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第11章
第6話
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「他の令嬢からダンスを誘われたら、どうすればよいのでしょう」
「男性から誘わなければ、誘われることはございませんわ」
ノアにはノアの世界があって、彼には彼の自由があるのなら、私にも私の世界があって、私の自由もある。
そうありたいと思うならば、より一層私たちは、何者にも縛られない存在でないといけない。
「なら、私からお誘いするのは、アデルさまだけですね」
「今はその方が無難かと」
「誘われた女性は、お断りすることは出来ないのですか?」
「もちろん出来ますが、そうと分からないようにお断りするのがマナーです」
「随分と難しいものですね」
あぁ。きっと、お父さまやお母さまが私を国外へ逃したのも、ノアがこの小さな緑の館を出て城に入ったのも、きっとこういう気持ちだったに違いない。
私はそれを、ずっと勘違いしていた。
だから今度は、私がそれを返す番なんだ。
オランドが私の手を引いた。
大きくターン。
そこからすぐに立て直す。
「すっかりお上手になられました」
「アデルさまと踊っていない時は、どうすれば?」
「他の方とおしゃべりをなさっていて。きっとオランドはモテモテよ」
「はは。だといいのですが」
そうやって、私の周囲の人たちが幸せになるのならば、私がそのお役に立てるのならば、私が父の後ろ盾になれたと言われたように、今度はノアの後ろ盾になりたい。
先も分からない、名もないどこかのただの娘と婚約をさせられる、幼い第三王子などという弱い立場ではなく、他国に強い繋がりのある、立派な王族の一員として、ここで認められるように。
私はそういう存在になりたい。
オランドの雄々しい顔が近づき、耳元でささやく。
「困っている時は、助けに来てください。合図を決めておきますか?」
「ふふ。そうね、何がいいかしら」
「左手で右の耳を触るというのはどうでしょう」
「いいアイデアね。ではそれで」
不意に、騒ぎが聞こえてきた。
エントランスで侍従たちが慌てている。
駆けてくる足音が聞こえ、乱暴に扉が開かれた。
オランドは私を背に隠すと、スラリと剣を抜く。
「アデル!」
飛び込んで来た男との間に、オランドが立ちはだかる。
鍛え抜かれた体で構えた剣に、ノアは立ち止まった。
それを見たエドガーも剣を抜く。
「何者だ、控えよ!」
「ノア! お待ちください。この者は怪しい者ではございません!」
オランドを押しのけ、私は前へ出た。
「アデル!」
ノアは私の背を抱きしめる。
飛びつきすがりつくように、きつく抱きしめた。
「アデル、アデル!」
ノアの体が汚れている。
服も髪もボロボロだ。
どれだけの距離を、馬で飛ばしてきたのだろう。
ノアはオランドをにらみ見上げた。
「何者だ。誰の許可を得てここにいる!」
「ノア。この方は私の護衛役です。父の遣わせたナイトです」
「父? シェル王国の?」
「そうよ。だから、心配しないで」
「どういうことだ」
「どういうことって、そういうことよ」
ノア。どうして帰ってきたの?
いっそ顔を見なければ、このまま綺麗にお別れ出来たのに。
ノアのミルクティー色の髪が、その髪によく似合う、懐かしい深いグレーの目が、私を見る。
「アデル、話しがある。ちょっといいか」
「今日はもう遅いわ。それに……」
「アデル!」
ノアが私の腕を強く掴んだ。
このまま彼と二人きりになったら、私がどうなってしまうか分からない。
「今日は、この館で最後の夜よ。それを台無しにしないで」
「最後? どういうことだ!」
「明日はお城で、私を迎えに来た使節団との宴があるの。そこで正式にお暇を頂いて、私はこの国を発つわ」
「なんだって? いつの間にそんなことになった。どうしてそんな大切なことを、自分一人で決めたんだ。僕が帰って来るまで、どうして待てない!」
返事が出来ない。
私には答えられない。
ノアはここに来るまでの間に、そんなことすら考えられなかったの?
