ダイキライ

ジャム

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息を上げ、浅い呼吸に胸を上下させながら、渋木さんの手を、唇を、舌を、全て受け入れる。

もっとシて欲しくて身悶えて、体を捩った。

もう熱はハチキレそうに勃ち上がって、自分すら気づかず身を捩って腰を振り、その腰で渋木さんを呼んでいた。

「ワカ・・」

渋木さんがシャツのボタンを外して脱ぎ捨て、ズボンも下ろして裸になった。

30代のくせに、体に無駄な脂肪が無い。

肩のラインが綺麗で、脇から腰骨まで肋骨に沿って所々隆起する筋肉が男らしかった。

思わず手を伸ばして触りたくなるくらいに色っぽくて、渋木さんの肌の上を指でなぞると、その手を掴まれて唇に運ばれた。

指の一本一本に口づけされて、腕の内側を唇で辿られる。

渋木さんの顔が、腕から肩、鎖骨と、オレの顔の方へ近づいてきて、そのまま体を密着させる。

首筋に埋められた渋木さんの頭を両手で抱いて、渋木さんが胸元に落とすキスに目を閉じた。

強く弱く、唇で吸われ、全身が痺れてくる。

それから、オレの下の服も全部脱がせた渋木さんの手が、止まった。

何の刺激も与えられない事に、目を開くと、渋木さんが覆い被さるように上からオレを見つめてた。

「な、なに・・?」

思わず恥ずかしくなって両手で口元を覆うと、渋木さんがオレの手を引いて、オレの体を起こした。

ソファーの上に裸で座らされ、渋木さんがソファーから降りてオレの股の間に入ると、オレの両膝を持ち上げた。

「ヤ・・は、恥ずかしいよ・・っ渋木さんっ」

「オレだけにしか見せないのに・・?もうお前を誰にも見せない。オレだけに見せてくれればいい」

言うなり、渋木さんがオレの股の間に舌を伸ばした。

膝の裏を手で押えられて持ち上げられて、イヤでも渋木さんが自分のアソコを舐めているのが見えてしまう。

柔らかく肉厚の渋木さんの舌に解されて、オレの肉穴が開いてくる。

その肉の輪を渋木さんがねっとりと襞を広げるように舐めて溶かす。

「ヤア・・・ッ」

どうしようもなくて震えながら、自分の膝を自分で掴んで快感に喘ぐ。

自分の勃起は既に透明な粘液を蜜孔から溢れさせ、自分の肉棒に滴らせていた。

濡れた勃起が、部屋の明かりでテラテラと淫らに光る。

その時、渋木さんの舌が尻穴の中へと入れられる。

「ア!」

ビクリと揺れた瞬間、溢れた粘液が腹の上にパタパタと落ちた。

それに気づいた渋木さんがオレの真っ赤に張りつめた勃起に指を絡めた。

大きな手だ。オレの肉棒にそっと指を絡め、包み込むように握りしめられて、目の前が真っ赤に染まる。

「うっやあ・・待って・・!ダメっそれダメっ」

カリの先端、蜜孔を渋木さんの親指が潰すように押しながら、先走りをカリ全体に塗込んで行く。

「アアッ・・っ渋木さ・・っん」

渋木さんの口が大きく開いて、尻に歯が当たった。

渋木さんの舌がグイグイと自分の中へ這入ってきて、グチュグチュと音がする。

その音にまるで耳の中まで犯されてるような気分になって、思わず首を横に振った。

「も・・ダメッイキそ・・!渋木さんッダメッイッチャウよ!」

オレはバカみたいに自分で膝を抱えて、渋木さんがオレの股の間にむしゃぶりついてるのを息を詰めて見つめてた。

「ワカ」

渋木さんに呼ばれて、眦から涙が零れてく。

顔を上げた渋木さんは、今度はオレを指で犯していく。

長い指がズブズブと肉の狭間を掻き分け、簡単に奥まで到達すると肉襞の中を掻き混ぜていく。

「アア・・・!」

堪らず閉じた膝の間に渋木さんが体を入れてくる。

指の動きを止めるどころか、何度か抜き差しを繰り返した後、指の数を増やすと、再びオレの中へそれを埋め込んできた。



既にオレの勃起からは白いモノが滲んでいた。


それを渋木さんは強く握り、まるでイカセナイように塞き止める。


それだけでも、頭の中が狂いそうだった。


「ワカ・・可愛いワカ・・オレだけの・・」


言いながら、渋木さんがオレの腰に体を密着させた。


そこにある熱いモノが、オレの中へ這入ろうと密着する。


「渋木・・さ」


「ワカ・・」


貫かれる・・!


