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第66話 バトルロイヤル
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身長も2m近いレオンは真っ赤な刀身の大剣を、大上段に構え一気に踏み込んでくる。
それに対して賢者であるシュタットガルドがどう受け止めるのか、俺も非常に興味を持った。
その対応に俺は目を疑った……
シュタットガルド…… あんた賢者なんだろ?
魔法で戦うんじゃないのかよ……
いや…… 確かに魔法は使った……
身体強化なのか? その普段は160㎝前後の身長でどちらかと言えば華奢とも取れる身体が、瞬時にレオンと変わらぬ190㎝越えになり、筋骨隆々とした体つきに変わる。
身につけた衣服もその体格の変化を抑えきれずにはじけ飛ぶように散った……
散っただけでは無く、シュタットガルドの周囲を渦を巻く様に廻っている。
それにも構わずレオンはまっすぐに突っ込み、その手にした大剣を振り抜いた。
明らかに直撃の位置に正確に打ち込まれた斬撃に、一撃で勝負は合ったと誰もが思った筈だ。
「あら。坊や結構本気で相手してあげてるのね」
俺の横でそう呟いたのは、メーガンだった。
レオンが大剣を振り抜いた後には、誰も居なかった。
その直後。
俺は再び目を疑う。
シュタット爺ちゃんが4人に分身して、筋肉質な体が手に持った杖を見事なバッティングフォームで、水平に振り抜いた。
俺の目からでも、どれが本物なのか解らない。
しかし……
結果を見ると4人の爺ちゃんが降り抜いた杖は全て、レオンを直撃していた。
まさか…… 全部本物だと……
レオンはそのまま円形ステージの真ん中に倒れ、審判が試合の終了を告げた。
「フィル、ちょっと頼む」
ヤバイ程血を吐き倒れたレオンは、死にはして無さそうだが、後遺症くらいは普通に残るレベルの怪我をしてる。
ステージ脇の関係者席から、俺とフィルが飛び出し【フルリカバリー】を唱えた。
レオンの傷は癒え、意識を取り戻したが、何が起こったのかも理解できてない様子だった。
爺ちゃんの方に目を向けると、既に元の小柄な爺ちゃんに戻ってた。
「もう少し修行が足りぬな。カッカッカ」と、高笑いしながら戻って来た。
「賢者なのに撲殺メインかよ!」俺は思わず突っ込んだが。
「いや。当然魔法の方が得意じゃが、わしが魔法を使うとこの闘技場ごと消えてしまうでのう」
やっぱSランクってこえぇえよ……
メーガンを見るとちょっと残念そうな感じで今の戦いを見てた。
「なぁメーガンも一対一だと大剣使うんだよな? メーガンなら今の爺ちゃんの攻撃が相手でもどうにか出来たのか?」
「そうね。魔法攻撃でない坊やが相手なら、別に困らないわね」
こいつら…… どんだけなんだよ。
だが取り敢えず俺がフィルに賭けさせた、5千枚の金貨は1万6千枚になって戻って来た。
ぼろ儲けだ。
「僕らは賭けて無かったから、アケボノの食事代は、しくよろー」
とレオネアが言い、次の対戦の為にステージに上がって行った。
俺とチュールとジュウベエもレオネアに付いて上がって行く。
向こうの四人も、たった今の出来事に驚愕しながらだが、上がって来た。
審判が選手紹介をする時になって、初めて俺達の名前を聞いて来た。
レオネア
ジュウベエ
カイン
チュール
と教えると……
何やら場がざわめき始めた。
貴賓席から、ミケーラ男爵が現れる。
「もしやと思いますが…… Sランク冒険者のレオネア殿とジュウベエ殿で間違い無いのでしょうか?」
「ああ、そうだよ。聞かれなかったから言って無かったけど」
「なんと、この大陸の4人のSランクが全員揃っているなど、どんな素晴らしい事でしょう。このまま4対4の戦いを続けても、結果は先程の対戦でも見た通り盛り上がりが欠けると思います。ですので少し趣向を変えて頂いてもよろしいですか?」
「ええ? どんな風に?」
既にライガースの4人組も流石にジュウベエとレオネアの相手では分が悪すぎると思ったのか、ほっとした表情をしている。
「今この闘技場には9000人程の人数が集まっています。この中から希望の参加者全員をステージに上げて、バトルロイヤル形式で戦ってもらい最終的に残った一名に賞金を出すと言うのはいかがでしょう。賞金は参加費用として一人銀貨一枚、更に私から金貨100枚分を提供します」
街を盛り上げるイベントと言うなら、別に悪くも無いかと思い、全員参加する事にした。
そういう事ならと、メーガンとフィルとナディアも上がって来る。
みんなどんだけ、戦うの好きなんだよ……
観客も妊婦と子供以外のほぼ全員が上がって来て、直径30mのステージの上は、おしくらまんじゅう状態だ。
これ、絶対誰かが派手な技使って、大怪我する人間出て来るな……
「フィル。悪いがフィルは治療が必要な人の為に、下で控えてて貰えるか?」
「ええ…… しょうが無いね。解ったよ」
「チュールは大丈夫なのか?」
「うん。折角だしやれるだけやってみたい」
「そっか。あんまり離れないようにな」
あまりにも大人数が集まってしまって、闘技場に降りて来ただけでも8000人になったために、4組に分かれて各組100人を下回るまで予選が行われる事となった。
Sランクはそれぞれ別の組に参加だ。
俺は、シュタット爺ちゃんと同じ四組目にチュールと一緒に参加する事にした。
大まかな所が決まったので、ミケーラ男爵が号令をかける。
「それでは予選一組開始!」
この一組目は、ジュウベエとナディアが参加してる。
ライガースからはタイガが参加した。
それに対して賢者であるシュタットガルドがどう受け止めるのか、俺も非常に興味を持った。
その対応に俺は目を疑った……
シュタットガルド…… あんた賢者なんだろ?