ちょっと考えれば、すぐに分かることじゃない。
掴まれる腕が痛い。
逃げ出したいのに、逃げられない。
今さら何を言ったって、私たちの意志ではどうにもならないことなのに。
「アデル! 君はそれでいいのか? それを自分で、君は許可したのか!」
オランドと目が合った。
私は左手で、右の耳に触れる。
それを確認したオランドの手が、私の両肩に乗った。
「ノアさま」
彼はあくまで穏やかに、ノアに話しかける。
「明日は大切な宴がございます。本日はお疲れでしょう。早く城へお帰りになって、明日に備えた方がよろしいかと」
「その手を離せ!」
オランドはそんなノアに対しても、全く物怖じすることなく私をのぞき込む。
「アデルさま」
「……。ノア、痛い。離して」
彼の怒りに満ちた目が、私を貫く。
それでも、掴んでいたノアの手が離れた。
その瞬間、オランドはその隙間に入り込む。
「今宵はお引き取りを。明日またお会いしましょう。その時にゆっくりお話しをされては?」
「エドガー!」
抜かれた剣が宙を斬る。
響き合う金属音に、侍女たちは悲鳴を上げた。
オランドの剣はエドガーの剣を弾き返す。
それを上から押さえつけると、すかさず体を寄せ腹に肘を打ち込んだ。
オランドの剣が、エドガーの手からそれを払い落とす。
「ノア! 乱暴はやめて! こんなことしないで!」
「……。アデル、君は本当にそれでいいのか?」
「お願い、今日はもう帰って! こんなことをするために、あなたは帰ってきたの?」
頬を涙が伝う。
エドガーは落とされた剣を拾うと、再び彼の前に構えた。
私はオランドの前に出ると、両手を広げノアとエドガーに立ち塞がる。
「……分かった。今日は帰る。明日ちゃんと話しをしよう」
ノアが出て行く。
彼らが立ち去り、扉が閉まった瞬間、膝から崩れ落ちた。
それを支えてくれたのは、オランドの大きな手だ。
「アデルさま」
「ありがとう。助かりました」
彼は私の腰に手を添え、倒れないように支えてくれる。
「もうお休みください。明日で全てが終わります」
「そうね。あなたも驚かせてしまったわ。ごめんなさい」
「いいえ。たいしたことではありません」
彼は穏やかに微笑むと、私を部屋まで送り届けた。
「ではまた。お休みなさい」
寝支度を済ませ、一人ベッドに腰掛ける。
この部屋でこの景色を眺めるのも、これが最後だ。
もう二度と、見ることはない。
駆け込んで来たノアの、あの取り乱した姿に涙が滲む。
ダメよ、しっかりしなければ。オランドの言う通り、明日には全てが終わる。
私たちは本当の意味で解放されるのだ。
「男性から誘わなければ、誘われることはございませんわ」
ノアにはノアの世界があって、彼には彼の自由があるのなら、私にも私の世界があって、私の自由もある。
そうありたいと思うならば、より一層私たちは、何者にも縛られない存在でないといけない。
「なら、私からお誘いするのは、アデルさまだけですね」
「今はその方が無難かと」
「誘われた女性は、お断りすることは出来ないのですか?」
「もちろん出来ますが、そうと分からないようにお断りするのがマナーです」
「随分と難しいものですね」
あぁ。きっと、お父さまやお母さまが私を国外へ逃したのも、ノアがこの小さな緑の館を出て城に入ったのも、きっとこういう気持ちだったに違いない。
私はそれを、ずっと勘違いしていた。
だから今度は、私がそれを返す番なんだ。
オランドが私の手を引いた。
大きくターン。
そこからすぐに立て直す。
「すっかりお上手になられました」
「アデルさまと踊っていない時は、どうすれば?」
「他の方とおしゃべりをなさっていて。きっとオランドはモテモテよ」
「はは。だといいのですが」
そうやって、私の周囲の人たちが幸せになるのならば、私がそのお役に立てるのならば、私が父の後ろ盾になれたと言われたように、今度はノアの後ろ盾になりたい。
先も分からない、名もないどこかのただの娘と婚約をさせられる、幼い第三王子などという弱い立場ではなく、他国に強い繋がりのある、立派な王族の一員として、ここで認められるように。
私はそういう存在になりたい。
オランドの雄々しい顔が近づき、耳元でささやく。
「困っている時は、助けに来てください。合図を決めておきますか?」
「ふふ。そうね、何がいいかしら」
「左手で右の耳を触るというのはどうでしょう」
「いいアイデアね。ではそれで」
不意に、騒ぎが聞こえてきた。
エントランスで侍従たちが慌てている。
駆けてくる足音が聞こえ、乱暴に扉が開かれた。
オランドは私を背に隠すと、スラリと剣を抜く。
「アデル!」
飛び込んで来た男との間に、オランドが立ちはだかる。
鍛え抜かれた体で構えた剣に、ノアは立ち止まった。
それを見たエドガーも剣を抜く。
「何者だ、控えよ!」
「ノア! お待ちください。この者は怪しい者ではございません!」
オランドを押しのけ、私は前へ出た。
「アデル!」
ノアは私の背を抱きしめる。
飛びつきすがりつくように、きつく抱きしめた。
「アデル、アデル!」
ノアの体が汚れている。
服も髪もボロボロだ。
どれだけの距離を、馬で飛ばしてきたのだろう。
ノアはオランドをにらみ見上げた。
「何者だ。誰の許可を得てここにいる!」
「ノア。この方は私の護衛役です。父の遣わせたナイトです」
「父? シェル王国の?」
「そうよ。だから、心配しないで」
「どういうことだ」
「どういうことって、そういうことよ」
ノア。どうして帰ってきたの?
