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文明と崩壊、そして
始まり
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——自然との共存を図っていた。
でもそれは、俺のエゴだったのかも知れない——。
クオオオオオ——!!
ビシャ——!!
「なっ、なんだ…?!」
遠くから、しかし確実に聞こえるほど大きな音が聞こえて、慌てて俺たちは森を飛び出した。
「な……っ?!」
そこで見たものは、まさに「怪獣大合戦」とでもいうべきものだった。
以前と同じ個体かは分からないクラーケンと、同じくらい巨大なウミヘビが、その身体を叩きつけ合い、さらには規模の大きな魔法を撃ち合っていた。
ゴウッ、とウミヘビの尾が風を鳴らし、クラーケンの胴体を殴りつける。
クラーケンが海面にぶつかる、それだけで大きな波が陸地に押し寄せた。
クラーケンが雷撃をウミヘビへと放つ。
強い電流はウミヘビの肌を焼き、ジュウと音を立てて焦げついた。
余波を受けた海の生物達が、波に、電撃にやられ、ぷかぷかと浮かんでくる。
(海の生き物たちが、死んでいく……)
しかし、俺にやつらを止める術はない。
声を届ける事も、あんなに大きな生き物を物理で止める事も、何もできる気がしなかった。
(どうすればいい…? このままだと、いつか陸地にまで攻撃が飛んでくるかも知れない)
恐ろしい、しかし決して有り得なくもない予測に、身の毛がよだつ。
同じ考えに辿り着いただろう、他の陸上の生物たちも、我先にと山の方へと逃げて行く。
(ハジメ! ハジメも にげよう…!)
セカンドが身体を押してくるが、俺は今回ばかりは逃げる気は無かった。
「——いや、俺はここで見届ける」
それが義務だと思った。
戦う事はできなくても、全ての生物を生み出した俺の。
(っ、じゃあ ぼくも のこる…!)
その思念に、恐れを滲ませながら、それでも残ると言ってくれたセカンド。
(ぼくは さいごまで ハジメといっしょだ…!)
強い強い決意と共に、同じ道を歩んでくれると誓ってくれた。
「……ああ、ありがとうセカンド」
ひとりは心細かったけど、セカンドが居るからそれも和らいだ。
——ギュオオオオ!
クラーケンの、力を振り絞るような声が聞こえる。
体側面の発光器が強く光り輝いて、魔力を溜めている事が分かる。
「っセカンド、大技が来るぞ…っ!」
(うん…っ)
クラーケンの姿がその光で掻き消えるほど眩く輝いた直後、広範囲に雷撃が放たれた。
ギシャ——……。
流石に至近距離で食らったウミヘビは、為す術もなく。バッシャーンと大きな音を立てて海の中へと沈んでいった——。
(——終わった?)
そっと確認すると、戦いの終わったクラーケンも海へと戻って行くところだった。
陸地への被害が軽微だった事に、俺はホッと息を吐く。
——しかし。
ゴゴゴゴゴゴ——。
(っ?!)
大地が大きく揺れ、身体が振動で飛び跳ねる。
「な、なんだ…?!」
それが、全ての“始まり”であった事に、まだ俺は気付いていなかった。
でもそれは、俺のエゴだったのかも知れない——。
クオオオオオ——!!
ビシャ——!!
「なっ、なんだ…?!」
遠くから、しかし確実に聞こえるほど大きな音が聞こえて、慌てて俺たちは森を飛び出した。
「な……っ?!」
そこで見たものは、まさに「怪獣大合戦」とでもいうべきものだった。
以前と同じ個体かは分からないクラーケンと、同じくらい巨大なウミヘビが、その身体を叩きつけ合い、さらには規模の大きな魔法を撃ち合っていた。
ゴウッ、とウミヘビの尾が風を鳴らし、クラーケンの胴体を殴りつける。
クラーケンが海面にぶつかる、それだけで大きな波が陸地に押し寄せた。
クラーケンが雷撃をウミヘビへと放つ。
強い電流はウミヘビの肌を焼き、ジュウと音を立てて焦げついた。
余波を受けた海の生物達が、波に、電撃にやられ、ぷかぷかと浮かんでくる。
(海の生き物たちが、死んでいく……)
しかし、俺にやつらを止める術はない。
声を届ける事も、あんなに大きな生き物を物理で止める事も、何もできる気がしなかった。
(どうすればいい…? このままだと、いつか陸地にまで攻撃が飛んでくるかも知れない)
恐ろしい、しかし決して有り得なくもない予測に、身の毛がよだつ。
同じ考えに辿り着いただろう、他の陸上の生物たちも、我先にと山の方へと逃げて行く。
(ハジメ! ハジメも にげよう…!)
セカンドが身体を押してくるが、俺は今回ばかりは逃げる気は無かった。
「——いや、俺はここで見届ける」
それが義務だと思った。
戦う事はできなくても、全ての生物を生み出した俺の。
(っ、じゃあ ぼくも のこる…!)
その思念に、恐れを滲ませながら、それでも残ると言ってくれたセカンド。
(ぼくは さいごまで ハジメといっしょだ…!)
強い強い決意と共に、同じ道を歩んでくれると誓ってくれた。
「……ああ、ありがとうセカンド」
ひとりは心細かったけど、セカンドが居るからそれも和らいだ。
——ギュオオオオ!
クラーケンの、力を振り絞るような声が聞こえる。
体側面の発光器が強く光り輝いて、魔力を溜めている事が分かる。
「っセカンド、大技が来るぞ…っ!」
(うん…っ)
クラーケンの姿がその光で掻き消えるほど眩く輝いた直後、広範囲に雷撃が放たれた。
ギシャ——……。
流石に至近距離で食らったウミヘビは、為す術もなく。バッシャーンと大きな音を立てて海の中へと沈んでいった——。
(——終わった?)
そっと確認すると、戦いの終わったクラーケンも海へと戻って行くところだった。
陸地への被害が軽微だった事に、俺はホッと息を吐く。
——しかし。
ゴゴゴゴゴゴ——。
(っ?!)
大地が大きく揺れ、身体が振動で飛び跳ねる。
「な、なんだ…?!」
それが、全ての“始まり”であった事に、まだ俺は気付いていなかった。
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