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#52 ハイリー 口付けは死のにおい
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舌。クラウシフの舌だ。強く噛んでしまったから鉄臭さが口中に満ちる。
腕を突っ張ろうとしても、中途半端に前傾姿勢になっていて力がうまくこめられない。馬鹿力め、無礼者め、死にぞこないのくせに! そんな罵り言葉すら貪るように口内をまさぐられる。
自分とは違う低い体温のそれが、口の中を這い回って鉄の臭いをなすりつけてくる。おまけに唾液を押し込んでくるのだ。
思い切り噛み付いてやりたい。そう思うのに、本気で暴力を振るうのはためらわれた。口づけくらい我慢できなくはない。舌を噛み切ってしまったら、遺言書に私がサインする前にこの男は死ぬのだ。それでは……この男以外に困る人がいる。
諦めて、私は抵抗を緩め、クラウシフの好きにさせてやることにした。こんなことをしてなにがいいのか、まったくわからない。イズベルとテリウスも恍惚としていたし……イェシュカだってビットと楽しんでいたのに。ちっとも心地よくなんかなかった。
そうだ、イェシュカ。
親友の夫とこんなことをするなんて。
罪悪感と嫌悪感が瞬間的に膨らんで顔をそむけようとしたが、すがるように下唇を甘噛みされると、不貞への抵抗よりクラウシフへの哀れみが勝ってしまった。
息継ぎで一旦唇を離すと、私の顎につたう唾液をクラウシフの舌が舐め取った。美味しそうに目を細めて。さらにその表情のまま続きを促すようにそっと唇を舌先で舐められ、抵抗するのも意味はない――どうせもう一度はしてしまったことだ――と目を閉じた。さっさと満足してくれないか。この姿勢は結構辛い。
四度目の息継ぎのあとの、また長い口づけが終わって、クラウシフがにいっと唇の端をあげた。満足気に。最後の方は疲れていたのか舌の動きも緩慢で、最初の奪うような動きではなくて、撫で擦るような労りが垣間見える仕草に変わっていた。
「なあ、最初にお前の唇を奪った幸運な男は誰だ?」
「……誰ともこんな気持ち悪いことをしたことない」
答える必要もない質問に何故答えてしまったのか。よくわからない。怒る気も失せてしまった。どうしてだろう。とりたてて騒ぐことでもない、この男はいずれ死ぬのだと妙に落ち着いた気分で納得する。
クラウシフはさらに満足げに目を細めた。私の唇を親指の腹でそっと拭って、子供にするように頭を撫でる。
私は自分の手の甲で唇を強く擦ったが、違和感が拭いきれない。口の中の血の味を消したくて、意識して唾液を飲み込んだ。
「アンデルには謝るしかないな。
ところでハイリー、もう少しだけおしゃべりに付き合ってくれてもいいよな」
「謝るなら私にだろう。それと、おねだりはあとひとつだけだったんじゃないのか」
「あとからあれもこれもと思い出すのが人間ってもんだろ。な、いいだろう? しばらくゆっくり話してなかったし、このところバルデラン以外としゃべる機会もなくて気が滅入っていたんだ」
「どこまでも図々しいな。私も君くらい図太ければよかった」
「お前、近頃アンデルに手紙を書いてなかったそうじゃないか。どうした?」
なんでクラウシフにそんな話をしなければならないのかと思いながらも、どうせ死ぬ男に隠し立てしたところで意味もないと投げやりな気持ちになって、本心を言葉にした。
「私にだって遠慮くらいはあるよ。……アンデルも手紙をくれる頻度が下がったし、いい機会だと思っただけ」
「ふうん……ああ、アンデルが婚約したのは知っていたんだよな、それでか。ははは、いじらしいところもあるじゃないか。どこぞの小娘からあいつを奪ってやろうって気概はなかったのか」
「なぜそんなことをする必要がある。彼女と結婚すればアンデルは幸せになれるとわかりきっているのに」
「お前は自分が幸せになろうとは思わないのか?」
「私は今の生活に満足している。それに、とうに結婚なんか諦めた身だから」
「アンデルがもしどうしても、と言ったらどうするつもりだった?」
「それは以前も答えた。私は結婚しない。
そもそも、結局そんな展開はなかったんだから考える必要があるか?」
「一緒に逃げようと言われるのを、待っていた?」
