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閑話ーお小遣い戦線ー
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「お小遣い? ハナちゃんは確かまだ小学1年生ですよね。もうあげてるんですか?」
ハナとは櫨倉の一人娘だ。弁護士の彼女はシングルマザーでもある。侑の言葉に櫨倉は「当たり前でしょう」と鼻で嗤った。
「金銭感覚も身に付くし、友達付き合いもあるし。……まさかあんた、弟と妹にあげてないの?」
「いえ、昨年からあげてますよ」
「駄目よぉ~今時の子は色々と大変なんだから」
櫨倉は人の話を聞かない。対話が基本の弁護士としてどうなんだと思うが、侑はその前にある事が気になった。「ちなみに……いくらあげてます?」と訊ねる。
櫨倉はスケジュールを確認しながらあっさり言った。
「3000円よ」
世間の相場を知らなかったので、軽い気持ちで訊いた侑は物凄いショックを受けた。
その夜、境木宅にて。社とちさが眠ってから、侑はカイと慶弥を居間に呼んだ。
家族会議だ。
「どうしたんです?」「何なんだよ」と口々に問う弟たちに、目を瞑って座していた侑はカッと開眼する。
「社とちさのお小遣いを……値上げしようと思う」
ハナとは櫨倉の一人娘だ。弁護士の彼女はシングルマザーでもある。侑の言葉に櫨倉は「当たり前でしょう」と鼻で嗤った。
「金銭感覚も身に付くし、友達付き合いもあるし。……まさかあんた、弟と妹にあげてないの?」
「いえ、昨年からあげてますよ」
「駄目よぉ~今時の子は色々と大変なんだから」
櫨倉は人の話を聞かない。対話が基本の弁護士としてどうなんだと思うが、侑はその前にある事が気になった。「ちなみに……いくらあげてます?」と訊ねる。
櫨倉はスケジュールを確認しながらあっさり言った。
「3000円よ」
世間の相場を知らなかったので、軽い気持ちで訊いた侑は物凄いショックを受けた。
その夜、境木宅にて。社とちさが眠ってから、侑はカイと慶弥を居間に呼んだ。
家族会議だ。
「どうしたんです?」「何なんだよ」と口々に問う弟たちに、目を瞑って座していた侑はカッと開眼する。
「社とちさのお小遣いを……値上げしようと思う」
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