323 / 331
第四章 鳥像の門
嫉妬の影8
しおりを挟む
「だから、ルキルくんと人間の神様は、雷の神様と一緒に地上に戻って。また、必ず会える。嫌だと言われても、僕の方から会いに行く。そしてエンド、君はここに残るんだ」
「え? ここと言うと?」
厳しいシロキさんの視線が痛い。
「え、じゃないよ。アドバンドと一緒に炎の地獄に帰るつもりだったんじゃないよね? 君は門から出さない。ここであと数日か、百年後か知らないけど、マツリくんとイサリくんの魂が極楽にやって来るまで一緒に待つんだ。これがカドとお前の願いなんだから……言っただろう? 僕は神様だから、全員の願いを叶える」
「シロキさんは俺のことが嫌いだろ? 大丈夫か」
俺を嫌っているシロキさんと百年一緒に過ごすのはさすがにしんどい。
「君は僕の対だから好きとか嫌いではないんだよ。まさか断る気じゃないよね?」
シロキさんがゆっくりと近づいてきた。
耳元に顔を寄せてくる。初めて会った時にもこうされたけれど、本当に弱わる。
このシロキさんの匂いとやわらかい髪が顔に当たると、拒否できない。
「断っても無駄だよ。君も僕のものだから。第一、最近造られたくせに生意気なんだよ」
「そんな、生意気って……」
カド、止めてくれよ。やっぱり、お前の神様、怖いぞ。カドが白銀の液体になってシロキさんの身体を掴まえた。
「シロキさん、エンドに意地悪しないで。そんなシロキさんは嫌いだ」
シロキさんの顔が耳元から離れ、真正面にきた。怖さは消えたが、まだ緊張する。
シロキさんが声を震わせて、するりと床に膝をつく。
「ごめん、カド……嫌いにならないで……こんなかっこいい悪魔が困るところを見るのがなんかくすぐったくて、つい……」
「今度エンドを困らせたらシロキさんとは口をきかないよ」
嘘だろ……カドの言葉にシロキさんが我を忘れて床に顔をこすりつけている。カドを溺愛しているのにかわいそうだ。
「シロキさん、からかってくれよ。俺は何もわからないから、からかい甲斐もあるだろ。金と銀の融合した魂の子が、新しい作成者になるまで、ここであなたとカドと過ごすよ。そうしたいと願ってた。願いを叶えてえくれてりがとう、神様」
シロキさんが優しく微笑む。神様の顔だ。
「これからは僕の悪魔になって」
「何言ってるんだ。シロキさんには自分の悪魔がいるだろ――」
そこまで言って自分の鈍さを呪いたくなった。
「シロキさんは本当に神様だな」
そう言って、頭を撫でてやった。ついさっきまで挑発的だったのに、俺の胸にそっと顔を寄せ静かに泣くシロキさんを眺めているうちに切なくなってきた。
シロキさんはナイトの願いもちゃんと知っていた。そして叶えるんだ――
「え? ここと言うと?」
厳しいシロキさんの視線が痛い。
「え、じゃないよ。アドバンドと一緒に炎の地獄に帰るつもりだったんじゃないよね? 君は門から出さない。ここであと数日か、百年後か知らないけど、マツリくんとイサリくんの魂が極楽にやって来るまで一緒に待つんだ。これがカドとお前の願いなんだから……言っただろう? 僕は神様だから、全員の願いを叶える」
「シロキさんは俺のことが嫌いだろ? 大丈夫か」
俺を嫌っているシロキさんと百年一緒に過ごすのはさすがにしんどい。
「君は僕の対だから好きとか嫌いではないんだよ。まさか断る気じゃないよね?」
シロキさんがゆっくりと近づいてきた。
耳元に顔を寄せてくる。初めて会った時にもこうされたけれど、本当に弱わる。
このシロキさんの匂いとやわらかい髪が顔に当たると、拒否できない。
「断っても無駄だよ。君も僕のものだから。第一、最近造られたくせに生意気なんだよ」
「そんな、生意気って……」
カド、止めてくれよ。やっぱり、お前の神様、怖いぞ。カドが白銀の液体になってシロキさんの身体を掴まえた。
「シロキさん、エンドに意地悪しないで。そんなシロキさんは嫌いだ」
シロキさんの顔が耳元から離れ、真正面にきた。怖さは消えたが、まだ緊張する。
シロキさんが声を震わせて、するりと床に膝をつく。
「ごめん、カド……嫌いにならないで……こんなかっこいい悪魔が困るところを見るのがなんかくすぐったくて、つい……」
「今度エンドを困らせたらシロキさんとは口をきかないよ」
嘘だろ……カドの言葉にシロキさんが我を忘れて床に顔をこすりつけている。カドを溺愛しているのにかわいそうだ。
「シロキさん、からかってくれよ。俺は何もわからないから、からかい甲斐もあるだろ。金と銀の融合した魂の子が、新しい作成者になるまで、ここであなたとカドと過ごすよ。そうしたいと願ってた。願いを叶えてえくれてりがとう、神様」
シロキさんが優しく微笑む。神様の顔だ。
「これからは僕の悪魔になって」
「何言ってるんだ。シロキさんには自分の悪魔がいるだろ――」
そこまで言って自分の鈍さを呪いたくなった。
「シロキさんは本当に神様だな」
そう言って、頭を撫でてやった。ついさっきまで挑発的だったのに、俺の胸にそっと顔を寄せ静かに泣くシロキさんを眺めているうちに切なくなってきた。
シロキさんはナイトの願いもちゃんと知っていた。そして叶えるんだ――
0
あなたにおすすめの小説