この横面を殴ってやったらさぞせいせいしたろうに、そのことだって無意味だと先に諦めがたつ。頭の奥が爪で引っかかれたようにちりちりうずいたが、一瞬の不調で終わる。
「言われなかったんだから考える必要もないだろう。というかそういう言葉をもらったところで、反故にする男だっていたわけだしな」
「おー、根に持ってるな」
「忘れてないだけだ。気分の悪い思い出としてな」
「……アンデルから同じことを言われたらと考えたことは? そうなったら手を取り合って逃げる気はあったのか?」
なぜそのことにこだわるのかわからないが、答えないと続くというのか、この嫌な質問が。ならばいい、答えてやろう。
「しつこいな。ああ、無様にも夢見たりしたさ、笑えばいい。だがな冷静になって考えてみろ、年齢も、家柄のことも、互いのギフトのことだって、私達が一緒になれる条件はひとつもないんだ。それがわかっていて、彼の未来を摘み取るような真似ができるか? アンデルが幸せになれるんだったら、私はそれで満足だし、そうすべきだと思うだけだ」
言ったそばから猛烈な後悔に襲われる。
みみっちい、分不相応な自分の気持ちを吐露したのは、これが初めてだ。見ないで殺してしまおうと思っていたのに。
クラウシフは、だが嘲笑したりはせず、穏やかに言った。
「そこまで想っておいて、最後に譲るんだな。理解できん」
「してほしいなんて思ったこともないな。君のように相手のある人を奪ってまでという破滅的な愛情は、私にも理解できないよ」
「理解できないのは、お前の愛情深さだよ。
……さて、こんなところで話してないで、アンデルの様子を見に行かないか」
「いや……」
後ろめたい気持ちになって、私は口ごもった。そろそろ帰ったほうがいいし、とも思う。
「行くだろ? アンデルだって、せっかくお前が来てくれたのに自分のところに寄ってくれなかったら、寂しがるぞ。それともなんだ、顔を見たら決心が揺らぐか?」
「そんなわけないだろう。君と違って言ったことを翻したりしないぞ私は」
そこまで固辞することでもないか。アンデルのことは心配だし、彼の部屋に行くだけなら時間だってかからない。
のっそりベッドから降りたクラウシフが先導してくれる。どういう風の吹き回しか、子供の頃だってしたことないのに手を繋がれた。剣ももう握らないくせに、私のものをすっぽり覆ってしまうほどの大きな手。妙に体温が低い。短距離を歩くだけなのにこれが必要なのか? まあ、死ぬ間際にしたいことがあるなら、このくらいなら付き合ってやらないこともない。心の広い私に感謝しろ。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、クラウシフはにかっと歯を見せた。懐かしい顔だ。
「本当に、お前は傲慢で残酷で驚きのお人好しだ。だが、決めたことは絶対にやり抜く奴だ。前線で身体を張って生きてるとんでもない女だからな」
「おだて方が下手だな。これ以上のお願い事は聞かんぞ」
廊下は無人だ。人の気配がまったくない。子どもたちがいないからというだけではなくて、夜だからというだけでもない。いつの間にか点灯した天井の照明が、ぼんやりと黄色い光を床に投げかけている。
「ただの希望だ。俺はお前とアンデルが幸せになってくれることを祈ってる。祈ってた。そうなるように努力もした。昔から……今もだ。
だからお前たちには夫婦となってほしかった。お前はきっとアンデルを守り導いてくれるし、アンデルもお前となら人生を謳歌してさまざまな可能性の花を咲かせていたろう。
それにお前たちは想い合ってた。俺には望むべくもない関係だ。忌々しいくらい羨ましかったぜ。俺だってイェシュカにそのくらい愛されたかったな」
「クラウシフ、気持ちが落ち込んで仕方ないこともあるだろうが、しっかりしろ。それは体が不調だから起こる精神的な不調だ」
「だが、それでも、お前たちが二人でいれば……俺のそばにいれば、万事うまく行く気がしていたんだ。そうなるところも見てみたかった。たとえ、形がいびつだったとしても。不本意な成り行きだったとしても」
私の言葉を聞いているのかいないのか、クラウシフは上機嫌に話し続ける。興奮している様子はないし、勝手にぺらぺらしゃべっているだけで、具合が悪そうなところもない。話したい気分なんだろう、付き合ってやるか、と聞き流して、彼が足を止めたので私もそれに倣った。何度か訪れたことのあるアンデルの部屋の前だ。
