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外は生憎の雨。
マーヴェルからの招待で訪れたガーデンパーティーの当日。城へ向かう途中から空模様が怪しくなり、門をくぐる頃には本降りの雨に変わっていた。そのため、庭園での催しは叶わず、パーティーは屋内へと移されることとなった。
「今日は少し肌寒かったから、これはこれで良かったわ。でも晴れていたら、少し先にある湖や野鳥が見られる穏やかな場所にも行けたのにね。次は行きましょうね♡」
「・・・はい、次の機会を楽しみにしております」
自室の数倍はあろうかという広さの温室で、ベルーラとマーヴェルは中央に設えられたテーブルを挟んで、二人は椅子に腰を下ろした。淹れたての紅茶を楽しむその傍らでは、互いの侍女と護衛の騎士たちが静かに二人の様子を見守る中、和やかに言葉を交わしていた。
「それにしても、本当に素敵な温室ですね」
「ふふ、そう言ってもらえて嬉しいわ」
実際、温室とはいえ室内には噴水が設けられ、空調もしっかりと整えられている。おかげで室温は常に快適で、蒸し暑さとは無縁の心地よい空間が保たれていた。
「あの・・・他のご招待客の方々は、まだお見えにならないのでしょうか?」
いくら周囲に人がいるとはいえ、王女と二人きりでの茶会というのは、些か気が引ける。ベルーラは遠慮がちに尋ねると当の王女からは、きょとんとした表情を返されてしまった。
「何を言ってるの、ベルーラしか誘っていないのだから誰も来ないわよ」
「ん?」
当たり前のように答えるマーヴェルに、今度はベルーラの方がきょとんとした表情を浮かべていた。しかも、気づけば呼び捨てにされるのも当然のようで、あまりの状況の変化に脳がついていかなかった。
「殿下、私の婚約者を振り回すのは今回限りでおやめくださいね」
ベルーラが困惑していると、背後から聞き覚えのある声が頭上に降ってきた。振り返ると、そこには怪訝な表情を浮かべたキリウが立っており、マーヴェルに軽く睨みを利かせた。
「あら、可愛い婚約者を私に取られて随分ご機嫌斜めね」
マーヴェルは唇の端をわずかに上げ、揶揄うようにいたずらっぽくキリウに微笑んだ。
「そういうことを申し上げているのではありません。ただ、貴方の思いつき一つで公務の日程が動き、事務官たちや我々護衛が変更に振り回されるのです。少しはそのことをお考えいただきたい」
傍から聞いていれば、キリウの言葉は王女に対してやや辛辣に響く。幼い頃からの仲とはいえ、その言葉の端々に棘を感じ、ベルーラは困惑を隠すように視線を彷徨わせた。ところが、その光景を前にしても周囲の者たちはまるで見慣れた出来事のように平然としており、微笑ましく見守る者までいた。
(そっか・・・。二人のこういったやり取りを見てても周りが何も言わないのは、昔から当たり前のように繰り広げられている光景なのね。そもそも私なんかが入り込める隙なんて、最初からあるはずなかったんだ)
以前同様、二人の親密さを再び見せられたベルーラは、唇にかすかな自嘲が滲んでいくのに気づいた。それでも表情には出さず、笑顔を装って二人のやり取りを見つめる。
(お嬢様・・・・・・)
そんなベルーラの変化に気づいたのか、付き添っていたノアが心配そうな眼差しを向けていた。
「前にも伝えたけど・・・私ね、あなたとゆっくり話をしてみたかったの。本当は二人きりで話す機会を作りたかったんだけど・・・それは難しかったみたい」
「さ、然様ですか・・・」
マーヴェルから屈託のない笑顔を向けられたが、どうしてもその言葉の裏を感じ取ってしまい、ベルーラは素直に喜べなかった。
「ふふ、そんな固くならないで。今はお淑やかにしているけど、子どもの頃の私って結構やんちゃな子だったのよ。もちろん、いろいろと制限があって自由にはできなかったけれど。そうそう、旧伯爵邸を改装した離宮にいる時なんかは、両親には内緒でキリウとこっそり剣の真似事なんかをしていたの。周りはヒヤヒヤしていたでしょうけどね。ベルーラはどうだった?意外と貴女もやんちゃな子だったかしら?」
マーヴェルは、ふと当時を思い出したのか、懐かしげに微笑んだ。
「マーヴェル様がですか!?それは想像がつきませんね。私の子どもの頃は・・・んー、特にこれといったことは」
(そういえば、以前もこんな話を聞かれたような・・・)
マーヴェルの幼少期に驚きつつ、ベルーラは少し眉を寄せ、記憶をたどり始めた。
