私は、ちいさな羽を持っている。
ちいさくてちいさくて、みすぼらしい羽を。
薄くて汚くて。ところどころ破れかけている、私の羽。

薄茶色に濁ったその羽で、私は空を飛ばんとしていた。
この身体さえ支えられないようなその羽で、身の程知らずにも青い空に溶け込まんとしていた。

私の穢れた羽よりも、薄汚くどす黒く濁った地上を後にして。

いつだって飛べるように。
必要なのは、タイミングと、孤独に耐える覚悟だけ。

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