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57.謝罪
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美麗、改めてこの度は沼の浄化ありがとう、感謝する。
それでだな、お前を何とか元の世界に戻そうとしてみたのだが、元の世界の時間とお前の家族たちの記憶を修正するのが少し厄介でな。
無理に進めることも出来るのだが、そうすると家族の心身を、特に脳にダメージを与えてしまう恐れがある。
すまない、そこまではお前も望まないと思ってな……
(そう… じゃあもう本当に戻れないんだね ……でも、家族の健康を害してまで戻りたいとは思わない… 会いたいけど、それなら…仕方ない)
本当にすまない。
このままこの世界で幸せに生きていけるよう、最大限支えていくから許して欲しい。
(それって、私のこの能力は残してくれるってこと?)
ああそれはもちろんだ。それが最大の償いだ。
それと、ハロウトのことだ。
アイツは強い力を持つには弱すぎた。未熟だった。
人間に与えた影響を考えると、一度消さないとならない。
裁きの部屋というものがあってな、そこにしばらく閉じ込めるんだ。
そうするとかなりの苦痛を味わいながら、まず心が消滅する。
その後、残った身体と魂は、ハロウトの場合、水の始まりというところに流すんだ。
そこに流すと、すべてが水の中に溶けて無になって、その水の中をただ永遠と漂うんだ。
ハロウトが誕生した時、この水の中で弱さという穢れが混じったようなんだ。多少であれば己の力でどうとでもできたが、やはりあやつは心が弱かったのだ。
歴代の水の神は皆純粋で強大だった。次の水の神がすでに誕生してな、穢れの無い水を流れていたから次は大丈夫だ。
そして、これから千年、人の命に甚大な被害が出る自然災害が起きないようにする。
これは我々神々の謝罪だ。
(そうなんだ、ハロウト痛い思いするんだね…… 人間も魔物で苦しめられたから、仕方無い……
でもこれから千年自然災害が無いなら、しばらくはこの世界の人たちも平和に過ごせるね)
そしてな、美麗が私の元に帰って来たら、私も裁きの部屋に入る。
(……女神も?痛いの?)
もちろんだ。地獄の苦しみと言えばわかるか?でも最初から決まっていたんだ。
(…そう、…仕方無いね)
ああ。美麗は何か希望はあるか?
(お父さんお母さんと裕太が、健康で幸せに生きていけるように見守ってほしい)
あぁ、それはもちろんだ…もうすでに加護を与えてあるから心配ない。大丈夫だ。
あとは?
(過去の聖女様たちはどうなるの?)
聖女たちが私の元に帰って来た時に、本人たちの要望を聞いて可能な限り叶えた。
前聖女のユリコは、生まれ変わって結婚の約束をしていた許婚とまた再会したいと言ってな、出会えるようにした。その許婚も生涯独身だったよ。ユリコが私の元に帰って来るまで待つと言って、二人とも2年後に生まれる予定だ。
その前の聖女は、この世界でまた生まれ変わりたいと言って、西の国で生まれ幸せに暮らしていたよ。
元いた世界だと生活が不便で、慣れたこの世界が良いと言っていたな。
更にその前の聖女は、天空で生活している。もう生まれ変わらなくてよいと言って、聖女の時に結婚した王子と今になって思い出話をしている。
(…ねえ?あとになって文句を言わない人を聖女に選んでるとか無いよね?)
それはない。でも聖女の素養として、皆がお前のように穏やかで優しい者ばかりだな。
でも千年前の大聖女が女神の元に帰って来た時は、怒りまくっていた。それであの裁きの部屋を作ったんだ。8人の神全員に文句を言って作らせた。神々の強力な力を注いで、私の苦痛を思い知れとな。
その時の女神は裁きの部屋80年過ごしたあとで消滅したよ。
その後私が誕生した。
私も美麗が私の元に帰ってきて、美麗の最後の願いを叶えたら消滅する予定だ。
(…そう、千年前の大聖女様の気持ちは私が一番わかるから、仕方無いとしか言えない)
ああ、それだけのことはしたからな。
美麗、お前の?お前自身の望みは?なにか無いのか?
(うーん、特に無いかな)
本当にお前は欲がないな。
(だって私の願いは……ひとつだけだから)
美麗……
(あっそうだ、それじゃあ私が死んだらこの世界のどの国でも、癒しの力を使える人を何人か誕生させて欲しい。今は私一人で何とかするから)
そうか、わかった。次の女神にも伝えておこう。
でもな、なかなかお前のような素質のあるものを探すのには骨が折れるのだぞ。人間は欲深いからな。持っている力で更に欲を満たそうとする。でも努力しよう。
(うん、お願い)
じゃあ私は行くぞ、これからは安心して思うように生きろ。幸せで楽しい人生であれば尚の事良いな、それを願っている。
私は常にお前のそばにいる。何かあれば強く願え、また会えるだろう。
(わかった、ありがとう)
それでだな、お前を何とか元の世界に戻そうとしてみたのだが、元の世界の時間とお前の家族たちの記憶を修正するのが少し厄介でな。
無理に進めることも出来るのだが、そうすると家族の心身を、特に脳にダメージを与えてしまう恐れがある。
すまない、そこまではお前も望まないと思ってな……
(そう… じゃあもう本当に戻れないんだね ……でも、家族の健康を害してまで戻りたいとは思わない… 会いたいけど、それなら…仕方ない)
本当にすまない。
このままこの世界で幸せに生きていけるよう、最大限支えていくから許して欲しい。
(それって、私のこの能力は残してくれるってこと?)