「庭園で過ごすことが多かったのを思い出します。あとは、身体が弱く、部屋からあまり出られなかったキリウ様の弟、オルバのお見舞いにスクヴェルク家へ伺ったりしていました。その頃のキリウ様は剣術などで忙しく、あまりお会いできなかったと記憶しています」
「そう・・・じゃあ、キリウに出会う前の貴女はどんな感じだった?」
「前・・・ですか」
なぜそこまで執拗に幼い頃のことを尋ねるのだろう。そんな思いと共に、ベルーラの脳裏を一瞬、違和感がかすめた。思い返してみれば、キリウと初めて会った七歳以降の記憶はあるものの、それ以前の記憶が妙に曖昧だった。
もっとも、幼い頃の記憶など覚えていないのも当然だが、両親から当時の思い出話を聞いた覚えすらほとんどなかった。
「幼すぎたため、当時のことはほとんど覚えていません。強いて言うならば、何歳だったかも定かではありませんが、両親が過保護だったせいか、庭園へ出る時には必ず数人の使用人が付き添っていた・・・というおぼろげな記憶があるくらいですね」
ベルーラの言葉を受け、先ほどまで平静だったマーヴェルの表情が曇り、ぽつりと口を開いた。
「そう・・・ええ、確かに幼い頃の記憶は誰しも曖昧よね。私もね、すべてを覚えているわけではないのよ。けれど一つだけ、思い出すのも辛い出来事があって・・・。できることなら、あの記憶だけは消えてほしかった、って思っちゃうくらい。・・・あんなに無力さを感じた日はなかった。あの日で、私の心は半分死んだようなものだったの」
マーヴェルの急な雰囲気の変化に戸惑いながらも、ベルーラは彼女の訴えかける視線から目を逸らすことができなかった。
(もしかして・・・それって私とキリウ様が初めて顔を合わせた日のことなのでは・・・・・・)
ベルーラは、嫌でもそう勘ぐってしまい、心が締め付けられた。自分のせいではないとはいえ、どれほどの苦しみを彼女に与えてきたのかと思うと、言葉の一つも返せなかった。
「頭ではわかっているの、私は誰も望んではいないことを言おうとしていることを・・・でも、私はベルーラにちゃんと謝りたかった。許してもらえないとわかっていても、だからあの日───、」
「マーヴェル王女殿下、少し落ち着きましょう」
マーヴェルの取り乱す様子に、ベルーラは驚き、言葉を失っていた。そんな様子を見兼ねたキリウは、王女の目線に合わせるように軽くしゃがむと、背中に手を回し、落ち着かせるようにそっとさすった。
「最近、寝つきが悪いと聞いております。今回、楽しみにしていたのは重々承知です。しかし、今日はこのあたりでお開きにして早めにお休みになった方がよろしいでしょう。もし貴方に何かあれば、ここにいる者をはじめ皆、深く悲しむことになります。そのことをどうか忘れないでください」
慈悲深い表情をキリウに向けられ我に返ったのか、マーヴェルは小さくため息を吐き、一瞬目を閉じた。
「わかったわ・・・。ベルーラ、招待しておいてごめんなさいね。短い時間だったけれど、お話できて楽しかったわ。今日はこのあたりでお開きにするけれど、また誘ってもいいかしら?それからキリウ、今日は私の護衛はいいから、ベルーラをモーリス邸まで送り届けなさい」
「畏まりました」
マーヴェルの言葉にキリウは深く頷き、一礼をした。その様子にマーヴェルは何か言いたげな表情を零すも、それを呑み込むように笑顔で返した。
「本日はお招きいただき、誠にありがとうございました。大変有意義なひとときを過ごさせていただきました。もしお時間の許す折がございましたら、またお声をかけていただければ幸いです」
マーヴェルが護衛たちと共に退出しようとしたその刹那、ベルーラは慌てて言葉を添え、深くカーテシーをした。
そのわずかな間、マーヴェルはベルーラを見つめ、胸に秘めた哀しみを一瞬だけ浮かべたが、すぐに見慣れた笑顔を向けると、何事もなかったかのようにそのまま立ち去った。
マーヴェルの気持ちが痛いほど伝わり、彼女の笑顔と共にべルーラの胸には抉るような痛みだけが残った。その思いを抱えたままふとキリウへ視線を向けると、悲しげに目を伏せた横顔が否応なく目に映った。
(もう・・・これ以上、望んではいけない)
そんな彼の悲しげな横顔に、もう自分が居場所を求めてはいけないのだと痛感し、ベルーラは揺れる感情を無理やり胸の内へ押し込めた。
「ベル、時間は大丈夫か?出来れば雨が上がるまでの間、雨宿りさせてもらおうと思うんだが」
「はい、大丈夫です」
