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第二話「花は花でも彼女は毒花である」
04-2.信じたのは可憐な花か、毒花か
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「ルイスと一緒にいれないのなら、聖女なんてなりたくない!」
面倒なプライドばかりが高い男。
頼られて、依存されて、それで自分の欲が満たされる可哀想な男。
「あたしはルイスがいればいいの。ルイスは違うの? あたしといてもつまらない? あたし、ルイスといない方がいい……?」
攻略対象じゃなかったら存在を無視していたわ。
でも、逆ハーを目指す為には惚れさせなきゃいけない。
「そこまで言われるのならば仕方がありませんね」
は? あたしだから言ってあげるのよ。
なにも知らなかったら、あんたなんて見放しているわ。
「えへへ、ありがと! ルイス、大好きよ!」
本音を言えばいいってもんじゃないの。
嘘でも喜ばせればいいのよ。
「何度も言うようですが――」
「だーめ! 言わないで!」
男好きだとか裏表が激しいとか、文句しか言っていない女の言葉は無視よ。
生きる為の立派な手段なのに、出し惜しみをしているのが悪いのよ。
「なにも知らないままでいたいの。お願い、見逃して……」
「はぁ、わかりました。貴女が望まれるのならばそうしましょう」
「……うん」
「どうしましたか?」
「あたし、“貴女”なんて名前じゃないわ」
「知っていますよ」
媚を売ってなにが悪い。
あたしだって吐き気を抑えて媚を売っているのよ。
「意地悪! 知っているなら、名前で呼んでよ!」
あたしは嘘つきだ。
ライラックなんて呼ばないでほしいのに。
「ライラックって呼んでほしいの」
乙女ゲームは大好きだった。何度も転生をするのを夢にみたわ。
でも、本当に転生したかったわけじゃない。
「大好きなルイスには名前を呼ばれたいの。あなたなら、あたしの気持ちをわかってくれるでしょ?」
あたしは結末がわかっている人生を生きたくない。
でも、二度も死にたくない。
面倒なプライドばかりが高い男。
頼られて、依存されて、それで自分の欲が満たされる可哀想な男。
「あたしはルイスがいればいいの。ルイスは違うの? あたしといてもつまらない? あたし、ルイスといない方がいい……?」
攻略対象じゃなかったら存在を無視していたわ。
でも、逆ハーを目指す為には惚れさせなきゃいけない。
「そこまで言われるのならば仕方がありませんね」
は? あたしだから言ってあげるのよ。
なにも知らなかったら、あんたなんて見放しているわ。
「えへへ、ありがと! ルイス、大好きよ!」
本音を言えばいいってもんじゃないの。
嘘でも喜ばせればいいのよ。
「何度も言うようですが――」
「だーめ! 言わないで!」
男好きだとか裏表が激しいとか、文句しか言っていない女の言葉は無視よ。
生きる為の立派な手段なのに、出し惜しみをしているのが悪いのよ。
「なにも知らないままでいたいの。お願い、見逃して……」
「はぁ、わかりました。貴女が望まれるのならばそうしましょう」
「……うん」
「どうしましたか?」
「あたし、“貴女”なんて名前じゃないわ」
「知っていますよ」
媚を売ってなにが悪い。
あたしだって吐き気を抑えて媚を売っているのよ。
「意地悪! 知っているなら、名前で呼んでよ!」
あたしは嘘つきだ。
ライラックなんて呼ばないでほしいのに。
「ライラックって呼んでほしいの」
乙女ゲームは大好きだった。何度も転生をするのを夢にみたわ。
でも、本当に転生したかったわけじゃない。
「大好きなルイスには名前を呼ばれたいの。あなたなら、あたしの気持ちをわかってくれるでしょ?」
あたしは結末がわかっている人生を生きたくない。
でも、二度も死にたくない。
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