腕を突っ張ろうとしても、中途半端に前傾姿勢になっていて力がうまくこめられない。馬鹿力め、無礼者め、死にぞこないのくせに! そんな罵り言葉すら貪るように口内をまさぐられる。
自分とは違う低い体温のそれが、口の中を這い回って鉄の臭いをなすりつけてくる。おまけに唾液を押し込んでくるのだ。
思い切り噛み付いてやりたい。そう思うのに、本気で暴力を振るうのはためらわれた。口づけくらい我慢できなくはない。舌を噛み切ってしまったら、遺言書に私がサインする前にこの男は死ぬのだ。それでは……この男以外に困る人がいる。
諦めて、私は抵抗を緩め、クラウシフの好きにさせてやることにした。こんなことをしてなにがいいのか、まったくわからない。イズベルとテリウスも恍惚としていたし……イェシュカだってビットと楽しんでいたのに。ちっとも心地よくなんかなかった。
そうだ、イェシュカ。
親友の夫とこんなことをするなんて。
罪悪感と嫌悪感が瞬間的に膨らんで顔をそむけようとしたが、すがるように下唇を甘噛みされると、不貞への抵抗よりクラウシフへの哀れみが勝ってしまった。
息継ぎで一旦唇を離すと、私の顎につたう唾液をクラウシフの舌が舐め取った。美味しそうに目を細めて。さらにその表情のまま続きを促すようにそっと唇を舌先で舐められ、抵抗するのも意味はない――どうせもう一度はしてしまったことだ――と目を閉じた。さっさと満足してくれないか。この姿勢は結構辛い。
四度目の息継ぎのあとの、また長い口づけが終わって、クラウシフがにいっと唇の端をあげた。満足気に。最後の方は疲れていたのか舌の動きも緩慢で、最初の奪うような動きではなくて、撫で擦るような労りが垣間見える仕草に変わっていた。
「なあ、最初にお前の唇を奪った幸運な男は誰だ?」
「……誰ともこんな気持ち悪いことをしたことない」
答える必要もない質問に何故答えてしまったのか。よくわからない。怒る気も失せてしまった。どうしてだろう。とりたてて騒ぐことでもない、この男はいずれ死ぬのだと妙に落ち着いた気分で納得する。
クラウシフはさらに満足げに目を細めた。私の唇を親指の腹でそっと拭って、子供にするように頭を撫でる。
私は自分の手の甲で唇を強く擦ったが、違和感が拭いきれない。口の中の血の味を消したくて、意識して唾液を飲み込んだ。
「アンデルには謝るしかないな。
ところでハイリー、もう少しだけおしゃべりに付き合ってくれてもいいよな」
「謝るなら私にだろう。それと、おねだりはあとひとつだけだったんじゃないのか」
「あとからあれもこれもと思い出すのが人間ってもんだろ。な、いいだろう? しばらくゆっくり話してなかったし、このところバルデラン以外としゃべる機会もなくて気が滅入っていたんだ」
「どこまでも図々しいな。私も君くらい図太ければよかった」
「お前、近頃アンデルに手紙を書いてなかったそうじゃないか。どうした?」
なんでクラウシフにそんな話をしなければならないのかと思いながらも、どうせ死ぬ男に隠し立てしたところで意味もないと投げやりな気持ちになって、本心を言葉にした。
「私にだって遠慮くらいはあるよ。……アンデルも手紙をくれる頻度が下がったし、いい機会だと思っただけ」
「ふうん……ああ、アンデルが婚約したのは知っていたんだよな、それでか。ははは、いじらしいところもあるじゃないか。どこぞの小娘からあいつを奪ってやろうって気概はなかったのか」
「なぜそんなことをする必要がある。彼女と結婚すればアンデルは幸せになれるとわかりきっているのに」
「お前は自分が幸せになろうとは思わないのか?」
「私は今の生活に満足している。それに、とうに結婚なんか諦めた身だから」
「アンデルがもしどうしても、と言ったらどうするつもりだった?」
「それは以前も答えた。私は結婚しない。
そもそも、結局そんな展開はなかったんだから考える必要があるか?」
「一緒に逃げようと言われるのを、待っていた?」
この横面を殴ってやったらさぞせいせいしたろうに、そのことだって無意味だと先に諦めがたつ。頭の奥が爪で引っかかれたようにちりちりうずいたが、一瞬の不調で終わる。
