BLゲームの展開を無視した結果、悪役令息は主人公に溺愛される。

佐倉海斗

文字の大きさ
15 / 38

02-10.

しおりを挟む
「……物事には順番というものがあります」

 レイドは冷静を装いながら話を進める。

 ……かわいい。

 性行為をしたくないわけではない。

 レイドも男である。かわいいと本気で思っている恋人兼婚約者からお誘いをされて、拒絶をするのもどうかしていると思っている。しかし、昨日、告白されたばかりなのだ。

 レイドには勇気がなかった。
 なによりも経験がなかった。

「真面目な交際をしたのちに、そういうことをする機会もあると思います」

「僕は真面目に言っているよ?」

「そういうわけではなくてですね。……正直に言いますと、俺の心の準備ができてないんです」

 レイドは正直者だった。嘘を吐かない真面目な性格をしている。

 幼少期こそ不真面目な子どもであったが、学院に入学をした際に真面目な好青年を目指して努力を重ねてきたのだ。その結果、嘘をつけなくなった。

「セドリック様に傷を負わせるわけにはいきません。教本通りに進められる自信もありません。なので、しばらく、お時間をいただけないでしょうか」

 レイドの言葉を聞き、セドリックは瞬きをした。

「なにを言っているの?」

 セドリックはかわいらしく首を傾げた。

「受け身になるのはレイドだよ」

「え?」

「当たり前じゃない。僕はレイドを抱きたくてしかたがないんだから」

 セドリックはレイドの手を掴んだ。

 それをセドリックの股間の上に置く。存在を主張するかのように盛り上がっていた。

「わかる? レイドを前にすると、やりたくてしかたがないの」

「え? あ、えっと。……手を離してもらえませんか?」

 レイドは戸惑っていた。

 男同士だ。当然、股間の盛り上がりがなにを意味しているのか、すぐに理解できた。

「気持ち悪いの?」

 セドリックは自嘲した。

 それに対し、レイドは首を左右に振るう。

「違います! 心の準備ができていないだけです!」

 レイドはすぐに否定した。

 その言葉を聞き、安心したのか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冷酷無慈悲なラスボス王子はモブの従者を逃がさない

北川晶
BL
冷徹王子に殺されるモブ従者の子供時代に転生したので、死亡回避に奔走するけど、なんでか婚約者になって執着溺愛王子から逃げられない話。 ノワールは四歳のときに乙女ゲーム『花びらを恋の数だけ抱きしめて』の世界に転生したと気づいた。自分の役どころは冷酷無慈悲なラスボス王子ネロディアスの従者。従者になってしまうと十八歳でラスボス王子に殺される運命だ。 四歳である今はまだ従者ではない。 死亡回避のためネロディアスにみつからぬようにしていたが、なぜかうまくいかないし、その上婚約することにもなってしまった?? 十八歳で死にたくないので、婚約も従者もごめんです。だけど家の事情で断れない。 こうなったら婚約も従者契約も撤回するよう王子を説得しよう! そう思ったノワールはなんとか策を練るのだが、ネロディアスは撤回どころかもっと執着してきてーー!? クールで理論派、ラスボスからなんとか逃げたいモブ従者のノワールと、そんな従者を絶対逃がさない冷酷無慈悲?なラスボス王子ネロディアスの恋愛頭脳戦。

当て馬的ライバル役がメインヒーローに喰われる話

屑籠
BL
 サルヴァラ王国の公爵家に生まれたギルバート・ロードウィーグ。  彼は、物語のそう、悪役というか、小悪党のような性格をしている。  そんな彼と、彼を溺愛する、物語のヒーローみたいにキラキラ輝いている平民、アルベルト・グラーツのお話。  さらっと読めるようなそんな感じの短編です。

寄るな。触るな。近付くな。

きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。 頭を打って? 病気で生死を彷徨って? いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。 見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。 シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。 しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。 ーーーーーーーーーーー 初めての投稿です。 結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。 ※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。

【完結】義妹(いもうと)を応援してたら、俺が騎士に溺愛されました

未希かずは(Miki)
BL
第13回BL大賞 奨励賞 受賞しました。 皆さまありがとうございます。 「ねえ、私だけを見て」 これは受けを愛しすぎて様子のおかしい攻めのフィンと、攻めが気になる受けエリゼオの恋のお話です。 エリゼオは母の再婚により、義妹(いもうと)ができた。彼には前世の記憶があり、その前世の後悔から、エリゼオは今度こそ義妹を守ると誓う。そこに現れた一人の騎士、フィン。彼は何と、義妹と両想いらしい。まだ付き合えていない義妹とフィンの恋を応援しようとするエリゼオ。けれどフィンの優しさに触れ、気付けば自分がフィンを好きになってしまった。 「この恋、早く諦めなくちゃ……」 本人の思いとはうらはらに、フィンはエリゼオを放っておかない。 この恋、どうなる!? じれキュン転生ファンタジー。ハピエンです。 現在番外編を連載中。 リナルド×ガルディア。王族と近衞騎士の恋。 ――忠誠を誓った相手を、愛してはいけないと思っていた。切ない身分差、年の差の恋。恋の自覚は、相手が成人してからになります。

イスティア

屑籠
BL
ゲームの世界から、ログインした途端異世界に落ちた大島和人。 平凡よりはブサイクよりな彼は、ONIの世界では中間クラスの錬金術師だと思っていて、それなりに薬を作ってそれなりに生きていければ良いや、と思っている。 とりあえず、息抜きに書いていく感じなので更新はまちまちで遅いです。月一更新が目安です。 10話毎に、ムーンライトノベルさんで更新することにしました。 こちらは、変わらず月一目安更新です。 壱話、8000〜10000字です。

死に戻りした僕を待っていたのは兄たちによる溺愛モードでした

液体猫(299)
BL
1回の投稿につき1000~1500文字ほどになります。 現在新表紙イラスト作成中につき、代用品のおみくじとなっています。 【主人公(クリス)に冷たかった兄たち。だけど巻き戻した世界では、なぜかクリスを取り合う溺愛モードに豹変してしまいました】  アルバディア王国の第五皇子クリスが目を覚ましたとき、十三年前へと戻っていた。  前世でクリスに罪を着せた者への復讐は『ついで。』二度目の人生の目的はただ一つ。前の世界で愛し合った四男、シュナイディルと幸せに暮らすこと。  けれど予想外なことに、待っていたのは過保護すぎる兄たちからの重たい溺愛で……  やり直し皇子、クリスが愛を掴みとって生きていくコミカル&ハッピーエンド確定物語。  第三章より成長後の🔞展開があります。 ※濡れ場のサブタイトルに*のマークがついてます。冒頭、ちょっとだけ重い展開あり。 ※若干の謎解き要素を含んでいますが、オマケ程度です! *諸々の事情により第四章の十魔編以降は一旦非公開にします。十魔編の内容を諸々と変更いたします。

【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました

ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。 タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。

異世界転生先でアホのふりしてたら執着された俺の話

深山恐竜
BL
俺はよくあるBL魔法学園ゲームの世界に異世界転生したらしい。よりにもよって、役どころは作中最悪の悪役令息だ。何重にも張られた没落エンドフラグをへし折る日々……なんてまっぴらごめんなので、前世のスキル(引きこもり)を最大限活用して平和を勝ち取る! ……はずだったのだが、どういうわけか俺の従者が「坊ちゃんの足すべすべ~」なんて言い出して!?

処理中です...