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第五話
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街の散策を続けていくユーゴ。
とりあえず、ポーションの納品をすることで金が稼げることを理解した。
それゆえに多少は懐にも余裕ができたので、気持ちにゆとりをもって街中を散策していく。
「活気があっていいなあ」
まだ夕方前ということもあって、多くの人々が通りを行きかっている。
ぱっと見で冒険者とわかる風体のグループ。
恰幅のいい商人は部下を引き連れて仕入れをしている。
買い物帰りの獣人もいる。
「種族に関係なく仲がいいんだな……」
賢者の頃のユーゴの記憶では、強い差別がみられる街も珍しくはなかった。
それゆえに、この街の雰囲気はとても心地の良いものだった。
「さて、何か面白いものはないだろうか?」
この街の良さを感じているユーゴは、ワクワクしながら街並みを眺めながら歩みを進める。
「あれは……」
その中で一軒、とても興味を惹かれる店があった。思わず彼は足を止めた。
店先にはいくつもの剣が無造作に並べられている。
しかし、値段もついておらず種類もバラバラであり、売り物であるようには見えない。
武器屋ではない、しかし武器が置かれている。
となれば……。
「鍛冶屋――か」
その推測は、ユーゴの鍛冶師としての魂が揺さぶられるものである。
自然と足は店に向かい、外に並ぶ武器の観察を始める。
「ほう……これは悪くないな」
試しに手に取ったのはいわゆる片手剣。
慣れた手つきで見定めるように鞘から抜くと、刀身は洗練されており、鍛冶師の技術の高さがうかがえる。
「よし!」
心揺さぶられるままにユーゴは、これらの武器の作者に興味がわいていた。
その歩みに迷いはなく、すたすたと店の中へと入っていく。
「すいません、誰かいませんか?」
見える範囲には人影がなかったため、少し大きめの声で呼びかける。
数秒待つが返事はなし。
「すいませーん!」
先ほどよりも大きな声で呼びかけると、奥からドタドタと大きな足音が近づいてくる。
「いるのか」
そう呟いた次の瞬間、ユーゴが目にしたのは怒りのままに顔を赤くしたドワーフの姿だった。
「いるのか、ではないわい! 人が仕事に集中しているというのに、デカい声を出しおって!」
どうやら作業の真っ最中だったらしく、その集中を切らせてしまったようだった。
「あぁ、そうか。作業中とは思い至らなかった、申し訳ない」
ユーゴは自身が職人であるため、彼の仕事の邪魔をしてしまったことに申し訳なさを覚えていた。
「う、うむ。わかればいいのだ」
殊勝な態度のユーゴに、ドワーフも気勢を削がれてしまったようだった。
「ふう、まあ怒っても仕方ない。それで、一体なんの用なんじゃ?」
近くの椅子にドカッと座ると、むすっとした表情で腕組みをしたドワーフはユーゴの要件を聞く態勢に入る。
――と、聞かれて気づく。
外の武器に興味を持って店に入ったものの、それ以外に明確な用事がないことに。
「えっと、その、外に置いてあった武器の制作技術が高かったから興味を持ったというわけで」
わざわざ作業の邪魔をするほどの理由がなかったため、急に説明がへたくそになるユーゴ。
しかし、ドワーフの反応は想像していたものとは異なる。
「……そうか! あれがわかるか! まあ、片手間に作った武器だが、それでもかなりのものだと自負しとる!」
最初の不機嫌さはどこへやら、きらりと目の奥に光が宿ったように見える。
かなりのものをあんな風に放置していては盗まれるのではないか? という言葉をユーゴは飲み込む。職人ならではの考えがあるのだろうと。
「なんであんな風に無造作に外に置いてるんだろう? そう思ってるんじゃろ?」
「い、いや、そんなことは」
ドワーフによって考えを言い当てられたユーゴは目が泳いでいる。
「あれはわしの店から離れると重さが数十倍になる魔法がかけられておるんじゃよ。じゃから、あれに関しては心配はないから気にせんでええんじゃよ。それより、アレがわかるということは、お主はよほどの目利きか……同業じゃな?」
ニヤリと笑うドワーフ。
「はあ、そこまでわかるとは慧眼おそれいります」
