呪われた少女は強面陰陽師の嫁になる

佐倉海斗

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第一話 青龍寺家の呪われた子

04-3.

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「中卒で働いていたのか?」

「いいえ」

「では、引きこもっていたのか?」

 義孝は首を傾げた。

 義孝は四年制大学を卒業している。それは陰陽師になるためだった。

「掃除と洗濯、炊飯をしておりました」

「家事をするために進学しなかったということか?」

「いいえ。私には進学をする権利はありませんでした」

 美子は家事がしたかったわけではない。

 使用人たちに紛れていたかったわけではない。

 常に暴力と暴言を浴びせられる日々が恋しいわけがない。

「青龍寺家は陰陽師になる子ども以外の教育は、義務教育までと決まっております」

 美子はゆっくりと頭をあげた。

 頭をあげてもなお、義孝は同情するかのように頭を撫で続けた。

「私は陰陽師ではありません」

「あやかしを幽世かくりよに帰す力があるのに?」

「はい」

 美子は困ったように笑ってみせた。

 体が震えてしまう。

 拒絶されるのが怖かった。

「私は、できそこないです」

 美子はさんざん言われてきた言葉を口にする。

 言われるのと口にするのでは言葉の重みが違う。

「私は、水の異能力を持っていません」

 美子は俯きそうになった。

 それを堪える。

 ……異能力はあるのです。

 それも伝えなくてはいけない。

 役立たずだと言われるのを覚悟して口を開いた。

「私の異能力は、治癒です」

 美子の言葉に義孝は目を見開いた。

 それから、美子を抱きしめた。

 ……拒絶しないのですか、義孝様。

 拒絶どころか、嬉しさのあまりに抱き着かれてしまった。

 ……役立たずの私を受け入れてくれるのですか。

 美子は嬉しさから涙を零した。
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