熱い渋木さんの雄が、濡れて熟れた肉の中を裂き、オレの奥底へ埋め込まれる・・!


ずっと欲しかった・・!


この人がずっと欲しかった・・!


いつからだったろう・・?この人を目で追っていたのは。


硬派で仕事が出来て、いつも恐そうな顔してるって思ってた。


あんな風に抱かれて、傷ついたのも事実だけど・・こんなに求められる事は、王ちゃんからでさえ感じないくらいの『情熱』だったって後から気づいた。


こんなに求められて、それを言葉にされないからって・・オレは・・この人の表情を見てたら・・わかってたのに・・。


それでも、思ってしまう。


もっと違う出会い方で、違う方法で、オレ達は体を繋げなかったんだろうか?


もっと普通に、手を繋いだり、キスをしたり、そんな風に出来なかったんだろうか?






「ア・・あアッ・・熱いよ・・中が熱いっ渋木さんっ熱いよぉ・・!」


渋木さんの昂りがオレの腹の中を真っすぐに貫いていく。


渋木さんの前髪が落ちて、顔に掛かる。


前髪の隙間から覗く鋭利な瞳に、見つめられて、背筋が震えた。


ゆっくりと挿入された渋木さんの欲棒が、オレの中でドクドクと脈打つ。
まるで、オレの中で渋木さんの雄がオレを支配しているのは自分だと、その存在を誇示しているかのようだった。


挿れられただけで、息が止まりそうだった・・。


渋木さんの雄がオレの中で息づいてる。


そう思うだけで、それだけで、指先までシビれた。


「渋木さんっ・・っ」


「ワカ」


渋木さんに手を強く握られて、彷徨わせていた視線を渋木さんに合わせた。


「今日・・オレは、心底思い知った・・誰にも・・渡したくない。お前を」


「渋木さ」


呼び掛けた瞬間。


渋木さんにいきなり突き上げられた。


「ヒッ!!」


腹の中を、肉襞を、掻き分け引き裂き、オレの一番深い場所へ渋木さんの欲棒が叩き付けられる。

それも、今までのブランクを埋めるかのような凄まじいスピードで、それが繰り返されていく。

「し、渋木さッ・・ヤッヤあッア、ア、ア、ア、ア、ヒッーーーーー!!!」

オレは両手を渋木さんに拘束され、熱い肉棒で腹の中をメチャクチャに突き上げられて、体を捩って断続的に射精を繰り返した。

「あ、ァ、ァ、渋、木さ・・っ」

喘ぎ過ぎて声も枯れた頃、部屋には肉が激しくぶつかるビタビタという早い音と、グチュグチュと水音だけが響いていた。

「ワカ・・っワカ・・っ」

それでも緩められない渋木さんの腰使いに、気が遠くなりかけた時、渋木さんが自分の中で大きく震えるのを感じて、やっとホッとする。

渋木さんがイケなかったら・・オレばっかイッテて、ダサいもん・・良かった・・ちゃんと渋木さんイケたみたいだ・・。

意識が遠くなる中、オレは渋木さんに手を伸ばした。

その手を握り返されて、体をギュッと抱き締められた。

「ヤバ・・しあわせ、だ・・」

そう渋木さんの耳元で呟いていた事に、オレは自分で気づいていなかった。









目が覚めると、仄かな明かりが天井を照らしていた。

まわりを見渡し、自分がベッドに寝かされている事に気づいた。

ボーっとする頭で、記憶をたぐり寄せる。

と、一気に、さっきまで渋木さんに抱かれていた事を思い出したオレは、慌ててベッドから下りて、恐る恐る部屋のドアを開けた。

そこには、書類をテーブルに広げ、携帯を片手にリビングの中を歩き回る渋木さんが居た。

何か仕事の話をしてるようで、ペンを片手に持ったり、胸ポケへ仕舞ったり、煙草を口に咥えたり、それを灰皿に置いたりと忙しない様子だ。

邪魔にならないように、座っていようと思って、自分が裸だという事に気づき、慌ててベッドへ戻ろうとした。

が、時既に遅し!

