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閑話ーお小遣い戦線ー
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そう、長い話し合いの末に800円となった。
明け方に決まったので皆頭が回ってなかったが、とりあえず近くの市内ではぐれた場合に交通機関で帰って来れる距離とした。弟妹たちが困らないように。
侑たち大人組は、当然ちさと社は喜ぶものと思っていた。ところが。
「いい……300円で……」
「俺も」
なんと、幼い弟妹たちはそれぞれ500円を返してきたのである。大人三人は「えっ」と目が点になった。「な、なんで?」と慶弥が訊くと、ちさは無表情でぽそぽそ応える。
「駄菓子……300円でいっぱい買えるから」
「俺も特に困ってねーし」
欲のない小学生に侑たちは感動した。
本当は―――社とちさは家にお金が無い事を知っているので遠慮しただけだが、そうとは知らない大人たちは弟妹を存分に褒めたのだった。
明け方に決まったので皆頭が回ってなかったが、とりあえず近くの市内ではぐれた場合に交通機関で帰って来れる距離とした。弟妹たちが困らないように。
侑たち大人組は、当然ちさと社は喜ぶものと思っていた。ところが。
「いい……300円で……」
「俺も」
なんと、幼い弟妹たちはそれぞれ500円を返してきたのである。大人三人は「えっ」と目が点になった。「な、なんで?」と慶弥が訊くと、ちさは無表情でぽそぽそ応える。
「駄菓子……300円でいっぱい買えるから」
「俺も特に困ってねーし」
欲のない小学生に侑たちは感動した。
本当は―――社とちさは家にお金が無い事を知っているので遠慮しただけだが、そうとは知らない大人たちは弟妹を存分に褒めたのだった。
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