いっそ顔を見なければ、このまま綺麗にお別れ出来たのに。
ノアのミルクティー色の髪が、その髪によく似合う、懐かしい深いグレーの目が、私を見る。
「アデル、話しがある。ちょっといいか」
「今日はもう遅いわ。それに……」
「アデル!」
ノアが私の腕を強く掴んだ。
このまま彼と二人きりになったら、私がどうなってしまうか分からない。
「今日は、この館で最後の夜よ。それを台無しにしないで」
「最後? どういうことだ!」
「明日はお城で、私を迎えに来た使節団との宴があるの。そこで正式にお暇を頂いて、私はこの国を発つわ」
「なんだって? いつの間にそんなことになった。どうしてそんな大切なことを、自分一人で決めたんだ。僕が帰って来るまで、どうして待てない!」
返事が出来ない。
私には答えられない。
ノアはここに来るまでの間に、そんなことすら考えられなかったの?
ちょっと考えれば、すぐに分かることじゃない。
掴まれる腕が痛い。
逃げ出したいのに、逃げられない。
今さら何を言ったって、私たちの意志ではどうにもならないことなのに。
「アデル! 君はそれでいいのか? それを自分で、君は許可したのか!」
オランドと目が合った。
私は左手で、右の耳に触れる。
それを確認したオランドの手が、私の両肩に乗った。
「ノアさま」
彼はあくまで穏やかに、ノアに話しかける。
「明日は大切な宴がございます。本日はお疲れでしょう。早く城へお帰りになって、明日に備えた方がよろしいかと」
「その手を離せ!」
オランドはそんなノアに対しても、全く物怖じすることなく私をのぞき込む。
「アデルさま」
「……。ノア、痛い。離して」
彼の怒りに満ちた目が、私を貫く。
それでも、掴んでいたノアの手が離れた。
その瞬間、オランドはその隙間に入り込む。
「今宵はお引き取りを。明日またお会いしましょう。その時にゆっくりお話しをされては?」
「エドガー!」
抜かれた剣が宙を斬る。
響き合う金属音に、侍女たちは悲鳴を上げた。
オランドの剣はエドガーの剣を弾き返す。
それを上から押さえつけると、すかさず体を寄せ腹に肘を打ち込んだ。
オランドの剣が、エドガーの手からそれを払い落とす。
「ノア! 乱暴はやめて! こんなことしないで!」
「……。アデル、君は本当にそれでいいのか?」
「お願い、今日はもう帰って! こんなことをするために、あなたは帰ってきたの?」
頬を涙が伝う。
エドガーは落とされた剣を拾うと、再び彼の前に構えた。
私はオランドの前に出ると、両手を広げノアとエドガーに立ち塞がる。
「……分かった。今日は帰る。明日ちゃんと話しをしよう」
ノアが出て行く。
彼らが立ち去り、扉が閉まった瞬間、膝から崩れ落ちた。
それを支えてくれたのは、オランドの大きな手だ。
「アデルさま」
「ありがとう。助かりました」
彼は私の腰に手を添え、倒れないように支えてくれる。
「もうお休みください。明日で全てが終わります」
「そうね。あなたも驚かせてしまったわ。ごめんなさい」
「いいえ。たいしたことではありません」
彼は穏やかに微笑むと、私を部屋まで送り届けた。
「ではまた。お休みなさい」
寝支度を済ませ、一人ベッドに腰掛ける。
この部屋でこの景色を眺めるのも、これが最後だ。
もう二度と、見ることはない。
駆け込んで来たノアの、あの取り乱した姿に涙が滲む。
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私たちは本当の意味で解放されるのだ。
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