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第45話 俺にできる事

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 俺の居た世界では10月10日

 ついに後一つだ。
 ドイツのベルリンに相当する場所に俺はやって来た。

 今日の供は、前田慶次、徳川家康、武田信玄、上杉謙信がそれぞれ5名の部下を引き連れ着いて来ている。
 慶次以外は大名であったが、藤吉郎さんに破れ従属を約束し、民の育成、差別の廃止に同意してくれた先見の明がある大名たちである。

 このベルリンの街では恐らくダンジョンがそこまで強くなかったのであろう。
 人々はなんとか暮らせてる状況で、街には人がおり商業も盛んなようだ。

 酒場があった。
 ここはドイツだ。
 もしかしたら?

 俺は、ビールを求めて酒場の中に入る。

 そして、たっぷりの泡と共にジョッキに注がれたそれを、俺は一気に口にした。

「違う……」 確かにビールだ、だが俺が求めた物ではない。

 このビールはぬるかった……
 文明的にまだ電気が通っているわけでもないから、しょうがないのかな。

 だがここで諦める訳にはいかないぜ。
 折角巡り合えた夢のまで見たビールとの再会を、最高のものにしなくては。

 キンキンに冷えたジョッキに入った冷たいビール。
 考えただけで幸せになれるぜ。

 俺は、雪にアイスブレスを使ってもらい樽ごと一気に冷やす。
 勿論ジョッキも一緒にだ!
 そしてもう一度思いっ切りビールを喉に流し込んだ。

 「ぷはぁああああ」

 これだ!満足したぜ!!

 皆にも勧めた。

 その日は酒場のビールが無くなるまで飲み続け、うまいソーセージとザワークラウトで満足した。

「ご主人様、ダンジョンいかないニャか?」TBに突っ込まれて、我に返った。
 
「あ……忘れてた。ここにビールがあるなら目的の半分は達成したも同然だから……」

「私は早く主の国に行って見たいよ」雪にも言われた。
 ちょっとだけ反省したぜ。
 
「そっかそれじゃぁダンジョン行こう。でも溢れ出してるモンスターも低階層のばかりだし、このダンジョンはそこまで強くないのかもな? 」

 全員に酔い覚ましの『ポイズンキュア』を飲んでもらいダンジョンに入る。

『ナビちゃんちょっといいかな?』
『いかがなさいましたか理様』

『ここは何番目かな?』
『【D150】でございます』

 ぇ……ここに来て今までで最強のダンジョンじゃん。
 なんで溢れてるモンスターは弱いんだろう。

 どうしようかな? この強いダンジョンを今無理して討伐しないといけない理由はない。

 もっと倒しやすいダンジョンにした方がいいかな。

『ナビちゃん、ここは後回しにしたほうがいいと思うけど、どうだろう?』
『理様がおっしゃるなら、それで構いませんが…… 大いなる力が手に入るダンジョンでもございます』

 うわー、悩みどころだな取り敢えず百階層まで行って、その後は慶次たちを帰してから、進めば何とか成るかな?
 どうせそのうち討伐しなきゃならないしね。

 D150の討伐をする事にした。
 ここは階段条件はモンスター討伐数だった。
 これなら時間掛からないかもな?

 そして5層まで下りた時に…… モンスターが弱いのしか外に出てない理由が解った。

 一面アビスワームがウネウネ動き回っている。
 これは強さとか無視で取り込まれちゃうよな。

 10匹程の全長500mをゆうに越すウネウネが絡み合っている。
 5層でこれって酷くねぇか? 

