【完結・R18】祈りより深く、罪より甘く

とっくり

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 一方、その頃のレアとアルノー。

 二人の関係は、隠すという段階をとうに越えていた。

 夜だけでは、なくなっていた。
 外商として屋敷を訪れる白昼でさえ、人払いを命じ、扉に鍵を掛け、レアはアルノーを拒むことなく――理性を手放すように、その腕に堕ちていった。

 むしろ――
 相手に求めさせ、縋らせ、理性を失わせることに、レアは歪んだ安堵を覚えていた。

 夜も昼も、境目はとうに失われている。
 この日も、白日の下で、二人は寝台に沈み込んでいた。

 その頻度が、すでにであることに、気づかぬのは当人達だけだった。

 アルノーはレアの秘部に顔を埋めている。

「レアの……美味しい…」

 アルノーは、うっとりとした表情を浮かべる。滴る愛液を舐めるたび、卑猥な水音が室内に響く。

「あんっ……アル…、もっと…舐めて…んんっ」
「ああ、レア…可愛い…」

 巧みに舌を使い、レアの蕾を重点的に攻める。

「レアが気持ちよくなれる所を、いっぱい可愛がるから……」
「あぁんっ、そこ、そこなのっ!あん、」

 レアの身体がビクッと跳ねるように震え始める。蕾を舐めまわし、口に含んでは甘噛みを繰り返した。

「……レア、気持ちいいね?なかも弄ってあげないとね」

 肉襞から愛液が溢れ出て、トロトロになった膣口なかに指をかき入れる。

「んんっ、あんっ!!それ好き……気持ちいいっ、もっと、かき回してっ!あぁんっ」
「レアのなか…いやらしく指を咥え込んでるよ…」
「ああっ!!ダメっ!あぁっっ!!」

 膣奥から噴き出した透明な液体が、熱い飛沫となって、アルノーの手や顎をしとどに濡らした。

「……レアは最近、たくさん潮が吹けるようになったね」
 
 びしょびしょになったレアの秘部を拭うように、再び彼は舌で舐めまわす。

「あん……アル…」
「レア、今度、出る時はちゃんと言うんだよ?」
「んんっ、…あん、わかった…あぁ、気持ちいい…」

 蕾を舌で転がされ、指でなかをかき回すように律動され、レアの下半身に熱が溜まる。

 快楽に支配されたレアの瞳はうつろになり、喘ぎ声が大きくなっていた。

「レアのいやらしいここがうねっているよ…指だけでいいの?」
「あぁんっ、ダメ…、あん、アルの硬いの挿れてくれなきゃダメ…っ!」

 懇願するように、レアはアルノーの首に腕を巻きつけた。

 アルノーは潤んだ秘部に肉棒を一気に挿入した。

「ああん、広がるっ、あん、気持ちいいっ」
 蜜道が押し広げられる感触に、レアは嬌声をあげる。

「レアが大好きな奥を‥たくさん突くよ……っ、」

 レアのなかうごめくと、アルノーは激しく腰を律動させた。

 肉棒の先端が奥に当たると、レアの全身は、電気が走るような快楽と浮遊感を繰り返す。

「はぁ、はぁ、アルっ、アルっ!!んんんっ……!!」
「レア、愛してるっ」
 彼はレアを貫くたびに愛を囁いた。

 快楽の解放を求めて、アルノーは無心に腰を振り続ける。肉棒が奥に打ち付けられるたびに、レアの絶頂も近くなっていた。

「んんっ、はぁ、はぁ、レア……そろそろ出そうっ…」
「あぁんっ、はぁんっ、ああっ!あんっ、奥に、たくさん出して…アルの熱いの、いっぱい欲しいのっ!」
 
 お互いに、昇りつめていく快感に息が上がっていく。

「はぁ、はぁ、熱いの、お願いっ。なかにたくさん出して!!あぁんっ、ああっ」
「っ、……レア、出るっ、たくさん出すよ、ああっ!!」

 レアが叫び、すでに絶頂の痙攣を起こしはじめた。アルノーも昇りつめ、白濁した液体をほとばしらせた。

「はぁ、はぁ、はぁ、レア……」
 最後まで射精する肉棒はビクビクとレアのなかで動く。

「あ、あぁ…アル……」

 絶頂を迎えたレアは満足そうに微笑む。
 アルノーは口づけを落としながら、秘部に指を添える。

「ああ、レア、中から出てきてるよ…」
「あん、アルがたくさん出すからよ?」
「もう一度、良い?」

 若い男の視線が熱くたぎり、自分だけを追う。

 その狂信的な熱に包まれている間だけ、
レアは“選ばれなかった妻”であることを忘れられた。

 アルノーは、もはや完全にとなっていた。

 婚約者の名は、いつの間にか彼の口から消えていた。

 両親からは何度も呼び出され、婚約者を大切にしろと叱責されたが、その言葉は耳を素通りするだけだった。

 商会の仕事でさえ、今の彼にとっては意味を失っている。

 それは、ただレアに会うための名目にすぎず、彼自身の人生さえも、静かに侵食され始めていた。


***


「……レア。今日は、少し顔色が悪いね」

 ある日、いつものように身体を重ねたあと、余韻の残る寝台で、アルノーが低く囁いた。

 シーツにはまだ二人の熱が残り、窓から差し込む午後の光が、レアの白い肩をやわらかく照らしている。

「……無理をさせすぎたかな?」

 そう言って、アルノーはレアの頬に指先で触れた。その仕草には、独占と愛情が入り混じっていた。

「まさか」

 レアは喉で小さく笑い、彼の手を取って自分の胸元へ引き寄せる。

「少し疲れているだけよ。アルが気にすることじゃないわ」

 その声は甘く、気だるく、いつもと変わらなかった。アルノーはそれ以上追及せず、再び彼女を抱き寄せる。

 けれど――
 その日を境に、レアの身体は、確実に変わり始めていた。

 朝、寝台から起き上がるだけで、胸の奥がざわつく。
 食卓に並ぶ料理の匂いに、理由もなく吐き気が込み上げる。
 夜になれば、些細なことに苛立ち、感情が抑えきれなくなる。

 それに最初に気づいたのは、侍女のミレイユだった。

 長年、主の身の回りに仕えてきた女の、言葉にしない確信だった。

「……レア様」

 ある朝、鏡の前で顔色の悪い主を見て、ミレイユは慎重に声をかけた。

「念のため……医師をお呼びしたほうがよろしいかと」

「大げさよ!」

 レアは、鋭く言い放った。

「少し疲れているだけ。そんなことで騒がないで」

 拒絶の言葉は強かった。
 けれど、その奥で、レア自身の心臓が早鐘を打っているのを、彼女ははっきりと自覚していた。

 ――まさか。
 ――そんなはずはない。

 冷たい予感が、胸の底でゆっくりと形を成していく。

 それでも、レアはそれを振り払うように、唇を噛みしめた。

 この変化を認めるわけにはいかなかった。



 

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