そんな気持ちを抱いているとキリウから声を掛けられベルーラは胸の痛みを押し隠し笑顔で頷いた。
マーヴェルからの招待で訪れたガーデンパーティーの当日。城へ向かう途中から空模様が怪しくなり、門をくぐる頃には本降りの雨に変わっていた。そのため、庭園での催しは叶わず、パーティーは屋内へと移されることとなった。
「今日は少し肌寒かったから、これはこれで良かったわ。でも晴れていたら、少し先にある湖や野鳥が見られる穏やかな場所にも行けたのにね。次は行きましょうね♡」
「・・・はい、次の機会を楽しみにしております」
自室の数倍はあろうかという広さの温室で、ベルーラとマーヴェルは中央に設えられたテーブルを挟んで、二人は椅子に腰を下ろした。淹れたての紅茶を楽しむその傍らでは、互いの侍女と護衛の騎士たちが静かに二人の様子を見守る中、和やかに言葉を交わしていた。
「それにしても、本当に素敵な温室ですね」
「ふふ、そう言ってもらえて嬉しいわ」
実際、温室とはいえ室内には噴水が設けられ、空調もしっかりと整えられている。おかげで室温は常に快適で、蒸し暑さとは無縁の心地よい空間が保たれていた。
「あの・・・他のご招待客の方々は、まだお見えにならないのでしょうか?」
いくら周囲に人がいるとはいえ、王女と二人きりでの茶会というのは、些か気が引ける。ベルーラは遠慮がちに尋ねると当の王女からは、きょとんとした表情を返されてしまった。
「何を言ってるの、ベルーラしか誘っていないのだから誰も来ないわよ」
「ん?」
当たり前のように答えるマーヴェルに、今度はベルーラの方がきょとんとした表情を浮かべていた。しかも、気づけば呼び捨てにされるのも当然のようで、あまりの状況の変化に脳がついていかなかった。
「殿下、私の婚約者を振り回すのは今回限りでおやめくださいね」
ベルーラが困惑していると、背後から聞き覚えのある声が頭上に降ってきた。振り返ると、そこには怪訝な表情を浮かべたキリウが立っており、マーヴェルに軽く睨みを利かせた。
「あら、可愛い婚約者を私に取られて随分ご機嫌斜めね」
マーヴェルは唇の端をわずかに上げ、揶揄うようにいたずらっぽくキリウに微笑んだ。
「そういうことを申し上げているのではありません。ただ、貴方の思いつき一つで公務の日程が動き、事務官たちや我々護衛が変更に振り回されるのです。少しはそのことをお考えいただきたい」
傍から聞いていれば、キリウの言葉は王女に対してやや辛辣に響く。幼い頃からの仲とはいえ、その言葉の端々に棘を感じ、ベルーラは困惑を隠すように視線を彷徨わせた。ところが、その光景を前にしても周囲の者たちはまるで見慣れた出来事のように平然としており、微笑ましく見守る者までいた。
(そっか・・・。二人のこういったやり取りを見てても周りが何も言わないのは、昔から当たり前のように繰り広げられている光景なのね。そもそも私なんかが入り込める隙なんて、最初からあるはずなかったんだ)
以前同様、二人の親密さを再び見せられたベルーラは、唇にかすかな自嘲が滲んでいくのに気づいた。それでも表情には出さず、笑顔を装って二人のやり取りを見つめる。
(お嬢様・・・・・・)
そんなベルーラの変化に気づいたのか、付き添っていたノアが心配そうな眼差しを向けていた。
「前にも伝えたけど・・・私ね、あなたとゆっくり話をしてみたかったの。本当は二人きりで話す機会を作りたかったんだけど・・・それは難しかったみたい」
「さ、然様ですか・・・」
マーヴェルから屈託のない笑顔を向けられたが、どうしてもその言葉の裏を感じ取ってしまい、ベルーラは素直に喜べなかった。
「ふふ、そんな固くならないで。今はお淑やかにしているけど、子どもの頃の私って結構やんちゃな子だったのよ。もちろん、いろいろと制限があって自由にはできなかったけれど。そうそう、旧伯爵邸を改装した離宮にいる時なんかは、両親には内緒でキリウとこっそり剣の真似事なんかをしていたの。周りはヒヤヒヤしていたでしょうけどね。ベルーラはどうだった?意外と貴女もやんちゃな子だったかしら?」
マーヴェルは、ふと当時を思い出したのか、懐かしげに微笑んだ。
「マーヴェル様がですか!?それは想像がつきませんね。私の子どもの頃は・・・んー、特にこれといったことは」
(そういえば、以前もこんな話を聞かれたような・・・)
マーヴェルの幼少期に驚きつつ、ベルーラは少し眉を寄せ、記憶をたどり始めた。