渋木さんに、その姿を見つけられたオレは、電話片手に寝室に入ってきた渋木さんに、追詰められる。

電話に相づちを打ちながら渋木さんが、ベッドの上、オレの後ろから覆い被さった。

電話をしながら、オレの耳の後ろやうなじを舌でなぞり、電話を持っていない方の手でオレの股の間を弄る。

「あ」

思わず声を出してしまい、オレは急いで自分の口を両手で押えた。

そんなオレを、渋木さんは口元を引き上げて見つめている。

なんで、こんな意地悪なんだよ・・っ

電話をしながら、肉の狭間を指で犯された。

まだ緩く、濡れた尻穴は、誘うように渋木さんの指を飲み込んでいく。

その這い上がるような快感に背筋がゾクゾクと震え、あれだけシたにも関わらず、体の中心に熱が集まってくる。

やっと携帯電話を閉じた渋木さんが、オレのそこから指をあっさりと引き抜く。

その喪失感に思わず振返ると、既に用意されていた勃起がそこへと当てがわれた。

「アーーーッ」

オレの掠れた声にならない喘ぎ声に、渋木さんが笑う。

「ワカ・・いい声だな」

「ヒドいよ・・っさっきあんなにシたのに・・っ」

「そうだな。まだ足りないのさ。ずっと抱きたいのを我慢してたからな。ワカだってそうだろう?ホラ、もう蜜を溢れさせてる」

そう言って、渋木さんの手がオレの前を擦り上げる。


「ヤッダメッ・・・もう、何も出ない・・からっ」

「いいさ。出なくても。オレがいくらでも可愛がってやる」

体の奥深い場所へ渋木さんがピッタリと嵌る。

そのまま数秒、渋木さんはオレの髪の匂いを嗅いだり、キスをしたり、腰を密着させたまま動かずにいた。

でも、それもあんまり長いと、今度はオレの方がムズムズとしてくる。

高められた熱が腹の中で熟れてジクジクと爛れてくる。

「渋木さん・・・っ」

「どうした?」

「なんで・・なんで、動かないのっ・・?」

「動いて欲しいのか?」

そう言われて、顔が熱くなる。

そうだ。言わなければ、与えられないのだ。それが渋木さんのやり方なんだ・・っ

「・・渋木さんって、ホントに、イジワルいよっ・・」

渋木さんがゆったりとオレの髪を梳く。

「そうか?好きだから、意地悪したくなるのかもな」

その台詞に、息が止まる。

今・・今、渋木さんっオレの事好きって・・!!

渋木さんの顔を振り返ると、「どうした?」と首を傾げている。

「だって・・今、オレの事好きって・・言った・・よ?」

渋木さんは、だから何だ?と言う顔で「好きだな。ずっとこうしていたいくらい好きだ」

そんな・・っオレずっと悩んで悩んで・・自分の気持ちなんか全然わかんなくて・・!

オレの目から涙がポロリと零れて、渋木さんが目を見開く。

「ワカ・・どうして泣く?」

「だって・・オレ、オレ・・渋木さんはオレのことなんか好きじゃなくって・・っオレの体が目的なんだって思ってて・・だからっオレ」

渋木さんがオレの泣き言に、密着している腰をグイと揺さぶった。

「ひヤァッ」

一突きされて、腰からグニャリと力が抜ける。

「あのな、ワカ。オレが幾つに見える?お前、オレの事ただの精力馬鹿だと思ってたのか?例え、オレが変態だとしてもな・・相手が好きな奴じゃなきゃ、こんなに抱きたいなんて気持ちにはならん。わかるか?こんなにお前の中で昂るのは、お前が相手だからだ」

「渋木さん・・オレっオレもっオレも好き・・」

やっと自分の気持ちに気づいて、言う事が出来た告白に、涙が後から後から溢れてしまう。

両手で涙を拭うオレの頭に、渋木さんが溜め息混じりに口づけする。

「このバカ。オレの気持ち、抱き合ってて気づかなかったのか?」


「気づかないよっ渋木さんスゴいオレの事イジメてたじゃん・・っすごい恐かったもん・・!」


「あー・・。アレは、嫉妬だ。ワカと力を疑ってたから・・でも、ちゃんと最後は気持ち良くしてやっただろ?」


そうイジワルく笑った渋木さんが、動き出す。


「アッアアッし、ぶきっさ・・!!」


大きく開かされた足の間で渋木さんが上下する。


体を揺さぶられて、最後は気を失うまで穿たれるんだ。


「渋木さんッ渋木さんッ渋木さんッ」


たっぷりと濡れた体内を、渋木さんが勢い良く出這入りする。


「ワカ・・愛してる・・オレのワカ・・」


激しく穿たれながら、ビクビクと腰が痙攣する。


全身を包み込まれて、体の隅々まで愛撫され、繋げた快感からはもう二度と逃げられない。


「アアッ渋木さん・・ッ・・もっと、シ、て・・ッ」





そんな、男同士のセックス・・。






・・ダイッキライだ・・!
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