「ほっほっほ、そんな話し方をせんでもええよ。わしは一介の職人じゃからな。偉ぶるつもりもない」
ユーゴの話し方にどこか違和感を感じたドワーフがいつもの口調に戻していいと話す。
「それじゃあ失礼して。俺の名前はユーゴ、一応鍛冶師だ。外の武器に興味を持ってついつい呼びかけてしまった」
ユーゴの言葉にドワーフは笑顔になっている。
「わしの名前はバームじゃ。声をかけたことはもういいんじゃよ、わしの武器を褒めてくれたからの。それよりも、お前さんの腕前を見てみたいんじゃが――どうだ?」
その提案はユーゴにとって願ったりかなったりといったものであった。
「もちろん! 設備を使わせてもらって構わないか?」
「あぁ、構わんぞ。こっちだ!」
ユーゴの即答に、これまた気を良くしたバームが奥の作業場へと案内してくれる。
作業場につくとバームが両手を広げて言う。作業場にある素材は自由に使っていい、道具も自由にしていい、だから何か一つ武器を作ってみせてくれ、と。
ユーゴはもちろんだと頷き、何を作るか考える。
ここで三つの記憶を総動員する。
鍛冶師としての腕前には多少なりとも自信がある。
そこに賢者としての魔法の知識を加えていく。
更には地球で読んだ漫画やラノベのようにとんでもな知識も混ざっていく。
「――よし、それじゃあ開始する」
ユーゴは宣言すると、素材を選り分けて作業に入っていく。
バームはそれを確認すると、部屋をあとにする。
職人にはこだわりがあるため、それを覗かないように気をきかせていた。
特別な素材を使って作ったのでは意味がない。
それでは腕前を見せることにはならない。
ならば、作り方で工夫をしてくしかない。
そう決めてからのユーゴの動きに迷いはなかった。
通常、武器を作るとなると早くても数時間、時間をかけるなら数日から数週間かかってしまう。
しかし、ユーゴはわずか一時間程度でその武器を完成させる。
「できた!」
店に響き渡る声にバームは驚いてかけつける。
「で、できたと聞こえたが、まさか武器ができたのか?」
その質問にユーゴは力強く頷き、ソレをバームの前に差し出す。
「……っ、こ、これは!?」
驚愕の表情に染まったバームは目の前のそれに視線が釘付けになった。
それは一本のナイフであった。
とりあえず、ポーションの納品をすることで金が稼げることを理解した。
それゆえに多少は懐にも余裕ができたので、気持ちにゆとりをもって街中を散策していく。
「活気があっていいなあ」
まだ夕方前ということもあって、多くの人々が通りを行きかっている。
ぱっと見で冒険者とわかる風体のグループ。
恰幅のいい商人は部下を引き連れて仕入れをしている。
買い物帰りの獣人もいる。
「種族に関係なく仲がいいんだな……」
賢者の頃のユーゴの記憶では、強い差別がみられる街も珍しくはなかった。
それゆえに、この街の雰囲気はとても心地の良いものだった。
「さて、何か面白いものはないだろうか?」
この街の良さを感じているユーゴは、ワクワクしながら街並みを眺めながら歩みを進める。
「あれは……」
その中で一軒、とても興味を惹かれる店があった。思わず彼は足を止めた。
店先にはいくつもの剣が無造作に並べられている。
しかし、値段もついておらず種類もバラバラであり、売り物であるようには見えない。
武器屋ではない、しかし武器が置かれている。
となれば……。
「鍛冶屋――か」
その推測は、ユーゴの鍛冶師としての魂が揺さぶられるものである。
自然と足は店に向かい、外に並ぶ武器の観察を始める。
「ほう……これは悪くないな」
試しに手に取ったのはいわゆる片手剣。
慣れた手つきで見定めるように鞘から抜くと、刀身は洗練されており、鍛冶師の技術の高さがうかがえる。
「よし!」
心揺さぶられるままにユーゴは、これらの武器の作者に興味がわいていた。
その歩みに迷いはなく、すたすたと店の中へと入っていく。
「すいません、誰かいませんか?」
見える範囲には人影がなかったため、少し大きめの声で呼びかける。
数秒待つが返事はなし。
「すいませーん!」
先ほどよりも大きな声で呼びかけると、奥からドタドタと大きな足音が近づいてくる。
「いるのか」
そう呟いた次の瞬間、ユーゴが目にしたのは怒りのままに顔を赤くしたドワーフの姿だった。
