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(...なんで私はここにいるんだろうか...?)
学校から3駅ほど離れたところにある喫茶店に碧と貴斗、そして向かいの席には制服を着た西洋人形のような顔立ちの美少女が座っていた。
「...ぁの、あの制服ってお嬢様学校で有名なところのですよね?」
碧は隣に座る貴斗に小声で確認すると頷き、もう一度目の前に座る美少女をまじまじと見つめてしまった。
ゆるいウェーブのかかったグレージュカラーの長い髪、肌は透き通るような白さとぱっちりとした目元、ポテッとした唇が同性の碧から見ても思わず魅入ってしまうほどの色香を放ち、自分が異性なら間違いなく一目惚れするレベルだなと碧は思わず見惚れていた。
「貴斗くんもう会わないってどういうこと?」
美少女は微笑みながら貴斗に尋ねているが、碧には美少女の後ろにどす黒いオーラのようなものが見えた気になり身震いした。
「んー、好きな子出来たし...あっ、こちら桐野碧さん。俺の彼女」
「はっ?.....痛っ」
あまりの突拍子もない言葉に思わず大声を上げそうになったところで貴斗に思いっきり足を踏まれた。
涙目になり隣の貴斗を睨みながらも貴斗から
『余計なこと言うな』
オーラがひしひしと伝わりとりあえず黙って下をむいた。
「花梨ちゃんの気持ちは嬉しいけど彼女いるし付き合えないんだ。花梨ちゃんかわいいし俺みたいなんじゃなくてもっと良い男できるって」
「...貴斗くん、前に言ってたよね。特定の彼女作らないって...なのにどうして」
顔はお人形さんのようだが喋り方は少し威圧的に聞こえた。
「んー、運命的と言うか、所謂一目惚れってやつかな」
貴斗が碧に優しく微笑みながら視線を送ったが碧はふいっと視線を落とした。
「にしては碧さんから貴斗くんに対しての愛情が伝わらないんですけど」
(するどいっ!)
こちらをジッと見つめる圧が強く碧はなかなか顔を上げれなかった。
「碧は人見知りだし所謂ツンデレだから人前ではこんな感じなんだ」
貴斗は碧の顎をクイッと上げ気がつくと舌が入り込む深い口付けをされていた。離れようともがけばもがくほど舌が絡み合い碧はどうすることもできなかった。
息を止めていたため貴斗の唇が離れた途端酸欠状態からはぁはぁと小さく息を吸い込むと
「ほら、ツンツンしてたのが俺のキスでこんなにも蕩けるような表情になるんだよね、こんな顔見てたらヤリたくてたまん...」
「バシャッ!!」
花梨は目の前の水の入ったグラスを貴斗に浴びせ
「サイテーッ!」
そのまま店から出て行った。店内は客も疎らで自分たちが座った場所も周りから死角だったため見られることはなかったがたまたま近くにいた店員に見られ急いでタオルを持ってきて貴斗に渡していた。
「いやー、水かけられちったー」
おどけて顔を拭く貴斗に碧は怒りを通り越し呆れ顔で見つめていた。
「なんであんなこと...」
「.....あの子さー、中学ん時のダチの元カノで高校入学してからもみんなでよく遊んでたんだ。そん時にダチの相談あるからってダチに内緒で何回か連絡取って会ったりしてたんだ。そしたらある時ダチと別れて俺と付き合いたいって言ってきて...しかも元々は俺と付き合いたかったとか言言い出してさ」
貴斗は苦笑いを浮かべ拭いたタオルをテーブルに置きジンジャーエールを口に含んだ。
「そんなこと言われても彼女のことは何とも思ってなかったし、ましてやダチの彼女となんて...それに好きな子いたし、だから断ったんだ。そしたら『最後にするから会って欲しい』って言われて会ったんだけど...」
碧は俯く貴斗の話を黙って聞いていた。
「会ってどうしたの?」
「これが最後だからってキスしてって言われて...それでこのことはお互い忘れよって...でもやっぱできないって言ったら抱きつかれながら泣かれて。その現場をダチに見られて」
「それって.....」
「多分花梨が呼んだんだと思う.....そっからはもう修羅場でさー、ダチからは元々俺らの事怪しんでたみたいで.....縁切られるし花梨からはその後もしつこく付き纏わられるし」
「まっ、自業自得なんだろうけど」苦笑いを浮かべ貴斗は碧に目線を移した。
「そういうことで今日から俺と付き合って」
ニコッと笑みを浮かべ碧の両手を貴斗の両手が包み込むように握りしめる。
「はっ?!なんでそうなるんですか!!」
碧は離そうとしない貴斗の手から逃れるようとするが一向に離してくれない。
「だって、花梨に彼女だって言ったし」
「学校違うんだから大丈夫ですよっ」
「いやいやー、念には念を。もし嘘だってバレたらまた付き纏われるし.....ねっ」
それにー...と言いながら貴斗はスマホを操作しあの画像を見せつけいじわるな笑みをみせた。
(なんでこんなことに.....)
碧は頭を抱え先の未来に暗雲が立ち篭めていく様が見えるのだった。
(.....んっ?)
「そういえばさっき好きな子いるっていってましたよね?それならその子に告白して付き合えばいいじゃないですか、阿部くんなら大丈夫ですよ」
そっちにシフトチェンジしてもらおうと碧は必死な形相で貴斗に詰め寄った。
「あー...今は疎遠なんだ、中三の時に少しだけ付き合った子なんだけど」
その言葉に碧は背筋に冷たいものがつつ...と流れる気がしていた。
「好きだったのに裏切られてさー、でも忘れらんなくて...違うな、今は可愛さ余って憎さ百倍かな」
碧は震える手を抑えながら貴斗に
「...もしその子に再会できたらどうするんですか?」
貴斗は、んーと店の天井を見上げながら
「逃げないように閉じ込める.....かな」
碧は貴斗の顔を恐る恐る見ると先に貴斗が碧に温かみのない視線を向け
「ね、紅音」
学校から3駅ほど離れたところにある喫茶店に碧と貴斗、そして向かいの席には制服を着た西洋人形のような顔立ちの美少女が座っていた。
「...ぁの、あの制服ってお嬢様学校で有名なところのですよね?」
碧は隣に座る貴斗に小声で確認すると頷き、もう一度目の前に座る美少女をまじまじと見つめてしまった。
ゆるいウェーブのかかったグレージュカラーの長い髪、肌は透き通るような白さとぱっちりとした目元、ポテッとした唇が同性の碧から見ても思わず魅入ってしまうほどの色香を放ち、自分が異性なら間違いなく一目惚れするレベルだなと碧は思わず見惚れていた。
「貴斗くんもう会わないってどういうこと?」
美少女は微笑みながら貴斗に尋ねているが、碧には美少女の後ろにどす黒いオーラのようなものが見えた気になり身震いした。
「んー、好きな子出来たし...あっ、こちら桐野碧さん。俺の彼女」
「はっ?.....痛っ」
あまりの突拍子もない言葉に思わず大声を上げそうになったところで貴斗に思いっきり足を踏まれた。
涙目になり隣の貴斗を睨みながらも貴斗から
『余計なこと言うな』
オーラがひしひしと伝わりとりあえず黙って下をむいた。
「花梨ちゃんの気持ちは嬉しいけど彼女いるし付き合えないんだ。花梨ちゃんかわいいし俺みたいなんじゃなくてもっと良い男できるって」
「...貴斗くん、前に言ってたよね。特定の彼女作らないって...なのにどうして」
顔はお人形さんのようだが喋り方は少し威圧的に聞こえた。
「んー、運命的と言うか、所謂一目惚れってやつかな」
貴斗が碧に優しく微笑みながら視線を送ったが碧はふいっと視線を落とした。
「にしては碧さんから貴斗くんに対しての愛情が伝わらないんですけど」
(するどいっ!)
こちらをジッと見つめる圧が強く碧はなかなか顔を上げれなかった。
「碧は人見知りだし所謂ツンデレだから人前ではこんな感じなんだ」
貴斗は碧の顎をクイッと上げ気がつくと舌が入り込む深い口付けをされていた。離れようともがけばもがくほど舌が絡み合い碧はどうすることもできなかった。
息を止めていたため貴斗の唇が離れた途端酸欠状態からはぁはぁと小さく息を吸い込むと
「ほら、ツンツンしてたのが俺のキスでこんなにも蕩けるような表情になるんだよね、こんな顔見てたらヤリたくてたまん...」
「バシャッ!!」
花梨は目の前の水の入ったグラスを貴斗に浴びせ
「サイテーッ!」
そのまま店から出て行った。店内は客も疎らで自分たちが座った場所も周りから死角だったため見られることはなかったがたまたま近くにいた店員に見られ急いでタオルを持ってきて貴斗に渡していた。
「いやー、水かけられちったー」
おどけて顔を拭く貴斗に碧は怒りを通り越し呆れ顔で見つめていた。
「なんであんなこと...」
「.....あの子さー、中学ん時のダチの元カノで高校入学してからもみんなでよく遊んでたんだ。そん時にダチの相談あるからってダチに内緒で何回か連絡取って会ったりしてたんだ。そしたらある時ダチと別れて俺と付き合いたいって言ってきて...しかも元々は俺と付き合いたかったとか言言い出してさ」
貴斗は苦笑いを浮かべ拭いたタオルをテーブルに置きジンジャーエールを口に含んだ。
「そんなこと言われても彼女のことは何とも思ってなかったし、ましてやダチの彼女となんて...それに好きな子いたし、だから断ったんだ。そしたら『最後にするから会って欲しい』って言われて会ったんだけど...」
碧は俯く貴斗の話を黙って聞いていた。
「会ってどうしたの?」
「これが最後だからってキスしてって言われて...それでこのことはお互い忘れよって...でもやっぱできないって言ったら抱きつかれながら泣かれて。その現場をダチに見られて」
「それって.....」
「多分花梨が呼んだんだと思う.....そっからはもう修羅場でさー、ダチからは元々俺らの事怪しんでたみたいで.....縁切られるし花梨からはその後もしつこく付き纏わられるし」
「まっ、自業自得なんだろうけど」苦笑いを浮かべ貴斗は碧に目線を移した。
「そういうことで今日から俺と付き合って」
ニコッと笑みを浮かべ碧の両手を貴斗の両手が包み込むように握りしめる。
「はっ?!なんでそうなるんですか!!」
碧は離そうとしない貴斗の手から逃れるようとするが一向に離してくれない。
「だって、花梨に彼女だって言ったし」
「学校違うんだから大丈夫ですよっ」
「いやいやー、念には念を。もし嘘だってバレたらまた付き纏われるし.....ねっ」
それにー...と言いながら貴斗はスマホを操作しあの画像を見せつけいじわるな笑みをみせた。
(なんでこんなことに.....)
碧は頭を抱え先の未来に暗雲が立ち篭めていく様が見えるのだった。
(.....んっ?)
「そういえばさっき好きな子いるっていってましたよね?それならその子に告白して付き合えばいいじゃないですか、阿部くんなら大丈夫ですよ」
そっちにシフトチェンジしてもらおうと碧は必死な形相で貴斗に詰め寄った。
「あー...今は疎遠なんだ、中三の時に少しだけ付き合った子なんだけど」
その言葉に碧は背筋に冷たいものがつつ...と流れる気がしていた。
「好きだったのに裏切られてさー、でも忘れらんなくて...違うな、今は可愛さ余って憎さ百倍かな」
碧は震える手を抑えながら貴斗に
「...もしその子に再会できたらどうするんですか?」
貴斗は、んーと店の天井を見上げながら
「逃げないように閉じ込める.....かな」
碧は貴斗の顔を恐る恐る見ると先に貴斗が碧に温かみのない視線を向け
「ね、紅音」
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