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ちさの章ーわたしの家族を紹介しますー
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その先には目を見張る、まさに緑あふれる広い庭があります。
さまざまな種類の植物や花が咲き誇り、その瑞々しさに手入れが行き届いていることが分かります。
そしてその奥に、しっかりとした造りの純和風の家が。
そこが、境木家です。わたしと社の自宅であります。
「おい、俺が木から落ちてきたこと兄貴たちには絶対に言うなよ。絶対だからな」
玄関前に辿り着いた社はわたしに釘を刺してきます。
彼は意外とヘタレです。わたしは仕方なくうなずいてやりました。何と兄思いなのでしょう。
そんなわたしを胡散臭そうな目で一瞥すると(失礼な奴です)、社は玄関の引き戸を一気に開けました。
しかし社は『ただいま』を言いません。それこそお兄ちゃん達に怒られるんじゃないかと思いますが、すぐにパタパタとスリッパの音が家の奥から聞こえてきました。
「お帰りなさい、社、ちさ。今日もお勉強お疲れ様でした」
柔らかい声と共に現れたその人物は、ふわりと優しく笑いました。
顔色こそ悪いですが細面の、びっくりするほど綺麗な顔立ちをしています。まつげも長くて、うらやましいくらい自然にカールしています。
色素の薄い長髪に、淡い色の着流し。そして黒いエプロン。
一見女の人みたいですが、立派な男性です。
彼はわたしの二番目の兄、境木カイ。年齢は22歳です。
さまざまな種類の植物や花が咲き誇り、その瑞々しさに手入れが行き届いていることが分かります。
そしてその奥に、しっかりとした造りの純和風の家が。
そこが、境木家です。わたしと社の自宅であります。
「おい、俺が木から落ちてきたこと兄貴たちには絶対に言うなよ。絶対だからな」
玄関前に辿り着いた社はわたしに釘を刺してきます。
彼は意外とヘタレです。わたしは仕方なくうなずいてやりました。何と兄思いなのでしょう。
そんなわたしを胡散臭そうな目で一瞥すると(失礼な奴です)、社は玄関の引き戸を一気に開けました。
しかし社は『ただいま』を言いません。それこそお兄ちゃん達に怒られるんじゃないかと思いますが、すぐにパタパタとスリッパの音が家の奥から聞こえてきました。
「お帰りなさい、社、ちさ。今日もお勉強お疲れ様でした」
柔らかい声と共に現れたその人物は、ふわりと優しく笑いました。
顔色こそ悪いですが細面の、びっくりするほど綺麗な顔立ちをしています。まつげも長くて、うらやましいくらい自然にカールしています。
色素の薄い長髪に、淡い色の着流し。そして黒いエプロン。
一見女の人みたいですが、立派な男性です。
彼はわたしの二番目の兄、境木カイ。年齢は22歳です。
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