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慶弥の章ー脇役でも全力の男ー
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消えた俺を探していたショー仲間にこっぴどく叱られた後、ギリギリで俺は準備を間に合わせた。
アナウンスが流れ、いよいよ出番だ。
明るい照明をマスク越しに感じながらステージに登場する。
悪役の登場に子供達からブーイングやら悲鳴が起こるが、俺のやる気はヒートアップするばかり。楽しんで役を精一杯こなす。
視界に、観客席にいる侑兄達が映った。
見えやすいようにちさを抱えている侑兄、無表情で悪役を応援するちさ、下を向いてゲームをしている社(観ろよぉ!)、祈るように両手を組んで不安げに見つめるカイ兄。
ったく、それぞれ性格が出てんな。
『もしかして貴方は……』
先日言いかけた、カイ兄の言葉を思い出す。
俺はレッドと戦いながらマスクの下、口角を上げた。
――ごめんな、カイ兄。多分あんたの心配は当たってる
怒られるだろうけど、俺はそうしないと先に進めないんだ。
でも、絶対に侑兄達には迷惑はかけないから。
全部、俺一人で決着をつけるから。
アナウンスが流れ、いよいよ出番だ。
明るい照明をマスク越しに感じながらステージに登場する。
悪役の登場に子供達からブーイングやら悲鳴が起こるが、俺のやる気はヒートアップするばかり。楽しんで役を精一杯こなす。
視界に、観客席にいる侑兄達が映った。
見えやすいようにちさを抱えている侑兄、無表情で悪役を応援するちさ、下を向いてゲームをしている社(観ろよぉ!)、祈るように両手を組んで不安げに見つめるカイ兄。
ったく、それぞれ性格が出てんな。
『もしかして貴方は……』
先日言いかけた、カイ兄の言葉を思い出す。
俺はレッドと戦いながらマスクの下、口角を上げた。
――ごめんな、カイ兄。多分あんたの心配は当たってる
怒られるだろうけど、俺はそうしないと先に進めないんだ。
でも、絶対に侑兄達には迷惑はかけないから。
全部、俺一人で決着をつけるから。
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