 雪がアイスブレスを全力で吐き、固まったアビスワームをTBが砕いていく。
 それから5層ごとにひたすらアビスワームが、LVサイズ共に巨大になって現れた。

 倒すのは難しくないけど、これはトラウマ案件だよな。

 上杉さんや徳川さんは虫が苦手っぽく、顔が青ざめてる。
 それでも、それ以外の敵は何とかなる範囲だったので、1週間で100層まで到達した。

 この百層では今までよりも更に大きく、しかも真っ赤なアビスワームが現れる。

 「なんか、赤いとミミズみたいだな」

 とは思ったけど。この階層に現れたワームは全長は1km程もある。
 しかも、鑑定してみると魔法耐性があった。
 弱点は、光属性か。

 洞窟ステージで太陽が出ていないからアポロンも使えないし【プルート】に光属性を纏わせ、刃渡り10mの巨大レーザーソードにして、ひたすら切り裂いた。

 30分近く斬り続け、ようやく倒す事に成功する。
 黒い霧に包まれて消えた後には、『次元の魔核』と表示されるドロップが落ちていた。
 今まで見たことも無いドロップだし、絶対元の世界に帰るのに必要なキーアイテムになりそうだな。
 
 ここまでで転移門を出し、一度大阪に戻った。
 この先は他のメンバーを守りながら進む事は難しいからだ。

 大阪に戻ると藤吉郎がたくさんの少女を眺めながらニマニマしていた。
 大丈夫かこのオッサン……

 声を掛けると「イエスロリータノータッチ」と言いながら近寄ってきた。
 何を勘違いしたのか、藤吉郎はこの言葉をありがたい経文かなにかと思ってる様だ。

 面倒臭いから別に訂正しないけどね!

 藤吉郎が世界を統べる為の行動の、進捗状況を確認をしアドバイスだけ与えると、俺は再びダンジョンに戻った。

 まぁ藤吉郎のやってること自体は、俺の考え方とそんなに違いがある訳じゃ無いし、好きにさせておこう。

 【D150】ダンジョンは101層になると敵も強く、そこから二月をかけようやく149層に辿り着く。
 中央部分にあるのはピラミッドこれもお約束だな。

 ここでワームに呑み込まれ、また別の世界に行くとか言う展開だけは、絶対に回避しないとな。

 だがここの中央部分で【鑑定】をかけて表示されたのは『ヴァハムート』を退治せよだった。
 ピラミッドが一気に黒い霧に覆われると、次の瞬間とてつもない威圧感を持つドラゴンが現れた。

 50m以上にわたる体躯、硬そうなうろこ、金色に輝く瞳、強さを全身が現している。

 俺は持てるすべての力を使い立ち向かう。

 手強い、戦いは既に半日に及ぶ、しかしヴァハムートも決して無傷ではないが、理性に満ちた瞳で俺を追い詰める。


 戦いがほぼ丸一日に及ぶ頃に、ヴァハムートが語り掛けてきた。

「強き人間よ、何を望み我に立ち向かう。その力があればこの世界は思うがままであろう。これ以上何を望む」
「理由か、俺は俺の手の届く範囲にあるもの、目に見える物を守りたい。悲しい顔を見たくない。それだけだ」

「面白い……我の力を授けよう。救って見せよ、謎を解き明かして見せよ」

 黒い霧に包まれたヴァハムートはその姿をスキルオーブへ変えた。
 これは、特別なスキルオーブなのか?

 早速使ってみるとスキル【神龍召還】ただ一つしか表示されない。
 迷わず取得する。

【神龍召還】ヴァハムートを召還使役する。
 スキルLVの成長で召還時間、能力が成長する。

『ナビちゃんちょっといいかな?』
『いかがなさいましたか理様』

『このスキルはここまでたどり着ければ、誰でも取得できるのかい?』
『辿り着きヴァハムートを倒すだけでは手に入りません。力を見せ、意志を見せ、希望を見せた者だけが、手に入れる可能性がございます』
 
『これだけの力を手にした俺は、ダンジョン討伐を完了する事は出来るの?』
『残念ながら現状では、【D155】のマスターにまだ遠く及びません。現【D155】マスターはコアLV12090を達成したコアとそのマスターの融合体でございます』

『ねぇナビちゃん、ダンジョンの目的って何なの?』
『破壊と創造でございます』

『今日はずいぶん色々答えてくれるんだね』
『まだダンジョンの核心に触れるには、予備知識程度でございます』


 さぁここのマスターを倒しに行くよ。



 ◇◆◇◆ 



9月2日(WED)

 俺達の学校では今日からは普通に授業が行われるんだけど、この夏休みの間に六本木ダンジョンのスタンピードなどを通じて、現在日本と世界の情勢は大きく変化してしまった。

 午前中はホームルームで、現在日本と世界が置かれている状況についての授業が行われることになった。

①ダンジョン発生から、現在までにおける被害状況
②各防衛都市における、収容者数と今後の方針
③日本における経済状況

④ダンジョンによって産み出された技術
⑤世界を取り巻く環境
⑥海外と日本の協力関係


 ◇◆◇◆ 


①現在ダンジョン発生による、モンスターからの被害で亡くなった方は、国内では人口の30%に及ぶ4千万人を超えている。

②国内に120箇所の防衛都市が築かれており、7千万人が暮らす。
 順次その数は増やしていく予定であり、今後作られていく防衛都市は役割を持たせる。(農業地区、工業地区、商業地区、教育地区、行政地区)等

③現在ではDITがほぼ100%のダンジョン産技術を保有しているため、エネルギー、交通、流通、医療の分野において、世界唯一のハブ機能を持ったD特区はまさに世界の中心となっている為、経済においても日本が世界をリードし始めた。

④言語翻訳機、転移門、魔導発電機、ポーション類、収納バッグ等 

⑤現時点で全52のダンジョンのうち国外でのダンジョン発生数は12個が確認されている。
被害状況は、IDCO加盟国で、確認できているだけで20億人規模で、非加盟国を合わせると30億人を超えると予想される。

各国ではまだ防衛都市が、圧倒的に不足しており被害は更に増える予想である。

⑥各国では現在IDCOを通じ、D特区で人員の育成強化を行い、自国においての防衛体制を構築している。
 各国独自での研究も行われているが、まだ未成熟であり、魔核をDITに納入する事により各種技術の供与を受けている。
 
 その為に、現代社会において魔核が世界貿易における基準通貨化してきている。

 

 ◇◆◇◆ 



「以上が現在の状況になるが、質問等があればレポートにして提出をしてくれ。これまでの一般常識だけでは判断が難しいことが多いので、先生だけの意見で回答をする事はせずより多くの意見を聞いたうえで回答を出して行きたいと思う」


 ◇◆◇◆ 


「改めて聞くと、被害が大きすぎてピンと来ないよな。萌と桜は今の話聞いてどう思った?」
「省吾君? ダンジョンって、この先もっと強くなっていくんだよね? 人類って生き延びる事は出来るのかな」

「諦めなくて済むように、精一杯の努力をするしか無いよね」
「でもさ、俺は必ず手段はあるんだと思うよ。きっとまだそれに気付ける人が居ないだけだと思うな。単純にダンジョンの目的が人類を滅ぼす事だとしたら、先の話にも出たようなダンジョン技術を身に付けさせる必要が無いだろ? きっとそれ以外の目的が存在するんだと思う」

「凄い考え方だな。確かに翔の言う通りだと思うぜ、人類の滅亡だけが目的なら、JOBやステータスアップの恩恵を与える必要は全くないよな」
「誰がどんな意志で、ダンジョンを作ったのかだよな」

「俺たちに今出来る事は、少しでも強くなる事くらいだよ」



 ◇◆◇◆ 



9月2日【DIT】本部

「島長官、防衛都市の外における、非合法な組織の暗躍が許容できない状況になって来ています」
「上田局長、現在の警察組織は来月以降、すべてDPDに吸収される事になる。人員の確保と育成を急ぎ、非合法組織に対抗出来る体制を整えてください」

「俺の管轄であった防衛省としても、航空、及び海上の自衛隊は、現状活動困難な状況に陥っている。各国の軍も同じ状況だ。自衛隊組織は年内に統合を行い、すべてPUの直轄組織として改変し、ダンジョン討伐を加速させる予定だ。相川頼むぞ」
「了解しました。しかし15万人に及ぶ人員の受け入れと、教育を行うための施設が不足しますね」

「私の管轄するDPDに置いても18万人の組織に膨れあがります。ダンジョンでの教育を行うまでは実務的には、役に立たない状況なので、受け入れるための施設不足は否めないですね」
「ダンジョン以外での訓練では、対処できないLVの敵に遭遇する可能性が高く、公的な機関としてリスクの大きい訓練は、許容することが出来ないからな」