魔法で戦うんじゃないのかよ……
いや…… 確かに魔法は使った……
身体強化なのか? その普段は160㎝前後の身長でどちらかと言えば華奢とも取れる身体が、瞬時にレオンと変わらぬ190㎝越えになり、筋骨隆々とした体つきに変わる。
身につけた衣服もその体格の変化を抑えきれずにはじけ飛ぶように散った……
散っただけでは無く、シュタットガルドの周囲を渦を巻く様に廻っている。
それにも構わずレオンはまっすぐに突っ込み、その手にした大剣を振り抜いた。
明らかに直撃の位置に正確に打ち込まれた斬撃に、一撃で勝負は合ったと誰もが思った筈だ。
「あら。坊や結構本気で相手してあげてるのね」
俺の横でそう呟いたのは、メーガンだった。
レオンが大剣を振り抜いた後には、誰も居なかった。
その直後。
俺は再び目を疑う。
シュタット爺ちゃんが4人に分身して、筋肉質な体が手に持った杖を見事なバッティングフォームで、水平に振り抜いた。
俺の目からでも、どれが本物なのか解らない。
しかし……
結果を見ると4人の爺ちゃんが降り抜いた杖は全て、レオンを直撃していた。
まさか…… 全部本物だと……
レオンはそのまま円形ステージの真ん中に倒れ、審判が試合の終了を告げた。
「フィル、ちょっと頼む」
ヤバイ程血を吐き倒れたレオンは、死にはして無さそうだが、後遺症くらいは普通に残るレベルの怪我をしてる。
ステージ脇の関係者席から、俺とフィルが飛び出し【フルリカバリー】を唱えた。
レオンの傷は癒え、意識を取り戻したが、何が起こったのかも理解できてない様子だった。
爺ちゃんの方に目を向けると、既に元の小柄な爺ちゃんに戻ってた。
「もう少し修行が足りぬな。カッカッカ」と、高笑いしながら戻って来た。
「賢者なのに撲殺メインかよ!」俺は思わず突っ込んだが。
「いや。当然魔法の方が得意じゃが、わしが魔法を使うとこの闘技場ごと消えてしまうでのう」
やっぱSランクってこえぇえよ……
メーガンを見るとちょっと残念そうな感じで今の戦いを見てた。
「なぁメーガンも一対一だと大剣使うんだよな? メーガンなら今の爺ちゃんの攻撃が相手でもどうにか出来たのか?」
「そうね。魔法攻撃でない坊やが相手なら、別に困らないわね」
こいつら…… どんだけなんだよ。
だが取り敢えず俺がフィルに賭けさせた、5千枚の金貨は1万6千枚になって戻って来た。
ぼろ儲けだ。
「僕らは賭けて無かったから、アケボノの食事代は、しくよろー」
とレオネアが言い、次の対戦の為にステージに上がって行った。
俺とチュールとジュウベエもレオネアに付いて上がって行く。
向こうの四人も、たった今の出来事に驚愕しながらだが、上がって来た。
審判が選手紹介をする時になって、初めて俺達の名前を聞いて来た。
レオネア
ジュウベエ
カイン
チュール
と教えると……
何やら場がざわめき始めた。
貴賓席から、ミケーラ男爵が現れる。
「もしやと思いますが…… Sランク冒険者のレオネア殿とジュウベエ殿で間違い無いのでしょうか?」
「ああ、そうだよ。聞かれなかったから言って無かったけど」
「なんと、この大陸の4人のSランクが全員揃っているなど、どんな素晴らしい事でしょう。このまま4対4の戦いを続けても、結果は先程の対戦でも見た通り盛り上がりが欠けると思います。ですので少し趣向を変えて頂いてもよろしいですか?」
「ええ? どんな風に?」
既にライガースの4人組も流石にジュウベエとレオネアの相手では分が悪すぎると思ったのか、ほっとした表情をしている。
「今この闘技場には9000人程の人数が集まっています。この中から希望の参加者全員をステージに上げて、バトルロイヤル形式で戦ってもらい最終的に残った一名に賞金を出すと言うのはいかがでしょう。賞金は参加費用として一人銀貨一枚、更に私から金貨100枚分を提供します」
街を盛り上げるイベントと言うなら、別に悪くも無いかと思い、全員参加する事にした。
そういう事ならと、メーガンとフィルとナディアも上がって来る。
みんなどんだけ、戦うの好きなんだよ……
観客も妊婦と子供以外のほぼ全員が上がって来て、直径30mのステージの上は、おしくらまんじゅう状態だ。
これ、絶対誰かが派手な技使って、大怪我する人間出て来るな……
「フィル。悪いがフィルは治療が必要な人の為に、下で控えてて貰えるか?」
「ええ…… しょうが無いね。解ったよ」
「チュールは大丈夫なのか?」
「うん。折角だしやれるだけやってみたい」
「そっか。あんまり離れないようにな」
あまりにも大人数が集まってしまって、闘技場に降りて来ただけでも8000人になったために、4組に分かれて各組100人を下回るまで予選が行われる事となった。
Sランクはそれぞれ別の組に参加だ。
俺は、シュタット爺ちゃんと同じ四組目にチュールと一緒に参加する事にした。
大まかな所が決まったので、ミケーラ男爵が号令をかける。
「それでは予選一組開始!」
この一組目は、ジュウベエとナディアが参加してる。
ライガースからはタイガが参加した。
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