「庭園で過ごすことが多かったのを思い出します。あとは、身体が弱く、部屋からあまり出られなかったキリウ様の弟、オルバのお見舞いにスクヴェルク家へ伺ったりしていました。その頃のキリウ様は剣術などで忙しく、あまりお会いできなかったと記憶しています」
「そう・・・じゃあ、キリウに出会う前の貴女はどんな感じだった?」
「前・・・ですか」
なぜそこまで執拗に幼い頃のことを尋ねるのだろう。そんな思いと共に、ベルーラの脳裏を一瞬、違和感がかすめた。思い返してみれば、キリウと初めて会った七歳以降の記憶はあるものの、それ以前の記憶が妙に曖昧だった。
もっとも、幼い頃の記憶など覚えていないのも当然だが、両親から当時の思い出話を聞いた覚えすらほとんどなかった。
「幼すぎたため、当時のことはほとんど覚えていません。強いて言うならば、何歳だったかも定かではありませんが、両親が過保護だったせいか、庭園へ出る時には必ず数人の使用人が付き添っていた・・・というおぼろげな記憶があるくらいですね」
ベルーラの言葉を受け、先ほどまで平静だったマーヴェルの表情が曇り、ぽつりと口を開いた。
「そう・・・ええ、確かに幼い頃の記憶は誰しも曖昧よね。私もね、すべてを覚えているわけではないのよ。けれど一つだけ、思い出すのも辛い出来事があって・・・。できることなら、あの記憶だけは消えてほしかった、って思っちゃうくらい。・・・あんなに無力さを感じた日はなかった。あの日で、私の心は半分死んだようなものだったの」
マーヴェルの急な雰囲気の変化に戸惑いながらも、ベルーラは彼女の訴えかける視線から目を逸らすことができなかった。
(もしかして・・・それって私とキリウ様が初めて顔を合わせた日のことなのでは・・・・・・)
ベルーラは、嫌でもそう勘ぐってしまい、心が締め付けられた。自分のせいではないとはいえ、どれほどの苦しみを彼女に与えてきたのかと思うと、言葉の一つも返せなかった。
「頭ではわかっているの、私は誰も望んではいないことを言おうとしていることを・・・でも、私はベルーラにちゃんと謝りたかった。許してもらえないとわかっていても、だからあの日───、」
「マーヴェル王女殿下、少し落ち着きましょう」
マーヴェルの取り乱す様子に、ベルーラは驚き、言葉を失っていた。そんな様子を見兼ねたキリウは、王女の目線に合わせるように軽くしゃがむと、背中に手を回し、落ち着かせるようにそっとさすった。
「最近、寝つきが悪いと聞いております。今回、楽しみにしていたのは重々承知です。しかし、今日はこのあたりでお開きにして早めにお休みになった方がよろしいでしょう。もし貴方に何かあれば、ここにいる者をはじめ皆、深く悲しむことになります。そのことをどうか忘れないでください」
慈悲深い表情をキリウに向けられ我に返ったのか、マーヴェルは小さくため息を吐き、一瞬目を閉じた。
「わかったわ・・・。ベルーラ、招待しておいてごめんなさいね。短い時間だったけれど、お話できて楽しかったわ。今日はこのあたりでお開きにするけれど、また誘ってもいいかしら?それからキリウ、今日は私の護衛はいいから、ベルーラをモーリス邸まで送り届けなさい」
「畏まりました」
マーヴェルの言葉にキリウは深く頷き、一礼をした。その様子にマーヴェルは何か言いたげな表情を零すも、それを呑み込むように笑顔で返した。
「本日はお招きいただき、誠にありがとうございました。大変有意義なひとときを過ごさせていただきました。もしお時間の許す折がございましたら、またお声をかけていただければ幸いです」
マーヴェルが護衛たちと共に退出しようとしたその刹那、ベルーラは慌てて言葉を添え、深くカーテシーをした。
そのわずかな間、マーヴェルはベルーラを見つめ、胸に秘めた哀しみを一瞬だけ浮かべたが、すぐに見慣れた笑顔を向けると、何事もなかったかのようにそのまま立ち去った。
マーヴェルの気持ちが痛いほど伝わり、彼女の笑顔と共にべルーラの胸には抉るような痛みだけが残った。その思いを抱えたままふとキリウへ視線を向けると、悲しげに目を伏せた横顔が否応なく目に映った。
(もう・・・これ以上、望んではいけない)
そんな彼の悲しげな横顔に、もう自分が居場所を求めてはいけないのだと痛感し、ベルーラは揺れる感情を無理やり胸の内へ押し込めた。
「ベル、時間は大丈夫か?出来れば雨が上がるまでの間、雨宿りさせてもらおうと思うんだが」
「はい、大丈夫です」
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