【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜
るあか
ファンタジー
僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。
でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。
どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。
そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。
家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。
勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!
よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です!
僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。
つねやま じゅんぺいと読む。
何処にでもいる普通のサラリーマン。
仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・
突然気分が悪くなり、倒れそうになる。
周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。
何が起こったか分からないまま、気を失う。
気が付けば電車ではなく、どこかの建物。
周りにも人が倒れている。
僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。
気が付けば誰かがしゃべってる。
どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。
そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。
想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。
どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。
一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・
ですが、ここで問題が。
スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・
より良いスキルは早い者勝ち。
我も我もと群がる人々。
そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。
僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。
気が付けば2人だけになっていて・・・・
スキルも2つしか残っていない。
一つは鑑定。
もう一つは家事全般。
両方とも微妙だ・・・・
彼女の名は才村 友郁
さいむら ゆか。 23歳。
今年社会人になりたて。
取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。
~春の国~片足の不自由な王妃様
クラゲ散歩
恋愛
春の暖かい陽気の中。色鮮やかな花が咲き乱れ。蝶が二人を祝福してるように。
春の国の王太子ジーク=スノーフレーク=スプリング(22)と侯爵令嬢ローズマリー=ローバー(18)が、丘の上にある小さな教会で愛を誓い。女神の祝福を受け夫婦になった。
街中を馬車で移動中。二人はずっと笑顔だった。
それを見た者は、相思相愛だと思っただろう。
しかし〜ここまでくるまでに、王太子が裏で動いていたのを知っているのはごくわずか。
花嫁は〜その笑顔の下でなにを思っているのだろうか??
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
レディース異世界満喫禄
日の丸
ファンタジー
〇城県のレディース輝夜の総長篠原連は18才で死んでしまう。
その死に方があまりな死に方だったので運命神の1人に異世界におくられることに。
その世界で出会う仲間と様々な体験をたのしむ!!
【完結】義姉上が悪役令嬢だと!?ふざけるな!姉を貶めたお前達を絶対に許さない!!
つくも茄子
ファンタジー
義姉は王家とこの国に殺された。
冤罪に末に毒杯だ。公爵令嬢である義姉上に対してこの仕打ち。笑顔の王太子夫妻が憎い。嘘の供述をした連中を許さない。我が子可愛さに隠蔽した国王。実の娘を信じなかった義父。
全ての復讐を終えたミゲルは義姉の墓前で報告をした直後に世界が歪む。目を覚ますとそこには亡くなった義姉の姿があった。過去に巻き戻った事を知ったミゲルは今度こそ義姉を守るために行動する。
巻き戻った世界は同じようで違う。その違いは吉とでるか凶とでるか……。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる