高殿アカリ

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気が付けば、あの日から私の背中には羽が無くなっていた。



私を置いて、好き勝手に空を飛んでいるのかもしれない。

はたまた、私の心の中でのんびりと泳いでいるのかもしれない。



私は私の羽で空を飛ぼうとして、結果うまくはいかなかった。

けれども、私の世界は確かに変わった。



取り巻く悲惨な世界は相変わらず醜く濁ってはいたけれど、私はそこに一つの光を見出した。

そしてその一筋の微かな光は、私の闘う理由になった。

私がこの世界で生きる十分すぎる光だ。



今までだって、気付かないようにしていただけで、本当はきっとそこら中に転がっていたのだ。

私が闘う権利を放棄してさえいなければ、きっとすぐに見つけることができたはずだ。



今、ここに宣言する。

私はすべてを賭けて闘おう。私が私であるために。



私にとって世界は決して優しくはない。残酷極まりないこの世界に私は闘いを挑むだろう。



長きに渡る闘いかもしれない。

けれども、私はこの世界が見捨てたものじゃないと思うから。決して、諦めない。



羽は誰しもが持っているものだ。



気付かないように心の奥底に隠してしまうのか。

かつての私のように一緒に深みへと自ら堕ちていこうとするのか。

もしくは、羽を自分の中から取り出し、外の世界へ羽をはばたかせてあげるのか。そ

れとも、自分の中の羽を愛し、受け入れ、共に歩んでいくのか。



世界は心底優しくはないけれど、私はそれでもいいのだと思う。



今はまだ全然苦しくても、いつかきっと、いつの日にかきっと、優しくない世界を許せる日が来ると思うから。

懐かしみ、愛おしくなる日がきっと来るから。



それまでは決して、信じることをやめないでいようと思う。
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