「いるのか、ではないわい! 人が仕事に集中しているというのに、デカい声を出しおって!」
どうやら作業の真っ最中だったらしく、その集中を切らせてしまったようだった。
「あぁ、そうか。作業中とは思い至らなかった、申し訳ない」
ユーゴは自身が職人であるため、彼の仕事の邪魔をしてしまったことに申し訳なさを覚えていた。
「う、うむ。わかればいいのだ」
殊勝な態度のユーゴに、ドワーフも気勢を削がれてしまったようだった。
「ふう、まあ怒っても仕方ない。それで、一体なんの用なんじゃ?」
近くの椅子にドカッと座ると、むすっとした表情で腕組みをしたドワーフはユーゴの要件を聞く態勢に入る。
――と、聞かれて気づく。
外の武器に興味を持って店に入ったものの、それ以外に明確な用事がないことに。
「えっと、その、外に置いてあった武器の制作技術が高かったから興味を持ったというわけで」
わざわざ作業の邪魔をするほどの理由がなかったため、急に説明がへたくそになるユーゴ。
しかし、ドワーフの反応は想像していたものとは異なる。
「……そうか! あれがわかるか! まあ、片手間に作った武器だが、それでもかなりのものだと自負しとる!」
最初の不機嫌さはどこへやら、きらりと目の奥に光が宿ったように見える。
かなりのものをあんな風に放置していては盗まれるのではないか? という言葉をユーゴは飲み込む。職人ならではの考えがあるのだろうと。
「なんであんな風に無造作に外に置いてるんだろう? そう思ってるんじゃろ?」
「い、いや、そんなことは」
ドワーフによって考えを言い当てられたユーゴは目が泳いでいる。
「あれはわしの店から離れると重さが数十倍になる魔法がかけられておるんじゃよ。じゃから、あれに関しては心配はないから気にせんでええんじゃよ。それより、アレがわかるということは、お主はよほどの目利きか……同業じゃな?」
ニヤリと笑うドワーフ。
「はあ、そこまでわかるとは慧眼おそれいります」
「ほっほっほ、そんな話し方をせんでもええよ。わしは一介の職人じゃからな。偉ぶるつもりもない」
ユーゴの話し方にどこか違和感を感じたドワーフがいつもの口調に戻していいと話す。
「それじゃあ失礼して。俺の名前はユーゴ、一応鍛冶師だ。外の武器に興味を持ってついつい呼びかけてしまった」
ユーゴの言葉にドワーフは笑顔になっている。
「わしの名前はバームじゃ。声をかけたことはもういいんじゃよ、わしの武器を褒めてくれたからの。それよりも、お前さんの腕前を見てみたいんじゃが――どうだ?」
その提案はユーゴにとって願ったりかなったりといったものであった。
「もちろん! 設備を使わせてもらって構わないか?」
「あぁ、構わんぞ。こっちだ!」
ユーゴの即答に、これまた気を良くしたバームが奥の作業場へと案内してくれる。
作業場につくとバームが両手を広げて言う。作業場にある素材は自由に使っていい、道具も自由にしていい、だから何か一つ武器を作ってみせてくれ、と。
ユーゴはもちろんだと頷き、何を作るか考える。
ここで三つの記憶を総動員する。
鍛冶師としての腕前には多少なりとも自信がある。
そこに賢者としての魔法の知識を加えていく。
更には地球で読んだ漫画やラノベのようにとんでもな知識も混ざっていく。
「――よし、それじゃあ開始する」
ユーゴは宣言すると、素材を選り分けて作業に入っていく。
バームはそれを確認すると、部屋をあとにする。
職人にはこだわりがあるため、それを覗かないように気をきかせていた。
特別な素材を使って作ったのでは意味がない。
それでは腕前を見せることにはならない。
ならば、作り方で工夫をしてくしかない。
そう決めてからのユーゴの動きに迷いはなかった。
通常、武器を作るとなると早くても数時間、時間をかけるなら数日から数週間かかってしまう。
しかし、ユーゴはわずか一時間程度でその武器を完成させる。
「できた!」
店に響き渡る声にバームは驚いてかけつける。
「で、できたと聞こえたが、まさか武器ができたのか?」
その質問にユーゴは力強く頷き、ソレをバームの前に差し出す。
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