「【D24】までのダンジョンは、現在すべて19階層まで進んでいるので、来週は一気に4つのダンジョンをクリアして、施設に追加できるようにしたいと思う」
「しかし国外は宗教絡みの問題もあったりして、どうしようもないな。比較的容易にクリアできるはずの【D13】エルサレムダンジョンが、現時点で世界最大の被害を引き起こしているのにも関わらず、各宗教間でお互いを非難し天罰が下っているとか言って、一向に討伐される気配を見せない」

「アメリカでさえこの問題に関しては、キリスト教擁護の姿勢を打ち出してしまっているので、介入することが出来なくなっているからな」
「現状では大きな被害を出してしまっていますが、その点では中国のほうが自分の利益だけを考える事が出来ているので、今後の被害は中国では抑えられていくと思います」

「現在日本が世界に対して与える影響はとてつもなく大きくなっている。この日本のリーダーを勤め上げる事が出来るのは、現総理である大泉洋二郎さんにしか出来ないと、俺と颯太は考えている。その為に先週発覚した事実、複数ダンジョンのマスターになれば万が一の事があっても、ダンジョンで復活が出来ると言う、事象を適用させる為、【D21】及び【D22】の討伐はリーダーとして、大泉総理自身に参加してもらうから、上田さんと相川さんも協力を頼むな」

「了解しました」
「最高の布陣で怪我一つ負わせる事無く、討伐を完了させます」


 ◇◆◇◆ 


9月7日(MON)

【D21】熊本ダンジョン

9月9日(WED)

【D22】函館ダンジョン

9月11日(FRI)

【D23】さいたまダンジョン

9月13日(SUN)

【D24】神戸ダンジョン

 は、順調に討伐された。

 内閣総理大臣、大泉洋二郎もダンジョンマスターとして、スキル保持者として、より大きな責任を背負い職務に立ち向かう事となる。

「総理には前線に立っていただく予定はありませんので、私の【アイテム複製】のような、内政系のスキルを取得して頂きたいと思います」

「俺も達也見たいにカ○ハメ波撃って、ガンガン敵倒したかったが、そういう訳にも行かないな」

「そういうのは、俺と颯太に任せとけばいいですよ」



 ◇◆◇◆ 



9月14日(MON)

「今日もがっつり頑張ったな」

【D特区】内のDGショップで換金を終えた4人組、翔、省吾、萌、桜は換金額の11万円を4人で均等に分け、今日は東雲さんに装備の相談を聞いて貰える事になっていたので、翔の家に向かった。

 19時になり東雲さんが帰宅してきた。
 今日は鹿内さん、真壁さん、音羽さんも一緒に来ていた。

「お帰りなさい東雲さん。鹿内さんたちもお疲れ様です」
「ただいま、翔君が女の子連れてくるとか聞いてたから、興味津々でみんな着いて来ちゃったよ」

「初めまして『山口萌』です。今日はよろしくお願いします」
「初めまして『梅野桜』です。お会いできるのを楽しみにしていました」

 とりえず自己紹介を終えると少し緊張もほぐれたみたいだった。

「私は鹿内さんに憧れていましたのでお会いできて光栄です」
「あらそうだったの萌ちゃん? 何でもお姉さんに聞いてね」

「取り敢えずご飯にしようか」と、東雲さんが言って、女性陣達がみんなで夕食の準備を始める。
 桜と萌は今日はお客様だからゆっくりしていてと言われて、リビングでお皿の準備だけをして翔たちと会話を始めた。

「聞いてはいたけど、こんなに凄い家だなんて、めちゃ羨ましいよ」
「ほんと、私たちもここに住んじゃいたいよね」

「そう言えばさ、桜と萌はお母さんはご健在なんだよね? 兄弟とかいるの?」
「私は一人っ子だね、お母さんは防衛都市で仕事してるよ」と桜が言うと、萌は「私は妹と弟が一人ずつで、まだ小さいからお母さんも仕事に行けなくて、国からの補助と私の稼いで来るお金で何とかって感じだよ」

