁ」
「今度はどこまで行ったんだ?」
「さあなぁ。子分どもを引き連れて行ったから、南の方まで行ったんじゃねえか? あの様子じゃあ、少なくとも一か月は帰ってこねえな」
暁丸の言葉を聞き、伊織は露骨なまでに肩を落とした。
……一か月で帰ってくれば良い方か。
鬼頭自警団の若頭は、頭領の息子である。頭領によく似て才能はあるのだが、酒の誘惑に弱く、度々お気に入りの部下を引き連れて酒を求めて遠出をする。一度、遠出をすれば、なかなか帰ってこない。
「補佐役の俺でよければ話を聞いてやるが。お前さんが頭を抱えてるなんて珍しいからなぁ」
「酒の肴にするつもりだろうが」
「そりゃあそうだ。伊織が悩んでる顔を見るのはおもしれえからなぁ」
暁丸は春日が統括する若衆の中でも出世頭だ。
若頭の補佐役に抜擢されて数十年しか経っていないが、彼ほどに若頭から信頼を置かれている部下はいないと言われている。遠慮なく鬼頭自警団の留守を開けられるのも、暁丸が若頭の仕事を代わりにこなしてくれると信じているからだろう。
……暁丸でもいいか。
酒の肴にされるのは諦めた。
召集がかけられない限り、鬼頭自警団の建物に近寄ろうともしない伊織が自らの意思でやってきたのだ。それだけで酒が美味くなるというものだろう。
「半妖を見つけたもんでな。保護をしてほしい」
伊織の言葉を聞き、暁丸はつまらなそうな顔をした。
「半妖? これまた珍しくもねえ案件だなぁ」
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行き場のなくした鬼たちが互いの安全を守る為に集う場所だ。半妖もまた入り込みやすい居場所でもあった。
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