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第二話「花は花でも彼女は毒花である」
04-1.信じたのは可憐な花か、毒花か
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急げば間に合うものである。
寮から少し離れた物陰にライラックはいた。
「……声をあげてはいけないよ」
一人ではなかった。
ルイス・スタインズと座りながら話をしている。
「よく聞き、よく見て、それから、冷静に判断をするんだ」
私たちができることは限られている。
ジェイドの傍にいることしかできなかった。
* * *
今日はルイスの日だったみたい。
この時間帯はイベントが起きる確率が高いんだけど、今日は普通の日かな。
「ねぇ、ルイス。それ、おもしろいの?」
「面白いですよ。貴女も読んでみますか?」
「えぇ、あたしにも読めるかなぁ。ルイスがおもしろいってオススメしてくれるの、全部、読んでみたけど、難しいものが多かったのよねぇ。あっ! でも、ルイスが一緒にいてくれるなら、あたし、がんばれるかも!」
「貴女が望まれるのならば隣にいますよ」
「ほんと? 約束よ!」
難しい本なんて大嫌い。
わざわざ、外で本を読む気持ちは理解したくもない。
「大好きなルイスの好きなものだもん。あたしも好きになりたいの!」
少しわざとらしいかな。
でも、このくらいの方が効くのよね。
「そういう言葉は簡単に口にするものではありませんよ」
「え? どうして?」
「勘違いさせやすい言葉だからです。貴女は貴族の娘なのですから、簡単にそういう言葉は口にするべきではありません」
「勘違い? ……あたし、ルイスの言っていることはよくわからないわ」
「何度も言い聞かせているでしょう。そういうのは身の丈に合った異性に言うべき言葉です。聖女となる貴女と私では釣り合いが取れないのです」
面倒な男。
大人しく勘違いしていなさいよ。
「そんなことを言わないでよ。あたし、ルイスと一緒にいたいわ」
泣き落としはルイスには効果はない。
それに攻略方法を知っているあたしには、小細工なんて必要ないわ。
寮から少し離れた物陰にライラックはいた。
「……声をあげてはいけないよ」
一人ではなかった。
ルイス・スタインズと座りながら話をしている。
「よく聞き、よく見て、それから、冷静に判断をするんだ」
私たちができることは限られている。
ジェイドの傍にいることしかできなかった。
* * *
今日はルイスの日だったみたい。
この時間帯はイベントが起きる確率が高いんだけど、今日は普通の日かな。
「ねぇ、ルイス。それ、おもしろいの?」
「面白いですよ。貴女も読んでみますか?」
「えぇ、あたしにも読めるかなぁ。ルイスがおもしろいってオススメしてくれるの、全部、読んでみたけど、難しいものが多かったのよねぇ。あっ! でも、ルイスが一緒にいてくれるなら、あたし、がんばれるかも!」
「貴女が望まれるのならば隣にいますよ」
「ほんと? 約束よ!」
難しい本なんて大嫌い。
わざわざ、外で本を読む気持ちは理解したくもない。
「大好きなルイスの好きなものだもん。あたしも好きになりたいの!」
少しわざとらしいかな。
でも、このくらいの方が効くのよね。
「そういう言葉は簡単に口にするものではありませんよ」
「え? どうして?」
「勘違いさせやすい言葉だからです。貴女は貴族の娘なのですから、簡単にそういう言葉は口にするべきではありません」
「勘違い? ……あたし、ルイスの言っていることはよくわからないわ」
「何度も言い聞かせているでしょう。そういうのは身の丈に合った異性に言うべき言葉です。聖女となる貴女と私では釣り合いが取れないのです」
面倒な男。
大人しく勘違いしていなさいよ。
「そんなことを言わないでよ。あたし、ルイスと一緒にいたいわ」
泣き落としはルイスには効果はない。
それに攻略方法を知っているあたしには、小細工なんて必要ないわ。
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