「そっかぁ、大変そうだな。俺達に出来る事があれば言ってくれよ」

省吾が結構男気を出していた。

「俺は実際父さんとは8歳の頃から全く会っても無いから、本当の所はこのままでいいのか結構悩んだりするんだよな。東雲さんの負担になってるだけなんじゃ無いかとか、気にしだしたら眠れないくらいにさ」と、言うと
「そんな事考える必要は無いよ。私がそうしたいからしてるだけだよ」って東雲さんが言ってくれた。
 
 すると鹿内さんが
「そうね、きっと東雲さんが翔君を迎えに行って無かったら、私が迎えに行ってたよ。理由はそうね、翔君のお父さんの事を何とかしたいからかな?」

 その発言に萌が喰いついた。
「なんとかってもしかしたら、男女間の何とかですか?」
「そうよ、岩崎さん程のお金持ちになっちゃうとさ、逆に下心なんて有りませんなんて言って近づく方が不自然ですもの」

「少なくとも、DITの女性はみんな何とかなりたいと思ってるのは事実だよ。だって今でも資産3兆円だからね。しかもどんどん勝手に増えて行っちゃってるしね」と、真壁さんも鹿内さんと同意見の様だった。
「私はもう少し純粋な好意のつもりですけどね」と、東雲さんはまだ恋愛に憧れてる感じだった。

「なんか大人って感じの会話ですね。私はもう少し恋愛に夢を見たいな」と桜が言うと、音羽さんが
「歳とともに、見る夢のレベルが変わって来るのかな?」と言った。

「私達なんかは一応キャリアって呼ばれて、一般の人たちよりは高給取りだから今以上を求めると、ちゃんと恋愛感情も持てる人って中々居ないのよね」
「会話の内容が怖いです」

 俺と省吾は恋愛話系は苦手だから無理やり話を変える事にした。
 省吾と二人の時に話す下ネタなら大丈夫なのに、女の人を目の前にしてガチの恋愛論を聞かされると、反応のしようが無いよね?

「話は変わりますけど、魔法職の人に向いてる装備ってどんなのが良いんですか?」
「今私は、精神力を高める装備で固めてるわね。白魔法の回復メインの人だったら知識中心が良いですね」と鹿内さんがすぐに反応してくれた。

「賢者のJOBなんかだったら、装備はガチガチに防御に振って、あとはアクセサリーで補うのもオススメですよ」
「そうなんですね私は魔導師までしか出なかったから、精神を上げるのが良いかな」
 萌が真面目にメモを取りながら聞いている。

「JOBって最初に出た以外には、取得する方法は無いんですか?」と、桜が質問すると
「出るわよ後からも、条件は厳しいけどね」と、東雲さんが教えてくれた。

「どんな条件何ですか?」
「それはね、取得しているJOBのLVを最大の99まで上げる事ね」

「私が今LV195なんだけど、JOBは最初の剣士でさえまだ80だから、かなり大変だよ」
「でも、JOBマックスで、出る事が解ってるって事は、誰かが達成してるんですね」

「鋭いわね、島長官が達成してるわ」
「殆どの人はJOBも取得30ポイントのJOBが最高になるから、それ以上の取得ポイントのJOBに就ける人はかなり、恵まれてるのよ」

「DITで把握してる範囲だと傾向的には、JOBを取得する時のイメージじゃなくて、常日頃から描いてる、なりたい自分に対しての想いが強く影響してる様ですね」

 今日はたくさんの情報を聞く事が出来たけど、この情報をJOB取得前に聞く事が出来てたら、俺や萌達も、違う結果になってたのかな?



 ◇◆◇◆ 

 

 今日も賑やかで楽しく過ごした。
 みんなが帰って、ベッドに潜り込むと最近いつも思う事がある。

 俺の存在って何なのかな? 今の俺は何もかもがすべて中途半端だ。
 父さんの残してくれた物が何も無かったら、俺は普通の高校生なだけだし、俺にしか出来ない事か……

 見つけてみよう。
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