ああそれはもちろんだ。それが最大の償いだ。
それと、ハロウトのことだ。
アイツは強い力を持つには弱すぎた。未熟だった。
人間に与えた影響を考えると、一度消さないとならない。
裁きの部屋というものがあってな、そこにしばらく閉じ込めるんだ。
そうするとかなりの苦痛を味わいながら、まず心が消滅する。
その後、残った身体と魂は、ハロウトの場合、水の始まりというところに流すんだ。
そこに流すと、すべてが水の中に溶けて無になって、その水の中をただ永遠と漂うんだ。
ハロウトが誕生した時、この水の中で弱さという穢れが混じったようなんだ。多少であれば己の力でどうとでもできたが、やはりあやつは心が弱かったのだ。
歴代の水の神は皆純粋で強大だった。次の水の神がすでに誕生してな、穢れの無い水を流れていたから次は大丈夫だ。
そして、これから千年、人の命に甚大な被害が出る自然災害が起きないようにする。
これは我々神々の謝罪だ。
(そうなんだ、ハロウト痛い思いするんだね…… 人間も魔物で苦しめられたから、仕方無い……
でもこれから千年自然災害が無いなら、しばらくはこの世界の人たちも平和に過ごせるね)
そしてな、美麗が私の元に帰って来たら、私も裁きの部屋に入る。
(……女神も?痛いの?)
もちろんだ。地獄の苦しみと言えばわかるか?でも最初から決まっていたんだ。
(…そう、…仕方無いね)
ああ。美麗は何か希望はあるか?
(お父さんお母さんと裕太が、健康で幸せに生きていけるように見守ってほしい)
あぁ、それはもちろんだ…もうすでに加護を与えてあるから心配ない。大丈夫だ。
あとは?
(過去の聖女様たちはどうなるの?)
聖女たちが私の元に帰って来た時に、本人たちの要望を聞いて可能な限り叶えた。
前聖女のユリコは、生まれ変わって結婚の約束をしていた許婚とまた再会したいと言ってな、出会えるようにした。その許婚も生涯独身だったよ。ユリコが私の元に帰って来るまで待つと言って、二人とも2年後に生まれる予定だ。
その前の聖女は、この世界でまた生まれ変わりたいと言って、西の国で生まれ幸せに暮らしていたよ。
元いた世界だと生活が不便で、慣れたこの世界が良いと言っていたな。
更にその前の聖女は、天空で生活している。もう生まれ変わらなくてよいと言って、聖女の時に結婚した王子と今になって思い出話をしている。
(…ねえ?あとになって文句を言わない人を聖女に選んでるとか無いよね?)
それはない。でも聖女の素養として、皆がお前のように穏やかで優しい者ばかりだな。
でも千年前の大聖女が女神の元に帰って来た時は、怒りまくっていた。それであの裁きの部屋を作ったんだ。8人の神全員に文句を言って作らせた。神々の強力な力を注いで、私の苦痛を思い知れとな。
その時の女神は裁きの部屋80年過ごしたあとで消滅したよ。
その後私が誕生した。
私も美麗が私の元に帰ってきて、美麗の最後の願いを叶えたら消滅する予定だ。
(…そう、千年前の大聖女様の気持ちは私が一番わかるから、仕方無いとしか言えない)
ああ、それだけのことはしたからな。
美麗、お前の?お前自身の望みは?なにか無いのか?
(うーん、特に無いかな)
本当にお前は欲がないな。
(だって私の願いは……ひとつだけだから)
美麗……
(あっそうだ、それじゃあ私が死んだらこの世界のどの国でも、癒しの力を使える人を何人か誕生させて欲しい。今は私一人で何とかするから)
そうか、わかった。次の女神にも伝えておこう。
でもな、なかなかお前のような素質のあるものを探すのには骨が折れるのだぞ。人間は欲深いからな。持っている力で更に欲を満たそうとする。でも努力しよう。
(うん、お願い)
じゃあ私は行くぞ、これからは安心して思うように生きろ。幸せで楽しい人生であれば尚の事良いな、それを願っている。
私は常にお前のそばにいる。何かあれば強く願え、また会えるだろう。
(わかった、ありがとう)
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