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02-17.
「それでも選びたいの」
セドリックはベッドから降りた。
それから、レイドの手を握り、部屋の右側にある衣裳部屋に向かう。
「レイドは濃い緑色が似合うと思うんだよね」
セドリックはご機嫌だった。
レイドと手を繋ぎ、理想の色を語る。
「緑色のものは持っていませんが」
「ほんとうに? それなら、僕がプレゼントしてあげるね」
「ありがとうございます。なにかの記念日にお待ちしております」
レイドは淡々と返事をした。
手を繋ぐだけでも緊張をしていた。
「毎日が記念日だよ?」
セドリックはそう言いながら、衣裳部屋の扉に手をかけた。
「だって、昨日は付き合った記念日。今日は同棲初日の記念日でしょ?」
「では誕生日だけでお願いします」
「そんなのつまらないよ! せっかくなんだから、楽しまないと!」
セドリックは頬を膨らめて抗議した。
それから衣裳部屋に入っていく。自動で灯りがつき、部屋の中の服がよく見える。
「……緑色が綺麗ですね」
レイドはセドリックの顔をまじまじと見つめ、小さな声で呟いた。
緑色はセドリックの目の色だ。自身の色を身に付けてほしかったのだろう。
「そうでしょ? 僕の自慢なんだ」
セドリックは嬉しそうに笑った。
皇族は金髪碧眼だ。セドリックの緑色の目とは違い、青色のことが多い。
「ママ譲りの色なんだよ。素敵でしょ?」
「はい。とても素敵だと思います」
「えへへ。ありがとう」
セドリックは母を誇りに思っていた。
学院に通わせるために必死に働く母の姿を見て育ってきたのだ。皇帝陛下の養子となり、第六皇子の称号を与えられた今となっては二度と会うことが許されない存在だ。
「ママには会えないけどね。きっと、新聞を読んで喜んでくれているよ」
セドリックは悲し気な顔をした。
「だって、僕を一番に応援してくれるのはママだもの」
二度と会えないとわかっていた。
それでも、皇族になる道を選んだのは初恋を叶える為だった。そのことを母親に相談したことを思い出していた。
セドリックはベッドから降りた。
それから、レイドの手を握り、部屋の右側にある衣裳部屋に向かう。
「レイドは濃い緑色が似合うと思うんだよね」
セドリックはご機嫌だった。
レイドと手を繋ぎ、理想の色を語る。
「緑色のものは持っていませんが」
「ほんとうに? それなら、僕がプレゼントしてあげるね」
「ありがとうございます。なにかの記念日にお待ちしております」
レイドは淡々と返事をした。
手を繋ぐだけでも緊張をしていた。
「毎日が記念日だよ?」
セドリックはそう言いながら、衣裳部屋の扉に手をかけた。
「だって、昨日は付き合った記念日。今日は同棲初日の記念日でしょ?」
「では誕生日だけでお願いします」
「そんなのつまらないよ! せっかくなんだから、楽しまないと!」
セドリックは頬を膨らめて抗議した。
それから衣裳部屋に入っていく。自動で灯りがつき、部屋の中の服がよく見える。
「……緑色が綺麗ですね」
レイドはセドリックの顔をまじまじと見つめ、小さな声で呟いた。
緑色はセドリックの目の色だ。自身の色を身に付けてほしかったのだろう。
「そうでしょ? 僕の自慢なんだ」
セドリックは嬉しそうに笑った。
皇族は金髪碧眼だ。セドリックの緑色の目とは違い、青色のことが多い。
「ママ譲りの色なんだよ。素敵でしょ?」
「はい。とても素敵だと思います」
「えへへ。ありがとう」
セドリックは母を誇りに思っていた。
学院に通わせるために必死に働く母の姿を見て育ってきたのだ。皇帝陛下の養子となり、第六皇子の称号を与えられた今となっては二度と会うことが許されない存在だ。
「ママには会えないけどね。きっと、新聞を読んで喜んでくれているよ」
セドリックは悲し気な顔をした。
「だって、僕を一番に応援してくれるのはママだもの」
二度と会えないとわかっていた。
それでも、皇族になる道を選んだのは初恋を叶える為だった。そのことを母親に相談したことを思い出していた。
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