「言われなかったんだから考える必要もないだろう。というかそういう言葉をもらったところで、反故にする男だっていたわけだしな」
「おー、根に持ってるな」
「忘れてないだけだ。気分の悪い思い出としてな」
「……アンデルから同じことを言われたらと考えたことは? そうなったら手を取り合って逃げる気はあったのか?」
なぜそのことにこだわるのかわからないが、答えないと続くというのか、この嫌な質問が。ならばいい、答えてやろう。
「しつこいな。ああ、無様にも夢見たりしたさ、笑えばいい。だがな冷静になって考えてみろ、年齢も、家柄のことも、互いのギフトのことだって、私達が一緒になれる条件はひとつもないんだ。それがわかっていて、彼の未来を摘み取るような真似ができるか? アンデルが幸せになれるんだったら、私はそれで満足だし、そうすべきだと思うだけだ」
言ったそばから猛烈な後悔に襲われる。
みみっちい、分不相応な自分の気持ちを吐露したのは、これが初めてだ。見ないで殺してしまおうと思っていたのに。
クラウシフは、だが嘲笑したりはせず、穏やかに言った。
「そこまで想っておいて、最後に譲るんだな。理解できん」
「してほしいなんて思ったこともないな。君のように相手のある人を奪ってまでという破滅的な愛情は、私にも理解できないよ」
「理解できないのは、お前の愛情深さだよ。
……さて、こんなところで話してないで、アンデルの様子を見に行かないか」
「いや……」
後ろめたい気持ちになって、私は口ごもった。そろそろ帰ったほうがいいし、とも思う。
「行くだろ? アンデルだって、せっかくお前が来てくれたのに自分のところに寄ってくれなかったら、寂しがるぞ。それともなんだ、顔を見たら決心が揺らぐか?」
「そんなわけないだろう。君と違って言ったことを翻したりしないぞ私は」
そこまで固辞することでもないか。アンデルのことは心配だし、彼の部屋に行くだけなら時間だってかからない。
のっそりベッドから降りたクラウシフが先導してくれる。どういう風の吹き回しか、子供の頃だってしたことないのに手を繋がれた。剣ももう握らないくせに、私のものをすっぽり覆ってしまうほどの大きな手。妙に体温が低い。短距離を歩くだけなのにこれが必要なのか? まあ、死ぬ間際にしたいことがあるなら、このくらいなら付き合ってやらないこともない。心の広い私に感謝しろ。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、クラウシフはにかっと歯を見せた。懐かしい顔だ。
「本当に、お前は傲慢で残酷で驚きのお人好しだ。だが、決めたことは絶対にやり抜く奴だ。前線で身体を張って生きてるとんでもない女だからな」
「おだて方が下手だな。これ以上のお願い事は聞かんぞ」
廊下は無人だ。人の気配がまったくない。子どもたちがいないからというだけではなくて、夜だからというだけでもない。いつの間にか点灯した天井の照明が、ぼんやりと黄色い光を床に投げかけている。
「ただの希望だ。俺はお前とアンデルが幸せになってくれることを祈ってる。祈ってた。そうなるように努力もした。昔から……今もだ。
だからお前たちには夫婦となってほしかった。お前はきっとアンデルを守り導いてくれるし、アンデルもお前となら人生を謳歌してさまざまな可能性の花を咲かせていたろう。
それにお前たちは想い合ってた。俺には望むべくもない関係だ。忌々しいくらい羨ましかったぜ。俺だってイェシュカにそのくらい愛されたかったな」
「クラウシフ、気持ちが落ち込んで仕方ないこともあるだろうが、しっかりしろ。それは体が不調だから起こる精神的な不調だ」
「だが、それでも、お前たちが二人でいれば……俺のそばにいれば、万事うまく行く気がしていたんだ。そうなるところも見てみたかった。たとえ、形がいびつだったとしても。不本意な成り行きだったとしても」
私の言葉を聞いているのかいないのか、クラウシフは上機嫌に話し続ける。興奮している様子はないし、勝手にぺらぺらしゃべっているだけで、具合が悪そうなところもない。話したい気分なんだろう、付き合ってやるか、と聞き流して、彼が足を止めたので私もそれに倣った。何度か訪れたことのあるアンデルの部屋の前だ。
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