31 / 36
第二話 桐生邸、襲撃事件
02ー1.義孝の帰宅
しおりを挟む
義孝が帰宅をすると、雪は勢いよく昼間の出来事について語りだした。
義孝は驚きながらも話を聞く。
……鬼は珍しいのでしょうか。
鬼が出たと聞いた途端に義孝の表情が変わった。
ありえないと言いたげな顔だった。
「母さん、本当に鬼だったのか?」
「そうですよ。母さんを疑うのですか。美子さんも見ましたよね。黒い人型の2本角の狂暴なあやかしでした!」
「……黒い肌をしていたのか?」
義孝は雪を問い詰める。
それに対し、美子も全力で頷いて肯定をした。雪もその通りだといわんばかりの顔をした。
「黒い肌のあやかしは、陰陽師に使役されている証拠だ」
義孝の言葉に雪は動きを止める。
美子も目を見開いた。
……誰かが操っていたということですか。
嫌な予感は的中する。
……一体、なんのために。
義孝に恨みがあったのならば、美子が嫁ぐ以前に襲撃されていてもおかしくはない。しかし、美子の異能力を確かめるかのような視線を向けていたことを思い出した。
「鬼は私を見ていました」
美子は体を震わせる。
恐ろしかった。
「異能力を使ってしまったのです」
美子はあやかしが使役をされる場合があることを知らなかった。
そのため、深く考えることもなく、異能力を使ってしまった。雪を助けることで精いっぱいだった。
「鬼を通じて陰陽師が見ていた可能性が高いな」
「どうしましょう」
「どうすることもできない。せめて、あやかしを操ることができる者がわかればいいんだが……」
義孝は頭を抱えた。
……あやかしを操る。
心の中で言葉を繰り返す。
どこかで聞いた覚えがあった。幼い頃、得意げに話していた人がいた。
義孝は驚きながらも話を聞く。
……鬼は珍しいのでしょうか。
鬼が出たと聞いた途端に義孝の表情が変わった。
ありえないと言いたげな顔だった。
「母さん、本当に鬼だったのか?」
「そうですよ。母さんを疑うのですか。美子さんも見ましたよね。黒い人型の2本角の狂暴なあやかしでした!」
「……黒い肌をしていたのか?」
義孝は雪を問い詰める。
それに対し、美子も全力で頷いて肯定をした。雪もその通りだといわんばかりの顔をした。
「黒い肌のあやかしは、陰陽師に使役されている証拠だ」
義孝の言葉に雪は動きを止める。
美子も目を見開いた。
……誰かが操っていたということですか。
嫌な予感は的中する。
……一体、なんのために。
義孝に恨みがあったのならば、美子が嫁ぐ以前に襲撃されていてもおかしくはない。しかし、美子の異能力を確かめるかのような視線を向けていたことを思い出した。
「鬼は私を見ていました」
美子は体を震わせる。
恐ろしかった。
「異能力を使ってしまったのです」
美子はあやかしが使役をされる場合があることを知らなかった。
そのため、深く考えることもなく、異能力を使ってしまった。雪を助けることで精いっぱいだった。
「鬼を通じて陰陽師が見ていた可能性が高いな」
「どうしましょう」
「どうすることもできない。せめて、あやかしを操ることができる者がわかればいいんだが……」
義孝は頭を抱えた。
……あやかしを操る。
心の中で言葉を繰り返す。
どこかで聞いた覚えがあった。幼い頃、得意げに話していた人がいた。
10
あなたにおすすめの小説
苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族恋愛~
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
「こちら、再婚相手の息子の仁さん」
母に紹介され、なにかの間違いだと思った。
だってそこにいたのは、私が敵視している専務だったから。
それだけでもかなりな不安案件なのに。
私の住んでいるマンションに下着泥が出た話題から、さらに。
「そうだ、仁のマンションに引っ越せばいい」
なーんて義父になる人が言い出して。
結局、反対できないまま専務と同居する羽目に。
前途多難な同居生活。
相変わらず専務はなに考えているかわからない。
……かと思えば。
「兄妹ならするだろ、これくらい」
当たり前のように落とされる、額へのキス。
いったい、どうなってんのー!?
三ツ森涼夏
24歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』営業戦略部勤務
背が低く、振り返ったら忘れられるくらい、特徴のない顔がコンプレックス。
小1の時に両親が離婚して以来、母親を支えてきた頑張り屋さん。
たまにその頑張りが空回りすることも?
恋愛、苦手というより、嫌い。
淋しい、をちゃんと言えずにきた人。
×
八雲仁
30歳
大手菓子メーカー『おろち製菓』専務
背が高く、眼鏡のイケメン。
ただし、いつも無表情。
集中すると周りが見えなくなる。
そのことで周囲には誤解を与えがちだが、弁明する気はない。
小さい頃に母親が他界し、それ以来、ひとりで淋しさを抱えてきた人。
ふたりはちゃんと義兄妹になれるのか、それとも……!?
*****
千里専務のその後→『絶対零度の、ハーフ御曹司の愛ブルーの瞳をゲーヲタの私に溶かせとか言っています?……』
*****
表紙画像 湯弐様 pixiv ID3989101
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました
iru
恋愛
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
竜帝は番に愛を乞う
浅海 景
恋愛
祖母譲りの容姿で両親から疎まれている男爵令嬢のルー。自分とは対照的に溺愛される妹のメリナは周囲からも可愛がられ、狼族の番として見初められたことからますます我儘に振舞うようになった。そんなメリナの我儘を受け止めつつ使用人のように働き、学校では妹を虐げる意地悪な姉として周囲から虐げられる。無力感と諦めを抱きながら淡々と日々を過ごしていたルーは、ある晩突然現れた男性から番であることを告げられる。しかも彼は獣族のみならず世界の王と呼ばれる竜帝アレクシスだった。誰かに愛されるはずがないと信じ込む男爵令嬢と番と出会い愛を知った竜帝の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる